爆弾
「・・・なあ」
「なんだ?」
「・・・なんだって俺は仲良く妖怪と歩いてるんだ?」
「布団持ってやってるんだから良いだろう」
人里から離れた獣道。そこを朔と元は通っていた。
辺りは不気味なほど静まっていて、ただ二人の話し声に満たされている。
朔の手には饅頭を入れた袋が。元は布団を背負っている。
「しかし朔、お前はいつもこんな道を歩いてんのか? 妖怪が出にくい道を行った方が安全じゃないか?」
「ある程度の妖怪は口先でなんとかなるし、さっさと帰った方が危険は少ない」
そうこう言ってると獣道が終わり、二人の目の前には畑が広がっていた。
「あそこの小屋に置いといてくれ」
「サー、イエッサー」
良くわからない言葉を言いながら元は小屋へと向かう。
朔は元を待たずに家に入る。実は何か盗まれてないかずっと心配だったのだ。
「ただいま帰りましたよっと。・・・あら?」
玄関で真っ先に気づいたのは靴が一つもない。要するに妖夢がいない。
「妖夢ー?」
饅頭を玄関に置いて外に出る。辺りを見渡しても妖夢の姿はない。しかしすぐに思いつく。
「紫さんだな」
やれやれと思いながら家に戻る。するとそこにはいつの間にか元がいた。
「なんかおやつねーの?」
「チョコでも食ってろ。向こうの部屋の机にあるから」
教えてやると元はすぐに部屋に向かう。ちなみにこのチョコは二月の終わりに紫が大量に持ってきた余りで、なぜ持ってきたのかは朔は知らない。
元がひょこっと顔を出して言う。
「そうだ、上の奴らに少し抑えろと言っておけ。どんどこどんどこうるさい」
「上?」
朔が意味を聞く前に元は引っ込んだ。
上、というと二階か屋根裏になるのだろうがこの家にそんなものはない。
となると消去法でいくと残りの『上』は一つだ。
朔は玄関から外に出て『上』、空を確認する。
「・・・なにをやっとるんだ」
刀を振り回す少女と、箒に乗って動き回る少女がそこにいた。妖夢と魔理沙だ。
空中で大量の球が飛び交っている。何か爆発したりレーザーがあったり斬撃が飛んだりしてるが幻想郷では日常だ。
問題はそれを人の家の真上で行われていることだが。
「・・・ん?」
何かが空から落ちてくる。朔はそれを地面に着く前に掴み取る。
なにやらビンの中に綺麗な液体が入っている。ビンの表面には文字があり、時間が経つごとに文字が消えていく。
「・・・ま、さか」
朔は空を見上げる。そこにはカラフルな球に混じって何かが爆発している。
判断するには十分だった。
「っだらっしゃー!」
即座にビンを空高く蹴り上げる。空を飛んだビンは光り、爆発した。
もちろんそんなに高く上げれていないので朔は爆発を全身に受けた。
激痛と一緒に朔はこんなことを思う。
死んだら盗んだ物を盗み返してやる、と。




