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Ep02 子犬 ─こいぬ─


───サンドタウンのポータルダンジョンを採掘中、アーテルは子犬のようなくりくりとした瞳を輝かせる少女と出会ったのであった。髪はショートカットの茶髪。至って普通の子って所が可愛いと言うのが第一印象。


肩を震わせく息を切らし、こちらの顔色を伺う様子は本当に小動物のようだ。……と言うか、本当にケモ耳が生えている。


犬みたいなそのモフモフした垂れ下がった犬耳は──モフモフ……モフり、何でもない。


脱線しそうになった、本題を戻そう。

その容姿からするに『ヒューマ・ビースト』のプレイヤーである。


「あ、あのっ!! 単刀直入に言います……助けて下さい……!!」


「なるほどね、そう来たか……。で、何をどうして欲しいの」


「う、ううぅ……。」


「それが……それがぁ……あ・れ・!!あれをどうにかして欲しいんです!!!」


「……ん? あれ?……どれ?」



──……グォオオオオン!!!!



「これです、」



「…まじか。」

少女はぷるぷると指を震わせ、討伐対象であるそれに指を指す。


アーテルの視界にやっとそれが入り咄嗟、驚嘆する。


「ブロンズ・フライドラゴン……。何故ここに……。しかも強化されたタイプ……ふーん39レベね。」


「えっと、あはは。……ちょーっと今の私じゃ倒せなくて……無我夢中で目の前にあるポータルを繋いで繋いでして、逃げまくってたらここに…」


そっとアーテルから目をそらす少女。


「……君か。はぁ、別の特殊ポータルから連れてきたってわけね……。って言うかなんでそのレベルでソロに……。やれやれ」


アーテルが横目を流すと

プレイヤーバナーが映し出される。


─── フォン。

◇________

▫ユーザーネーム『こいぬ』

・種族『ヒューマ・ビースト』

・Lv37

・スキル《非公開》

・装備情報《非公開》

・フレンドID @koinu3at0207

_________◇


「うん。わかった、じゃあ約束。コイツを倒したらわたしの言うことなんか1つ聞いてちょうだい。」


「あなたの誠意がちょっとみてみたいかなって。」


「はい!! もう倒してくれるなら何でも言う事、聞きますって!! とりあえず一緒に戦ってください! 私のレベルじゃ絶対倒せないんです……!!」


「はぁ、……めんどくさいけど。やるしかないか。」


「──それに、……コイツの鱗はちょっとほ・し・い・しね。」




──フィン。




再び透明のメニューウィンドを起動、短剣をアイテムボックスへ収納。そしてメインウェポンカテゴリから『闇総べる大鎌(デモン・サイズ)』を選択。


悪魔が持つような禍々しいオーラを放つその装備、それが彼女の隠し持っているメイン武器。


出現した大鎌を掴み、アーテルはモンスターの前でどしりと構える。


「ふふん、Sランクモンスターか。すこーし、本気だしちゃおうかしら?」


「ええ、え!? サーバーチャットでアナウンスされてた2本目のデモンサイズ!?!? しかも……新しく見つかった葵色の鎌──もしかしてあなたって……!! 」


「 ……───ちょっとまってて、会話(お喋り)なら───後で。」


───グルォオオオオン!!!


……───ズシャアアァッ!!!!


銀色に輝く大きな刃が魔物に狙いを定め、襲いかかる─── 。


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