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桜子の物語  作者: 樹木緑
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第28話 異世界へ行く?

「ちょと、ちょと、何時まで待たせるの?

何か分かったの?

あれってジャンの事?

直ぐに連絡すべし!」

桜子の携帯に再度メッセージを送ったのは奈々。

彼女は今だに桜子からの連絡を待っていた。

「やっば~い」桜子は奈々に連絡をすることを、すっかりと忘れていた。

桜子は、簡単に、あれは奈々の予想通り、ジャンの事であると説明し、詳しい事は次の日のお昼の時間に話をするって事でまとまった。


お昼の時間になって、何時もの4人は校庭のベンチでお昼を食べていた。

ジャンから聞いた事情は、これまで彼らには説明してあったので、大体の事は理解していた。


「それで、ダンテは何て?」奈々が興味津々で聞いて来る。

「私も詳しい事は分からないんだけど、とりあえず、ダンテが話してた言葉は、あちらの世界の魔法使いの言葉で、魔法使いだったら、皆話せるらしい。それでね、ダンテが言いたかったのは、こっちの世界に、ルナーが居るから、その人を探せって事だったみたい。」と桜子が説明すると、

「え?それだけ?一体ルナーって何なの?」と奈々が尋ねると、

「いや、それだけでは無くって、もっとびっくりすることが起きたんだけど、ルナーって、ジャンの話によると、古から言い伝えられた、魔法陣を操る魔法使いみたい。」と桜子が返した。

「何、何?びっくりする事って?それに、ジャンはどうやってそのルナーって言うのを探すの?何か当てはあるの?ダンテが何かヒントでも?」

「それがね、そのルナーってマコ兄だったのよ!」

「お前の兄貴スゲーな?ま、只者ではないとおもってはいたけどな!」と直行はびっくりしている。

「や~私もそれは推測できたけど、どうやってそのルナーって言うのが誠さんだって分かったの?」と奈々が聞くと、

「実はね、ジャンが持ってた杖でね…っていうか、ジャンが現れた時杖なんて持ってた?」と桜子が聞いた。

「え~そんなとこまで覚えてないよ!それより、杖が何なの?」と奈々と直行は答えたけど、

「あ、確かに持っていましたね。先に丸い透明な玉が付いた杖ですよね?」と和人が答えた。

「そうそう、それ、和人良く見てたわね~マコ兄でさえ覚えてなかったのに!」と桜子が言うと、

「あ~恐らくみんなの立っていた反対側の脇に挟んでいたので分からなかったんだと思います。僕は皆の反対側に直人さんと立っていたので…」と和人が答えた。

「で?その杖が何なの?」奈々が早く話せと言うように急かす。

「それがね、杖にね、オーブって言う透明の玉が付いてるんだけど、それが魔法と関係あるらしくって、ダンテがオーブを通して魔法を向こうの世界から送って来たのよ。それがマコ兄に反応してね、マコ兄、本物の魔法使いになっちゃたの~」

「うわ~スゲェな。俺、そこに居たかったわ。」と直行が言うと、

「魔法使いに杖って、つきものよね。らしいじゃん。」と奈々が感心している。

「で?本物の魔法使いになったってどういうこと?」と続けて尋ねた。

「それがね、魔法使いの長から、魔法使いになるための儀式が行われたのよ!そしてね、マコ兄に異世界間移動の魔法陣が伝承されたの。」と桜子が答えた。

「え?儀式?どうやって?それに、どうやって異世界間移動の魔法何て伝承されたんだ?」と直行が尋ねた。

「え~っとね、こうオーブが光って、マコ兄の体にその光が吸い込まれて、ピカ~となって、パ~っとはじけて…」と桜子が説明しようとすると、

「お前の説明じゃ全然分からん!」と直行が首を傾げている。

「でもそれって異世界に何時でも行けるって事だよね?」と奈々が尋ねると、

「そうらしいけど、異世界移動はかなりの負担がかかる上に、空間を歪める恐れがあるらしいから、簡単には使えないみたい。」と桜子が答えた。

「ね、それで、何時向こうの世界へ行くの?」奈々が興味津々で聞いて来る。

「まだ決まってないんだけど、どうする?あなた達も来る?」と桜子が尋ねると、

皆揃って、「行きたい!」と答えた。


「でも、一度向こうへ行くと、いつ帰って来れるか分からないし、実際に帰って来れるかも分からないわよ。」そう桜子が念を押すと、一瞬皆ひるんだが、それでも行きたいと声をそろえて言った。

「問題は家族へどう説明するかよね~。ちょっと田舎へ旅行にって訳じゃないんだから…」と奈々が言うと、

「俺は家族を説得して見せる!」と直行は意気込んでいる。

それにつられて和人も、「僕も家族を説得してみたいけど…信じてくれるかな?」と言った。

「ジャンが家族の前で魔法をパッパと使ったら信じるんじゃない?」と奈々は提案したが、

「そんなの通報されて、研究のモルモットとかになるのが落ちだぞ!」と直行は言ったが、奈々は、「あんたは漫画の読みすぎなのよ!今どきモルモットにする機関なんて無いでしょう?」と言っている。

「でも、もし信じてもらっても、行っても良いなんて言う親は何処にもいないと思いますけど…」と和人が切り出した。

「確かにそうだよな、もし俺の子が同じこと言いだしたら、まず信じないな。それにジャンがやって来て魔法を使うところを披露しても、恐らく、許可しないだろうな。それも、桜子の家とは縁を切らせるだろうな。」と直行が付け足した。

「そうよね~こういう状況で辛うじて行かせてくれるのって…桜子の家族だけかもね~」と奈々が肩を落とした。

「いや、家だって行かせてくれるか…多分、お祖母ちゃんは事の事態を把握してるとは思うけど、お父さんとお母さんが何ていうか…」と桜子が言った。

「え~お前、まだ親に話してないのか?」と直行がびっくりしている。

「それがね~まだなのよ。ジャンはお祖母ちゃんの海外からのお客様として家に滞在してるから、お祖母ちゃんが異世界に行ってたことも、お父さんは異世界の魔法使いとのハーフだって事も知らないのよね~」と桜子がため息をついた。

「お前な~肝心な事がまだ出来で無いじゃないか。俺らの親の承諾なんて、二の次どころか、3つも、4つも後だな。」と直行がもっともらしい事を言っている。

「じゃあ、まずは桜子!あなたが親にその旨を伝える事!そこからまずは始めよう。」と奈々が言うと、皆「うん、うん」と相槌を打った。





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