尊い仲間達
「今日は、わざわざ来ていただき、ありがとうございます」
「エスタレアが誘ってくれたのに、来ないわけがないじゃないですか」
「俺も楽しみにしていた」
今日は私達の家で、イヴェエルとフーリュに助けられたお礼も兼ねて、アミーラの全快祝いのパーティーを開くことになった。
「私のためにパーティーなど開かなくてもよいと何度もお伝えしたのですが……」
「アミーラは気にしなくていいの! 私がどうしてもやりたかったんだから!」
「エスタレアお嬢様がそう言ってくださるのであれば、今日はお言葉に甘えて楽しませていただきます」
「うん、ぜひそうして欲しい。イヴェエルとフーリュも楽しんでもらえると嬉しいです」
三人がいなかったら、あの時、私は確実に魔獣に殺されていた。
アミーラ、イヴェエル、フーリュには返しても返しきれない恩ができてしまったと感じている。
「それでは遠慮なく楽しませていただきますね」
「フ、この場にいることで、すでに楽しんでいるがな」
「エスタレアお嬢様、私は本当に感激しております」
でも、この三人はきっと、そんなことを考えもしないだろう。
そんな素敵な仲間達に出逢えたことを、私は心の中で深く感謝した。
◇
「イヴェエル兄さん、今回の魔獣討伐で起こった出来事ですが、もしかするとどこかの組織が背後で動いているのかもしれないですね」
楽しい時間を終えた後、私達は魔獣討伐で何が起きていたのかを振り返っていた。
「ああ、それは俺も考えていた」
「どうして、組織的に動いていると?」
私には近辺に怪しい人物がいたようには見えなかった。
「そもそも魔術で狂暴化した魔獣が群れを成している時点で違和感があります。その狂暴性から同じ魔獣同士で殺し合うこともあるくらいですから。ですから、今回の騒動の魔獣の動き方を思い返してみても、魔獣達を先導する者達がいたのではないかと推測されます」
「なるほど」
相変わらず、フーリュの説明は分かりやすい。
「現時点ではそれくらいしか分かっていませんので、後は捕えた魔獣を調べていくしかないですね」
「分析はフーリュの方が得意だからな、お前にお願いするよ」
「フフ、任せてください、イヴェエル兄さん」
フーリュがイヴェエルに頼られて嬉しそうにしている。
「……それって、エスタレアお嬢様に、また危険が降りかかるかもしれないってことよね……。今回は悔しい思いをしたから、もっと強くなっておかないと……」
「アミーラ?」
「エスタレアお嬢様、私はもっと強くなります!!」
「あ、うん、でも、アミーラの身体に傷痕が残ったら嫌だから、できれば今回みたいに無理はしてほしくないかな……」
特に顔に傷でも残って、もしアミーラの結婚に支障をきたすようなことになってしまったら、本当に悲しいし。
「お嬢様……」
勢いで魔獣討伐に参加してしまったが、危うく大切な親友を失いかけるところだった。
私が危険に遭遇するということは、アミーラも危険にさらされるということ。
気持ちだけで行動するのではなく、そのことを理解して行動しなければならない。
今回の件で、私はそう強く実感した。
次回、最終回です。




