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BLACK D●T  作者: 笹舟
●あがり、それから。
86/87

あの日と今

 

 ***


 一年前、私は北高生になったのだなと思った。

 

 四月九日の今日は、入学式。

 慣れない様子で整列している新入生、つまりこれからの私の後輩にあたる生徒たちは、たびたび時計を見上げたり、ずっと下を向いていたりと、みんな何処か落ち着きが無い。

 去年はその列の中に私も居た。

 そしてあの、生徒会長の妙な第一声を聞いたのだ。


 ――「変な名前だよね。でも、おかげで覚えてもらえやすいかな」――


 それを聞いて、下を向いて退屈な式典が終わるのを待っていた私は、思わず顔を上げてしまったのだった。いま思い出してもやはりおかしい。変なのは名前でなく貴方だ、と言いたい。もちろん貶したい訳じゃなくて。

 私は思い出に薄く浮かんだ笑いを静めて、前を見た。



 壇上では、夕香が歓迎の挨拶をしている。



 私と夕香が二年になり、中谷会長たちが三年になった。

 中谷会長たちは宣言どおり、生徒会を退会してはいない。だけど、彼らは三年、つまり受験生であり、この学校は進学校だ。前々から言われ続けているように、「三年になったら勉強の日々」。今まで以上に忙しくなったのが見ていても分かった。


 中谷会長たちにかかる負担を少しでも軽くしたい。

 その考えは私も夕香も同じで、結果、夕香が生徒会長の役に、私が生徒副会長の役についた。


 生徒会の仕事は、忙しいながらに三年生が手伝ってくれ、どうにかやっていけている。

 それに、私と夕香が会長と副会長になったことで、二年生の中でも生徒会に関心も持つ生徒もちらほらと出てきた。今では準・生徒会員と呼べる生徒も4人ほど居る。

 

 生徒会での活動が将来に繋がるかどうかは分からないし、きっとこれから嫌な気持ちを味わうこともあると思う。

 だけど後悔をすることは、多分きっと無いだろう。



 ……だから、問題点?はただひとつ、だけ。



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