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サーラは何処に?

冒険というほど冒険でもないし、ファンタジー要素はあっても1人のプリンセスの物語のため、ヒューマンドラマに変更しました。

 王宮に向かうとマクシミリアンが待っていて、私はサーラの言われた通り何もなかったように帰ってきたの。



「ただいま、マクシミリアン」


「姫……お早いお帰りで。 王都は楽しめましたかな?」


「ええ、とぉーっても!」


 満面の笑みで返してあげたわ。


 というのも、もし王都に行ってよく無いことがあったなんて話をしたら、それ見たことかと言わんばかりにお父様に報告されて、2度と王宮から出られなくなるってサーラに言われていたからなのよね。



「それは良かったですな、にしてはずいぶんと早いお帰りですな」


「うん、サーラが御忍びだからって、あまり長時間は許してくれなかったの……」


「ふむ、正しい判断ですな」


 そこで少し先で待つサーラに呼ばれてお部屋に向かったの。



「上出来です、プリンセス」


 そう言うサーラの顔は私ではなくマクシミリアンの方を向いていたわ。


 その日はサーラが用があるからって部屋に篭っちゃった。 久しぶりにゆっくり火蜥蜴(イフリート)とグリフィンに今日行ってきた王都の話をして過ごしたの。





 その頃サーラはクローゼットだった部屋で黒いローブを着込んだあと、そっと窓から転移(テレポート)の魔法のように移動して人目につかないように王宮を離れたの。


 王都の人気の無い場所まで連続で転移(テレポート)して移動して降りると、その足で冒険者ギルドに向かって行ったわ。


 フードを深く被って素顔を見せないように冒険者ギルドに入って、その足でギルドマスターの部屋に向かったの。

 もちろんギルド職員に止められたけど、顔を見せて顔パスよ。



「ずいぶんと早いお戻りだな」


「目星はつかなくても毒の種類ぐらいはわかったんじゃないですか? ……そう、例えば軽度の麻痺のように殺傷が目的ではないとか」


「……まるで犯人の目星がついているような言い草だな?」


「まだ確証はありませんので、あくまで予想の範囲でですけどね」


 それでやっぱりサーラの言うように、毒は軽度の麻痺だったみたい。



「治療はギルド職員でできる者はいるんですか?」


「いや、俺は元戦士上がりだし、職員に冒険者経験がある奴はいないから、治療となれば神殿の神官に頼まなきゃダメだったな」


「神殿の神官に治療を頼むとなれば、素性のわからない者は治療しないからプリンセスだとバレてましたね」


「ああ、本当にあんたには助けられたよ。 一体あんた何者だ?」


「唯のプリンセスの付き人ですよ」


 怪しすぎよね? っと私はここにはいないんだった。

 ウルヴィスも疑わしい眼を向けたけど、ウルヴィスとギルドの威信はサーラのおかげで保たれたから、それ以上は聞かなかったみたい。 聞けなかった、かな?



「そこまで聞ければ十分です。 何かわかったらまた来た時にでも」


「おうよ、そんじゃあれだ。 こいつを持って行ってくれ」


「これは?」


「臨時職員のバッジだよ。 毎回あんたが来るたびに職員たちが慌ただしくなってたら、こっちも困るからな」


 笑いながらウルヴィスがいって、サーラは頭を下げて出ていったの。


 そのまま王宮に戻るのかと思ったんだけど、サーラは今度はどこかの酒場に入って行ったわ。

 あれ? 思えばこのぐらいの時間は自由時間でサーラがいない事多かったかも。



 一番奥のテーブル席について注文を済ませてサーラがお茶を飲んでいると、女の人がきて当たり前のようにサーラの座るテーブル席に腰を下ろしてきたの。

 あ、この人サーラの部屋で見た赤毛の女の人だわ。



「怪しい感じはやっぱりないの、サハラさん? あ、今はサーラね」


「いや、顔はフードで隠しているし、サーラの名前の方が聞かれたらマズいかもしれないからサハラでいいよ、アリエル」


「それで?」


「ああ、いくら見ていても、見事なまでに普通の女の子だな」


「……そう。 じゃあ後でスネイヴィルス様には嘘つきとでも言っておくわね。

それじゃあもう調査はお終い?」


「それがな……」


 今日あった出来事を赤毛の女性……アリエルに話して、私が何者かに狙われているからもうしばらくついて見てあげたいだなんて余計な事を言い出すのよ。



「それって明らかに身内絡みよねぇ」


「俺もそう思うけど、ララは幼少期に野盗にも狙われているらしいからな。 一概には言えないんだ」


「……ロリコン」


「は?」


「可愛いんでしょ?」


「ちっがうわ! あれはただのじゃじゃ馬娘だぞ?」


 ふーんって疑わしい眼で見つめるんだけど、じゃじゃ馬娘ってどういう事よ!



「まぁいいわ。 ウェラと赤帝竜(ルースミア)にチクっとくから」


「それは勘弁してくれよ、今乗り込まれたら面倒がさらに面倒になる……」


「冗談よ、冗談。 その代わり……」


 わわっ、サーラに色っぽい顔でなんか迫ってるよっ!



「1人抜け駆けか?」


「駄目ぇ?」


 その後2人は店を出ていって、1件の宿屋に入っていっちゃった。






「あれ? お父様、お母様、サーラは?」


 夕飯の時間になっても姿を見せないサーラが気になって聞いてみたら、出かけているんじゃないのって気楽に返されたけど、サーラなら部屋に入ったきり出ていないはずなのよね。




「サーラ、いるの?」


 ちょっとだけ心配になった私は、部屋に戻ってサーラを扉越しに呼んでみたんだけど返事はないわ。



“いいじゃん、ほっとけばよぉよぉよぉ!”


「そういう訳にはいかないでしょ」



 knock knock……


 聞こえてないのかもと扉をノックしたんだけど反応がないから、倒れていたりしていたらいけないと思って扉を開ける事にしたの。



「サーラ、開けるよ?」


“やめておけよ、きっと疲れて寝てるだけだぁよ”


 邪魔してくる火蜥蜴(イフリート)を無視して私は扉を開いたの。


 ……でもそこには誰もいなかったんだ。



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