境界:平和の裏側
目が覚めて最初に感じたのは疑問だった。
ここはどこだ?
辺りは見たことのない景色が広がり、見たことのない高い建物は太陽の光を遮っていた。
いや・・・そもそも、俺は誰だ?
ようやく目覚めたか。俺。
疑問に答えた声は、内側から響いて来た。
誰だお前?
俺達はお前、お前は俺達だ。そういう風に作り直されたのだから。
・・・・・・ああ。
心当たりがあった。何故かそれ以外に記憶がなかったが、そんな些細なことはどうでもよかった。
復讐しようぜ、俺。あの月に住む化け物達に思い知らせてやるんだ。
いいな、それ。あいつら俺から、俺達から何もかも奪った。
今度は俺達が奪う時だ。
目的が決まると、自分の中が満たされていく心地よい感覚がした。
そういや名前はどうする?
必要あるか?俺は俺だぞ。
俺達の総称とかそういうことで。
・・・だったらピッタリな名前があるぞ。七つの炎を使う、全ての者に恐怖を与える名前が。
どんな?
この時、彼らの名前と、運命が決まった。
魔王 サタン。
燃えていく。自分の全てが、燃えていく。
それはとても怖く、そしてそれ以上に心地よかった。
自分が、ごちゃごちゃした色でなく、純粋な色に変わっていくのを感じて、とても興奮していた。
「・・・・さあ来い人間。どこまでも純粋な悪意というものを見せてやる」
心を燃やす炎は、まだまだ消えることは、ない。




