表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/195

フィンとアルバロの冒険

いつも読んでくれてありがとうございます。

 ウルヴィスが大量の羊皮紙を持って戻ると猫の女獣人に手渡してくるわ。



「大半が駆け出しの冒険者用のようなものばかりニャけど……これはめんどいのばかりだニャア。 確かに引き受けたくないのばかりニャ」


 猫の女獣人がそう言うとウルヴィスが笑ったわ。

 依頼の書かれた羊皮紙を見ながら2つに分けていって、全部見終えると片方のおおよそ3分の1ほどをマクシミリアンに渡してくるの。



「こっちは全部僕が引き受けるニャ。 残りはフィン様たちに頼むニャ」


 マクシミリアンは量の違いに驚いて、ウルヴィスは腕組みをしてほぉと声をあげて、所属ギルドなんかを追求しようとしたようだけど、マクシミリアンが咳払いをして止めさせたの。 猫の女獣人の素性を隠したかったみたいね。



「それではこれで失礼する」


 後に残されたウルヴィスはマクシミリアンに付き従う女獣人の素性をそっと調べ始めたわ。




 屋敷に戻ったマクシミリアンは早速フィンとアルバロを呼び出して、依頼書の羊皮紙とは別に、いかにも私を守れなかった罰として依頼内容を纏めた羊皮紙を渡してやってくるように命じて追い払うように部屋から出させたわ。




 フィンとアルバロは納得いかない顔のままフィンの部屋で内容を確認して、その膨大な量に驚きを隠せずに叫んだわ。



「ふっざけんなあのクソ親父! こんなの全部なんて出来るかよ!」


「うーん、これ全部はちょっと大変だね」


 へ? ってフィンがアルバロを見て、確認を取るように全部終われるのか確認するんだけど、アルバロはいたって普通にちょっと大変って答えたわ。



「ちょっといいか? 冒険者っていうのはこれだけの仕事がちょっと大変程度なのか?」


「うーん、正確には面倒なものばかりで、まるで冒険者ギルドで人気のない依頼の寄せ集めに近いってところかなぁ」


「いや、だってよ、魔物の討伐とかもこれ含んでるじゃねーか?」


「魔物の討伐はこの場所ならたぶんコボルトかせいぜいゴブリンがいいところだろうから大した相手ではないよ。 むしろこっちの植物を探すものとか、配達の方が大変だね」


 フィンが驚きながらアルバロを見つめて冒険者って凄いなって呟いたんだけど、アルバロは逆にフィンのように軍人の方が規律とかあって大変だよって返したわ。



「それじゃあ悪りぃんだけどよ、段取りとかはアルバロに任せちまってもいいか?」


「うん、構わないよ。 こういうのは慣れているし……もう、慣れていただね」



 アルバロはフィンに準備してもらうものを集めてもらっている間に、段取りを考えることになったわ。





 フィンが頼まれたものを集め終わった頃にはアルバロは

も段取りを組み終えて待っていたところで、すぐに出発することになったわ。



「もう出発か?」


「うん、少し遅れているぐらいだよ」


 そんなつもりでアルバロは言ったわけじゃないことぐらいフィンにもわかっているみたいだけど、間違いなくフィンの準備が遅かったせいね。



 アルバロが少し早歩きで移動するあとをフィンもついていきながら、最初にやる事を説明しだすの。



「最初は王都を出て西に少しいったところに森があるのだけど、そこにひし形の葉が出来る木があるんだ。 その木の下にだけ出来るキノコがあるから、それを取りに行きつつ、そこに住んでいる魔物の討伐だね」


 アルバロって駆け出しの冒険者って言っていた割に情報能力にとても長けていて、フィンも驚きながら素直に従っていたわ。



「アルバロって本当に駆け出しの冒険者なのか? 俺には冒険豊富な冒険者にしか見えないぞ?」


 フィンが早歩きについていきながらアルバロに聞くと、アルバロは急に黙り込んでしまったの。 そして歩く速度を緩めるとフィンに向き直って真面目な顔で話し出したんだ。



「信じてもらえないかもしれないけど、僕には前世の記憶が残ったままなんだ。 だからこの世界に生まれ変わった時、すでに精神年齢は前世のままだったんだよ」


 この世界に生きるものは少なからず転生者の事を知っているものもいるの。 特にフィンの場合はマクシミリアンの息子という事もあって、先の戦争の首謀者が転生者だという事を聞かされて知っていたのね。



「アルバロも俺も生まれて間がなかったから知らないかもしれないが、俺たちが生まれた頃に大きな戦争があったんだ」


 フィンは先の戦争の話を話して聞かせると、アルバロは渋い顔をみせるの。



「そうなんだ……僕以外にも転生者はいるんだね。

そうだフィン、その転生者は何か特別な力を持っていたりしたのかな?」


「特別な力ぁ? あぁ、なんか麻薬とかいうのとか、火球(ファイヤーボール)みたいに爆発する武器を使ったらしいぞ?」


「爆弾だね、それ」


「知っているのか?」


「知識だけはね。 でも僕には作り方まではわからないよ。 つまり前世の武器を再現したんだね、その人は。 それでどうなったの?」


 フィンは事のすべてまでを聞かされていないからわからないって答えたわ。 その事を知っている人はごく一部だけで、まさかその首謀者がまだ生きているなんてそれこそ一握りだけなの。



「そうだなぁ、この仕事がすべて終わったらサーラさんにでも聞いたらどうだ? あの人いろいろと詳しいし、ツテも多いみたいだからな」




 そんな話をしながら歩くと目的地に到着して、早速木を探し始めたわ。



「アルバロ」


「うん」


 2人は武器を抜いて身構えると、ギャーギャー声を上げながら5匹のコボルトが姿を見せたの。



「っへ! コボルト程度なら俺1人で十分だぜ!」


 その言葉通りフィンは呆気なくコボルトを撃退したわ。 その少し後に無事木も見つけてキノコも見つけて回収するわ。



「楽勝だな!」


「うん、でもこの後すぐに街道に出て王都の隣町に行って、品物を受け取ったら明日までに王都に戻らないと間に合わないよ」


「ま……マジか!? 片道普通に行って1日だぞ?」


「走れば間に合うよ」


「ありえねぇ……これじゃあ強行軍だぜ」



 こんな風に2人は私たちが家族旅行に行っている間じゅう仕事をこなして解放されたのよ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ