Ep04 ギルド ─集い─
「ちょちょ、アーテルさん!! どういう事ですか!!」
「んー、どう言う事ってあなたをギルドに連れてこうとしているだけよ。」
「えええ!! なんでソロの私なんかを引き抜こうと……!!」
ぷるぷると震えながら涙を零すのを必死に我慢したような瞳をうるうるさせながらそう答えるこいぬ。
ゆったりぬくぬくと1人でソロ戦闘を楽しんでいた彼女が怯えるのは当然。
そう、アーテルは上位10位に価する戦力を保持するギルドへ送られる名誉称号(十戦華・兵団)の一員。
そして『銀竜騎兵』のギルド長である。
戦闘以外に関心が薄いこいぬでもアーテルの属しているギルドは知っているくらいの知名度だ。
「こいぬ、──? あなたはきっと強くなる。」
「へっ……? 急にななななんですか!! って、てか。私の質問にハッキリと答えてくださいよ!!」
「わたしはあなたを気に入った。ただそれだけ。わたしの感はハズれた事がないの。」
「だからあなたは強くなる。入りなさい。私のギルドに──……。」
「わたしが、アーテルさんのギルドに……。」
「それに私があなたを気に入っているのは、私の感だけじゃないわ。」
「この段階でユニークを知らず、ただひたすらにソロでボス攻略に挑もうとするその不器用さがすき。だから、わたしとフレンドになってよ。」
───むきゅ、。
ちいさいちいさいこいぬの胸の音が鳴った。
……気がした。
「──……分かりました。……これ、私のフレンドIDと無刻印のギルドカードです。」
───フィン。
◆ ・─────────・ ◇
▫こいぬ(Lv37) (ID@koinu3at0207)
・ヒューマ・ビースト
・パートナープレイヤー(空欄)
・契約モンスター(空欄)
▫『装備』
・《頭部》E.ゆるモフ柴犬フード
・《ボディ》E.ギャンかわパーカー(しっぽ付き)
・《両腕》E.バカでか手袋
・《靴》E.名犬だっしゅシューズ
・《EXアイテム》E.鈴付ききんいろ首輪
◇ ・─────────・◆
「ふむふむこいぬの装備、面白い組み合わせ だね。こだわりを感じるそれに、結構見ない素材から出来ているのもある。」
フレカの装備欄をすぐ様確認しそうコメント。
「ちょ、ちょちょ。ジロジロ見ないで下さいよ。とりあえずあげますので。はい」
こいぬはフレンドカードをアーテルへと手渡した。
「ひひ、やった。招待したからには楽しませるよ。じゃ、行こうか。こいぬ」
ピッ、ピッピコッ…ピッ。ヒュィン。
フレンドカードからパーティへ招待コマンドをすぐさま選択。これでアーテルこいぬ2人だけのパーティが完成。
─── ……ボン!!
ヒュイイイン。
アーテルはそのまま耳元のデバイスを数回タップしショートカットキーから自分の契約モンスターであるワイバーンの『ドラドラ』を魔法陣から呼び出した。
『グキャァー!!!』
「よしよし、大人しくしていたかい。ドラドラ。」
「えーー!!! かっわいいい!!! この子もしかしてアーテルさんの契約モンスターですか!?」
「ひひひ、その通り。その名もドラドラだよ。とっても可愛いんだ。さ、こいぬも乗って大丈夫だよ。よいしょっと。」
種族はワイバーン。小型で大きさは車、もしくはバイク位の竜にしては小さめのサイズ。
頭にはアーテルがクラフトしたドラゴン用の銀色の甲冑が装備されている。
「あの、この子触っても良いですか……。かっかわいい……。」
アーテルの契約モンスター。ワイバーンのドラドラを前に恋する乙女のような純粋な瞳になるこいぬ。
「うん、良いよ。少しならね。」
「わ〜ありがとうございます!! ドラドラちゃん。はじめまして〜きゃー!! かわいい、可愛いなぁ!!」
瑠璃色に光る宝石のような瞳で初対面のこいぬをくりくりと眺めた後、警戒が解けたのかその大きな身体をのそのそとゆっくりと近づけ身を子犬へ託す。
キュルルルゥ〜。
こいぬに優しく頭を撫でられ、眠りにつきそうな表情を浮かべる。
「冷たくて気持ちいい〜 ほんとにかっわいいなぁ〜」
「ふぅん。こいぬになかなか懐いてるわねドラドラ。少し妬けちゃうわ」
「へへへ〜」
「よし。そろそろね。もうそのくらいでいいでしょ? さ、いくわよこいぬ」
「え─── どこへ、」
───ばさっ。
翼を羽ばたかせ、飛ぶ準備の体勢を取るドラドラ。
ギャオオオオオオ!!!
「決まってるでしょ、私達のギルドよ。」
こいぬとの出会いが、このドラゴン・ゲート・オンラインの世界をまた新しく、楽しいものにへと大きく広げていくことになる。
3話分、一挙公開とかも考えていますので次回やりたい気持ちです!引き続きたのしみながら頑張ります。




