サーラとアルバロ
書き溜めに余裕ができたので……
フィンがそんなここ数日の苦労話をするのだけど、クローロテースってば目を輝かせて楽しそうに聞いているわ。
「仕方がないわね、ちょっとだけコッソリ体験してみようっ!」
「何を馬鹿な事を言っているんですか」
まるで見計らったようにサーラが来たよ。
フィンとアルバロにクローロテースまでいる前で私はサーラにぐちぐち怒られて、そんなサーラの姿を初めて見たフィンとアルバロは関係ないのに一緒になって謝っていたの。
一通りサーラのお叱りが終わった頃を見計らってアルバロがサーラに声を呼び止めるわ。
「あ、サーラさん後で聞きたい事があるのですが……」
アルバロがサーラに聞きたい事って何だろう?
とりあえずサーラにまだ数日は王宮から出るのはダメだって言われると、クローロテースは不思議と素直に従うのよね。
「クローロテースはなんでサーラの言う事には素直に従うの?」
「それはね、あの方は……」
「クローロテース!」
「あ、内緒だったね」
うわぁ……それって余計に知りたくなるじゃない。
サーラがまた人魚の言葉でクローロテースに何か注意しているみたい。
それが終わるとアルバロに今なら大丈夫だからって2人でお城に入っていったわ。
「一体なんの話だろう?」
「あぁ、たぶん転生者の話ですよ。 俺が……自分がサーラさんなら詳しいかもしれないって教えたんです」
「へぇ〜、でもなんで転生者のことなんてアルバロは知りたがったの?」
「あいつ本人が転生者らしいですよ」
私がクローロテースの方を向くとクローロテースも私を見てニーって笑うの。
興味を持った私とクローロテースはお城に向かいだすとフィンはやれやれって顔をさせるわ。
「まるで姫様が2人に増えたみたいだ……って2人ともお姫様か。 世のお姫様っていうのはああいう感じなのかねぇ……」
独り言のように愚痴りながらフィンも気になっているのか後に続いてきたわ。
サーラは応接間に入ったみたい。 さすがに自分の部屋だと私の部屋に入れる事になるからね。
「それで私に聞きたいことというのはなんですか? 次期王宮司祭アルバロ」
「その次期王宮司祭はやめてください。 なんか慣れないので……それで聞きたいことというのは、転生者の事なんです」
そう言ってから続けてアルバロが口を開こうとしたところで、サーラが話をやめさせて応接間の扉を開けてきて、聞き耳をたてる3人を睨みつけてきたの。
「……あ、あはは」
……見つかっちゃった。
気になったからって言ったんだけど、サーラは応接間には入れてくれないで、フィンに庭に連れて行くようにって怖い顔をして言うと、フィンは「はい!」っていい返事をして私とクローロテースの手を引っ張って足早に連れだされちゃった。
それでってサーラがアルバロを見つめて聞くのだけど、今更アルバロったら初めてサーラと2人きりになったことに気がついて顔を真っ赤にさせだしたわ。
まぁ、サーラって美人だもんねぇ……
「実は僕は前世の記憶があるんです! それでフィンに言ったら、サーラさんなら詳しいかもしれないって言われたんで……」
顔が真っ赤になっているのを隠してか、アルバロが下に顔を向けたまま言ってからゆっくりと顔を上げると、サーラの顔が驚いた顔をしていたの。
「転生者? アルバロが?」
「は、はい……」
今度はサーラが困ったような何か考えているポーズをしながら、転生者の何を知りたいか聞いてきたわ。
「転生者というのは隠しておいたほうが良いんですか? そういうのがバレると殺されたりとか……」
「そうですね、時と場合によっては……明日もう一度話をしましょう。 その時に詳しい方を連れてきますから」
サーラはそう言ってアルバロを応接間から出すと、そのままサーラも足早にどこかに向かっていったわ。
「サーラったら酷くないかしら? これでも一応私はこの国のプリンセスなのよ?」
「いや、そうですね、あはははは……」
絡んでくる酔っ払いのようにフィンに愚痴っているところへアルバロが戻ってきたわ。
「あ、アルバロどうだった?」
フィンが話を逸らそうとアルバロに声をかけたことで気がついた私は、サーラとどんな話をしていたのか追求し始めると、明日また詳しい人と話すことになったんですって。
「そうなんだぁ、じゃあアルバロって前はなんていう名前だったの?」
「ごめんなさいプリンセス、明日いろいろ話を聞いてから答えられるようなら答えるで構いませんか?」
「う、うん、そうね。 それでいいと思うの」
思いつめた顔のアルバロにそれ以上話しかけられなかったわ。
そしてサーラもその日は遅くなってから帰ってきたの……って、さいきん私の出番少ないなぁ、この物語の主人公は私なのに……




