表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/8

Ep05跳ねるしっぽ ─到着─

続きます


 「さあ、行きましょうこいぬ。」

手を差し出し、私の契約モンスターに乗りなさいと一言。


 「は、はいっ!!」

 そそくさとドラドラになる準備をするこいぬ。


 「───……さて、飛んで!! ドラドラ」


───グギャアァア!!!

そうアーテルが声をかけると、咆哮を上げ、その翼でビュンと空へ飛び出した。


2人の目指す所は勿論、アーテルがギルド長を務めるギルド『銀龍騎兵(ドラコ・エクェス)


アーテルの契約モンスター『ドラドラ』が大きな両翼を羽ばたかせ、飛行の体勢に入る。


サンドタウンの粉塵を巻き上げ、一気に加速。


「ちょちょちょ!! ひゃああああ!! なんて速さ!!!」


「ひひひ。ドラドラの速度爆上げしてるからねー」

こいぬの方へ振り返り少しドヤ顔めいた表情を浮かべる。


「流石……レベ完勢……、パートナーモンスまでレベ完しててスピードステもこんなに速いなんて……。」


「……。」


「あれ? アーテルさん? アーーテルさーん?」


─── カアアァッ。


平気でこんな事を言うくせに、アーテルは照れ屋なのである。

顔を火照らせ、少ない言葉数が更に減り2人の空中散歩に静寂の空気が流れる。


「……おーい、おーい。あれぇ。。アーテルさーん?」


「おほん。話を変えよう。こいぬくん1つ私が気になっている事の質問をいいかね?」

取り乱した態度を咳払いで一掃するアーテル。話を仕切り直し、質問をこいぬへと投げかける。


「は、はい……。へ、大丈夫ですけど」

一瞬の態度の変容に惑わされながらこいぬはきょとんとした顔でそう答える。


「君、戦闘面に注力していると言っていたがもしかして『P(プレイヤー)V(vs)P(プレイヤー)』好きなタチ?」


ピコン。ピコン。


モフモフなこいぬの獣人耳、いわゆる所の犬耳が『PVP』と言う言葉に激しく反応しピコピコと動き出した。そしてしっぽもフリフリ。


「はいはい、はぁい!!! しますします!! 大好きです!!」

めちゃくちゃ素直な意見。

そしてこの目を煌めかせ、素直に即答する感じ本当に子犬の様だ。

「……やっぱり? それなら良かった。ウチにも1人居るのよ。『PVP』狂いの戦闘狂が──……ね?」


『PVP』『戦闘狂』と言ったふたつのワードを聞くとこいぬの眉がぴくぴくと動く。

 「正直ギルドなんて堅苦しい所ぜーんぜんっ、乗り気じゃなかったんですけど、そう言う人が居るならお話は変わります」


 「うぉー!! やる気出てきたっ!!」


 「あんたねぇ……。そんな正直に。──はは。やっぱり面白い子だね。」

 あまりのストレートさにくすくすと優しく笑うアーテル。


 そんなこんな、他愛も無い話を続けていると、2人の目的の地である«真理の森グリン・獄林層(アルカトラズ)»


見渡す限りマップに拡がっている鬱蒼とした森、ある一定を進んだ所から黒雲が立ちこめ、邪悪な雰囲気が周りを包む。


そう、ここは高レベルダンジョンへと続くゲート・ポータルが出現している初心者立ち入り禁止レベルの危険地域。


ここに出現する野良モンスターでさえ現レベル最大50付近の39〜45のハイレベルモンスターが現れるそんな地域である。


「ひっ……ひぃ……アーテルさんここってぇ〜……」


「ん?……あぁ、そう言えばこいぬは40レベにはいってないんだっけ。まあでも安心して。『上香封魔水』の瓶ならアイテムボックスに4〜5本持ってるから全部あげるよ。私は必要ないからね」


──……ピコン。


ひゅん。

*───────────────*

◻︎『上香封魔水の小瓶』/×05


・「受け取る」

・「受け取らない」


送り主『アーテル』(フレンドプレイヤー)

*───────────────*



「わ! こんなに!! 良いんですか!!」


「うん。要らないそれ。あげる」


「やった!! これで私の不安もすっきりです! へへ〜」


こいぬはアーテルからアイテムを貰いそれを収納する。



「さ、着いたわ。こいぬここが──私たちのギルド」


「『銀龍騎兵(ドラゴ・エクェス)』よ──……。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ