リア充死んでしまえばいいいのに
翌日、私とクローロテースはブリーズお姉様と一緒に過ごしたわ。
……って、これで終わりぃぃ!?
アルバロがサーラに呼ばれて応接間で1人待たされると、しばらくしてから1人の人物が入ってきたわ。
「君がアルバロか」
わざとらしく入ってきた人物はもちろん変身を解いたサーラで、黒いローブにフードを深く被って現れたわ。
「は、はい!」
「そう身構えなくてもいいよ。 自己紹介がまだだったね。 俺の名前はサハラ、この世界の創造神の執行者にして世界の守護者だ」
とんでもない人物が現れてアルバロも生唾を飲み込んでいるわ。
「まず君が知りたいこと、聞きたいことから聞かせてもらうかな」
サーラがそういうと、アルバロは転生者について話し始めたわ。
それはまず転生者というのは黙っておくほうがいいのか、それと過去にもいたという転生者は特別な力を持っていたりするのかとか、勇者になったりするのかっていう話だったわ。 他にもいろいろ聞いていたけれど、それを一通り聞き終えたサーラは噴き出すように笑うのよ、失礼じゃないかしら?
「失礼……俺は一応すべて答えられるけど先に今君が聞いてきたの事は大半は否定しておく、そんな事は一切ない。
ただし、この世界にそぐわないものを想像しない事、これだけは守ってほしい。 そうでないと俺は君を殺さなくてはならなくなる」
サーラが最後の一言、殺さなくてはならないのところだけトーンを落として言うとアルバロはビクッと身体を震わせるわ。
「この世界にそぐわないものの創造ですか?」
そう、といってサーラは爆弾などの話をしていくわ。 それを黙っていたアルバロは当然疑問を抱くの。
「えっと……」
「サハラでいいよ」
「サハラさんは随分と詳しいように見えますね」
するとサーラがフードを退けて顔を見せてから、アルバロにわけのわからない言葉で話しかけたわ。
『俺もまた、この世界の住人ではなかったからだよ』
サーラが使った言葉は日本語っていうんですって。 アルバロはサーラの口から出た言葉が日本語だった事に驚いて、だらしなく口が開けっ放しになっているわ。
『もっとも……俺の場合は転生ではなくて、転移してきたんだけどね』
『て、転移……』
サーラは詳しい事は話せないってアルバロに言うんだけど、アルバロはそれを聞くと目を輝かせてサーラに尋ねるの。
『それってもしかして召喚っていうやつですか? それじゃあサハラさんは神様と合ってチート能力を授かったりしたから世界の守護者なんですか?』
アルバロの勢いにサーラも苦笑いを浮かべてから首を横に振ったわ。
「もう前の世界の言葉は使うのをやめよう。 これも一種の創造に含まれるからね」
「あ……そうか。 そうですね、わかりました」
サーラは今でこそアルバロのいうようなチート能力のようなものを持っているけれど、最初からではない事なんかを話したわ。
そして何よりその代償なんかを……
「でも、僕にもサハラさんのような力があれば、仲間を助けられたのに……」
「ここは君が知るような世界ではないよ。 それじゃあ今度は俺が君に問う」
サーラはそう言うとアルバロに質問をしていくわ。 まずアルバロが今後どうしていきたいのかって聞くと、アルバロはチートも何もないからとりあえず冒険者をするのが基本だとかわからない事を言い出して、それをサーラは笑いながら頷いていたわ。
次になぜ神官戦士になったのかって聞くのだけど、普通はウィザードを選ぶのが一般的に多いらしいんですって。
アルバロはそれには照れながら、死にたくないし仲間も守れるって思ったかららしいわ。
「つまり君はこの世界でこの世界の住人らしく生きていくって決めたわけか?」
「そうですね、特に魔王がいるわけでもなさそうですし、チート能力もないですから小説のようなハーレムも無理そうですしね」
あははって照れながら笑うアルバロをサーラは苦笑いで答えていたわ。
「それならば、転生者だという事を忘れてこの世界で生きてくれればいい。 そうすれば俺も人種の神々も君には手出しはしない」
「はい! わかりました」
アルバロが元気に答えると、サーラが2人しかいないはずの空間に声をかけるの。
「そう言う事だから他の神々にも伝えてほしい」
そう言うと突然ひいお祖母様が姿を見せたわ。
「うわ! 誰!?」
「ちょっと誰って酷いなぁ……あなたが信仰する神様だっていうのにさ、ん?」
「それって! 【愛と美の神レイチェル】様ぁぁぁぁぁ!?」
「そう、そしてサハラの愛神よ」
「あ、あああ、愛神!?」
即座にアルバロがサーラの方へ顔を向けるとサーラは首を横に振って否定してくるわ。
「それは聞き捨てなりませんよ! 【愛と美の神レイチェル】」
更にもう1人の今度はエルフが姿を見せたわ。 って、この人どこかで見た事が……そうそう、サーラの机にあった絵の中の1人だわ!
「ありゃ、【魔法の神エラウェラリエル】いたんだ」
「いたんだじゃありません! あまりふざけた事を言っていると赤帝竜とアリエルにも言いますからね!」
「それは本気で冗談じゃ済まなくなるからやめてくれよウェラ」
サーラが【魔法の神エラウェラリエル】をウェラと呼んで肩を抱きしめてなだめると、嬉しそうに顔を赤らめたわ。
「さ、さ、サハラさん……これは一体」
「そうよ! サハラってばそこにいる【魔法の神エラウェラリエル】とルースミアっていう竜神と【自然均衡の神スネイヴィルス】の代行者アリエルと婚姻関係よ! 私も加えてくれないってずるいと思わない、ん?」
ひいお祖母様の暴露でアルバロは更に驚いてボソッと口からこぼれた言葉が……
「サハラさんズルい……」
だったわ。
威厳もへったくれもなくなったサーラは、言い訳をするようにひいお祖母様たちとの事を簡単に説明をして、なんとかアルバロを納得させていたわ。
「でも思えば僕も凄いですよね、だって今、神様2人と世界の守護者と話をしているんですから!」
嬉しそうに答えると3人は頷いて答えたわ。
「まぁ冗談はこのぐらいにしておいて、そう言う事なら私も少しだけアルバロ、あなたの事を見てあげるわ。 しっかりうちのひ孫のララちゃんを守ってあげてね」
「はい、ありがとうございます【愛と美の神レイチェル】様!」
「ん」
そう言うとひいお祖母様は1度サーラと【魔法の神エラウェラリエル】をジト目で見てから消えていったわ。
「じゃあそう言う事だ。 アルバロが転生したちょっと前に起こした戦争の首謀者が転生者っていうのを知っている者も少なからずいるから、あまり転生者だって事は言いふらすのはオススメしないよ」
「はい。 あの……この事はプリンセスには?」
「そうだなぁ……いずれ君が本当にこの国の宮廷司祭になるというのなら、ララには秘密を守って貰う約束して言ってもいいんじゃないか? ……あとはそれによって問題が起こったとしても自己責任だな」
「わかりました!」
それじゃあ話はこれで終わりだっていうのだけど、アルバロは首をかしげながらサーラと【魔法の神エラウェラリエル】の2人を見つめるわ。
「どうした?」
「いえ、【魔法の神エラウェラリエル】様は戻らないんですか?」
「アルバロ、そういう無粋な事は聞くなよ」
【魔法の神エラウェラリエル】は顔を真っ赤にさせて、アルバロも理解したのか顔を真っ赤にさせて頭をさげると応接間から飛び出していったわ。
走り去るアルバロの口から「ただのリア充じゃないかぁぁぁ」ですって。
残された2人なんだけど、そのあとはサーラの部屋に行って御察しの通りよ……リア充死んでしまえばいいのにね。




