表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/57

平和な日

 最近まともに寝てることがない気がする。と朔は思った。

 自分の部屋で起きるのが随分久しく感じた朔は、隣で正座したまま寝てる妖夢を見る。

「・・・ほんと、こんなのばっかだな」

 静かに部屋から出ると、猫の尻尾を持った可愛らしい子供がいた。八雲藍の式、ちぇんだ。

「あ、おはようございます朔さん」

「おはよう橙。藍さんのお使いか?」

「はい! まあ藍様も幽々子様から頼まれたと言ってましたけど」

「幽々子さん? 紫さんじゃなくて?」

「ええとですね、妖夢さんを白玉楼を連れてくるようにとのことです。朔さんはいらないとも言われたそうです」

 いらないってなんだいらないって。と言いたがったが橙に言っても仕方ないので何も言わない。

「妖夢ならそこでスヤスヤとお眠り中」

「起こさない方がいいですかね?」

「いや、急ぎだと困った事になるかもしれないから起こした方がいいだろ」

 部屋に戻って妖夢の顔をペチペチと叩く。少し呻いただけで起きない。

「妖夢〜、妖夢ー!」

 呼びかけにも反応がない。仕方がないと言いながら朔は台所へ行き、乾燥させたマタタビを持ってくる。

「ま、マタタビ! それをどうするつもりですか!? くれるんですか!?」

 目の色変えた橙の前へ持って行き、視線を集中させた後に妖夢に向かって放り投げる。

「マタタビー!!」

 橙はマタタビを追いかけて、妖夢の腹に思いっきり体当たりした。悶絶しながらも妖夢は目を覚ました。

「おはよう妖夢。幽々子さんに呼ばれてるぞ」

「お、はようござい、ます。幽々子様、ですか」

「マタタビー!」

「ちぇーん、仕事してから好きにしろよ」

「はっ! そうでした! 行きましょう妖夢さん!」

「え、いや顔を洗うくらいさせてくれないんですか!?」

 妖夢の叫びを無視して橙はグイグイ引っ張っていく。どうも寝起きの身体では抵抗出来ないらしく、ふらふらと空を飛んで行った。

「・・・そういや、もう元気に動けるのか妖夢。流石半人半霊・・・てか俺の半霊は何処へ!?」

 辺りを見渡しても何処にも半霊が見当たらない。少なくとも家にはいないみたいだ。

「・・・半身が消えるとか大丈夫かよ。おーい半霊やーい」

 半霊を探しに外に出る。家の近くにはいないようだ。

「・・・・・ん?」

 いた。遠くで誰かに抱えられている。

 その誰かは全身を黒装束で包み、まるで忍者のような格好をしていた。良く見ると半霊だけではなく他にも人魂がうようよしていた。

 その誰かは一度こちらを見て笑った、気がしたが顔が見えないので判断ができない。

 そうやって見ていたのに、まるで最初からいなかったかのように誰かは消え去った。ふわふわと半霊がこっちにやってくる。

「・・・なんなんだ?」

 とはいえそんなことを気にする必要はない。そんなことより休みだわーいと適当に思いながら朔は自分の家に戻っていった。



 昼を過ぎた頃に妖夢が帰ってきた。何故か全身切り傷だらけで。

「どうした妖夢、何があったんだ?」

「いえ、少し鍛錬を・・・」

 朔は部屋から救急箱を持って来てとりあえず手当てをしておこうとする。

「ほら座れ」

「い、いえ、そこまで酷い傷はないので放っておいても問題ないですよ」

「座れ」

「ですから」

「座れ」

「・・・はい」

 渋々といった感じに座る妖夢の傷口を消毒したり包帯を巻いたりしておく。酷い傷はないと言いながらも結構深い傷があったりした。

「あーあー、顔まで傷だらけにしてるし」

「まあ、鍛錬でなければ顔をやられたら死んでますね」

「いや、単純に可愛い顔が台無しだと言いたいだけ」

「かわっ!?」

「おい? 顔がりんごみたいになってるぞ?」

「〜〜っ!」

「どうしたんだよ? まあいいや一応これでおしまい」

 ダッ! と妖夢は手当てが終わるなり目にも止まらぬ速さで走り出していく。

「??」

 朔は一人部屋で首を傾げていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ