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それぞれの弱点


 強くなる。

 そのためにここまで頑張ってきた。


「──具体的にどんなことをしてくれるんだ?」

「うふふっ。実はもうそれぞれに合ったメニューを考えてあるんだっ!」


 褒めてっと言わんばかりに胸を張るドラ。


「へぇ流石だな」

「そうでしょっ!」


 そんな会話をしながら、大広間に向かうとクナイたちが待っていた。


「終わった?」

「あぁ話は終わったぞ。これから、それぞれに合った修行を始めるんだ」

「やっとね。さぁ早く始めましょ」


 そんなレーデの言葉にドラは頷きながら、メニューを発表していく。


「まずはクナイ。クナイは忍者の家系に産まれたんだよね。機動力は賞賛に値するけど、決定打がない。だから、ウンディーネの所で『魔力制御』を完璧にしておいで。そうしたら、君たちが使う忍術を使えて更に昇華できると思う」

「ん。分かった」


 いつ見てたのかクナイの足りないところを指摘するドラ。


 確かに機動力はあるが、決定打がない。

 冒険者試験で見せた『火遁』も確かに凄かったが、イッセイには及ばない。


 クナイは生まれつき魔力が多すぎるがゆえに魔力制御が上手くない。

 俺が教えたのは基礎中の基礎。そこから忍術に繋げるには魔力のスペシャリストである精霊に力を借りるしかない。


「次はサクヤだね。サクヤの魔法──治癒魔法は確かに珍しいし、サポートには持ってこいだ。だが逆に治癒魔法しか使えないというのはこれから先意味がなくなってくる。最低限自分の身を守れるほど強くなって貰わないと、肝心な時に治癒魔法が使えないだろう? だからエントのところで木属性の魔法を教わってきな」

「はいっ! 任せてください」


 意気込むサクヤを見て満足そうに頷くと、次はカグヤにメニューを告げる。


「カグヤは『星詠』と剣術でこの場にいる誰よりも実力はあると思う。だが、それは一体一であればの話だ。複数人を相手にした時、カグヤの剣術では乗り越えることが出来ないだろう。だからウィルとシェイドに相手をして貰えばそれは克服出来ると思うよ」

「承知したでござるっ!」


 俺も気づかなかったカグヤの弱点。


 確かにその通りだ。

 こう言われるとまだまだだと言うことが思い知らされる。


「そしてレーデ。君は前にサラマンダーを顕現させたよね。実は召喚は出来ても、生み出した魔法使いってのは少ないんだ。君の魔力はとても質がいい。だから、そこにいるサラマンダーのところで君の精霊共々レベルアップを図るといいよ」

「分かったわ」

「でも、その前に君の精霊と契約をしなくちゃね。これが終わったら、早速契約しに行こうか」


 最後は俺だ。


「ルーロ。君は属性適性が一つもない。だからこそ、唯一の武器である魔力操作に磨きをかけてもらう。·····というか、もう君の中でイメージは出来ているのだろう? 何をしなくてはならないのか」

「あぁ。解放状態時に全身に纏っている魔力は均一だ。次の段階にへと解放すればするほど消費魔力が高くなる。だからこそ、一部分だけ。しかも攻撃する一瞬の間に次の段階を解放させる」

「うんうん。しっかり分かっているようだね。でも、一筋縄ではいかない。これは僕が見よう。時間は少ないんだろう? レーデの契約が終わり次第修行に入ろう」


 各々のメニューと弱点を知ったところで、ドラは言った。


「今の君たちに足りないのは〝怖さ〟だ。相手に恐怖を。味方に安心を与えるために安定感と決定打を身につけて。君たちが目指すS級冒険者とはそんな人たちだ」


 最後にそう言うと、ドラは笑う。


「さぁ修行を始めようかっ!」

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