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ボードゥアン4世を救え!  作者: 登録情報がありません
18/20

#18<近代(1/3)>

この第18章からは「蛇足」になります。

近代の世界線が中世の変革によって変わっていく様を描いています。

アフリカは合衆国となり、新大陸のインカ、アステカは滅亡していません。

そのため欧州の経済と流通は植民地無しでやっていく事になります。

そして近代になった。

世界の勢力均衡は大きく変わっていた。


王朝制は消滅しエジプトは連邦政府を設立、世界の盟主となっていた。

エルサレム王国は健在、エジプトの庇護のもと、今度はイスラエルが建国される。


かつて、紀元前15世紀、パレスチナはエジプトの庇護の元にあった。

その後民族集団として滅亡、紀元前10世紀にイスラエル王国が栄えた。


紀元前772年イスラエルはアッシリアに滅ぼされ、南部はエジプトの支配下になった。

その後さらにバビロニアに蹂躙され、さらにローマの支配下となる。


要するにアフリカ、アジア、ヨーロッパの三大陸の結節点なのだ。

周辺帝国による支配を何度も受ける「運命」を持つ、地政学上の拠点である。


そして今、エジプトの庇護のもと、三度目の建国に至ったのだ。

エルサレム王国はイスラエルの国家の中の首都国家であり特別区である。


行政・司法・立法が独立した特別管区という扱いだ。

ここではイスラム教徒+ユダヤ教徒+キリスト教徒が平和に暮らしている。


パレスチナの民とイスラエルの民はその首都国家を共有している。

そしてそれそれの領土を複雑怪奇な方法で分立している。


その比率は正確に0.50000、50.000%である。


パレスチナの民「エジプトが仲介するからこそ承るのだ」

イスラエルの民「某五枚舌の島国政府の勝手にはさせん」


紀元前15世紀からエジプトが庇護してきた土地柄である。

かつてはアラブ人の土地でパレスチナの土地であった。


そして滅び、ユダヤ人の土地でイスラエルの土地となった。

双方とも、建国しては滅ぼされ、蹂躙され支配されてきた。


そのたびにエジプトは何らかの援助を惜しまなかった。

特にサラディンの時代になってからは共存共栄の道を探ってきた。


だからこそエジプトの仲介を受け入れたのだ。

両者に依存があっても、それを口に出して争うことはない。


まがりなりにも平和が保たれていた。

グレーゾーン扱いではあったが、現在まで内戦は起きていない。


エジプト連邦は18世紀にアフリカ大陸を完全に掌握していた。

1776年、アフリカは「United States of AFURICA:USA」アフリカ合衆国を宣言。


本土56州とアラビア半島4州を含む60州からなる連邦共和制国家となった。

首都はカイロ、ミッドタウンはアレクサンドリアである。


新大陸はインカ、アステカ、新生ルゥルゥの二王国一合衆国から成る。

南米はインカ王国(首都キト:正史エクアドル首都)が健在である。


中南米はアステカ王国(首都テノチティトラン:正史メキシコ)が健在である。

北米は新生ルゥルゥ合衆国(首都:ニュー・アレクサンドリア:正史ワシントン)がある。


三国ともアフリカ合衆国の友好国である。

欧州はとうとう新大陸をモノに出来なかったのだ。


そのため欧州は植民地の総ての資源を調達出来なかった。

三角貿易も南米プランテーションもない。


砂糖も綿もゴムも、普通に商取引をすれば、簡単に入手できた。

だが欧州はそういう正当な正規のルートで手に入れるつもりはなかった。


なんとかして植民地を切り開き、原住民や黒人奴隷を隷属させたい。

だが総ての試みは失敗し、世界の何処にも隷属する植民地はない。


イギリスはインドの略取に失敗し、綿などの資源の簒奪に失敗している。

オランダもインドネシアの植民地に手が届かなかった。


フランスはアフリカに1つも植民地がなかった。

ポルトガルもスペインも国自体がそもそも無い。


ドイツもベルギーも1つも植民地がなかった。

ヨーロッパ諸国は1つも植民地がなかったのだ。


19世紀、彼らは欧州という限られた箱庭で資源を奪い合った。

各国が苟且(かりそめ)の同盟連合を組み、欧州の派遣を争っていた。


だが、それも長くは続かない。

戦争は経済、資源、人員を大量に消費する。


近代戦は中世のように槍や弓矢で戦う戦闘ではなかった。

銃弾や砲弾が飛び交う大量殺戮の戦闘なのだ。


欧州は自ら戦禍に陥って、消耗し、疲弊していった。

だがやがて海の向こうの国が自分達を睨んでいるのに気付いた。


アフリカ合衆国と新大陸が、である。

欧州は敵対行為をやめ、なんとかまとまろうとあがき始めた。


だが一朝一夕でそう簡単に戦意を捨て、過去を水に流せるわけがない。

机の上では穏やかに談笑しているが、机の下ではお互いの足を蹴飛ばし合うが如しである。

とにかく莫大な資源を持つアフリカ合衆国と新大陸に拮抗しなければならない。


歴史という舞台のシナリオは大きく偏心し始めた。

フランスではナポレオンではなく、ポッツォ・ディ・ボルゴが皇帝になった。


幼少期はナポレオンの遊び仲間であり、後年ロシア皇帝アレクサンドル1世の外交顧問を務めた。

そして政敵となった幼なじみ同士の調略は、ボルゴの勝利に終わった。


フランスに帰国したボルゴは、皇帝になっても、あの悪名高きロシア遠征を行わない。

ロシアの外交顧問だった彼は、ロシアの冬の恐ろしさを、誰よりもよく知っていたからだ。


オーストリア=ハンガリー帝国はやはりハプスブルグ家が二重君主となった。

ハンガリーはオスマン帝国改オスマン連邦と拮抗している


一方で、歴史はじわじわと表舞台に立つ登場人物を選んでいるかのようだった。

ドイツではヒトラー、彼の憧れたエルンスト・レーム、ルーデンドルフ、ゲッペルス。


ロシアではレーニン、敵対するスターリン、トロツキー、ジノヴィエフ。

歴史の潮流が変わっても、彼らは生まれてくる。


未来は一体どうなるのか……。

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