謎の少年
「あれ、僕としたことがタイミングを間違えてしまったかな?」
青髪、蒼眼の少年に俺たちは言葉を失った。
特にカグヤに関しては放心の度合いが物凄く、何故か俺も申し訳なくなってきた。
「あ、迷子かな? お母さんの場所分かる?」
「母など生まれし時から存在しないよ」
「··········あっ、そうなんだ」
サクヤの反応に、少年は首を振る。
「そんなに悲しむ必要はないよ。僕もどうも思ってないからねっ!」
「そ、そうなんだ。とりあえず名前を教えてくれるかな?」
「名はドラ。僕の自慢の名前だ。ちゃんと覚えてくれよなっ」
なんかまたキャラが濃そうな子が来たな。
「それで、ドラ。なんで俺たちに近寄ったんだ? ここは街の外れだし、それにさっきまで戦闘もしていたんだぞ? 普通は怖がるところだが」
「普通の子供はそうなのか。まぁ、僕は僕。面白そうだから覗いて見ただけさっ!」
そんなおちゃらけた態度から、一変。
少年が出せるとは思えない圧と共に目付きが鋭くなる。
「君。名前は?」
「俺はルーロだけど」
「ルーロ。君は属性の適性が無いねぇ。だが、その代わりにとてつもない身体能力を身につけている」
「──っ!? なんでそんなことを」
「フッ。そんなの簡単さ」
そしてドラは真剣そのものな表情で。
「99%勘さっ✩!!」
「··········」
多分、俺は物凄く微妙な顔をしているだろう。
「まぁ1%は除いて、ほとんどは勘。あとは鎌をかけただけさ」
「本当に子供かよ」
「·····よく言われる」
ドラにこれ以上構うと、全てが見抜かれそうなので俺は踵を返した。
「とりあえず俺たちは街に帰る。お前もしっかりと帰るんだぞ」
「魔物が出るかもしれない街の外に子供を置き去りにするんだ·····」
「··········」
「それが冒険者のすることなんだねぇ?」
俺、ドラの事が嫌いになりそう。
それも正論だから何も言い返せない。全く、末恐ろしい子だよ。
「分かった、分かった。ちゃんと見送るよ。クナイたちもいいだろ?」
「ん。大丈夫」
すると次はクナイの元にドラは向かった。
「フフっ。君は面白いねぇ。魔力の質は上等で美しい。しかも魔力の色は黒。つまりは──魔属性ってことか」
「っ!? なんで·····」
「フッ。決まってるだろ? 99%──」
「「勘」」
「──だろ? お前の勘が凄いのは分かったからうろちょろするな。あと、クナイを困らせるな」
「ハハッ、ごめんね。君の大切だった」
「そう。俺の大切な人だから──〜〜っ!」
クソっ、はめやがったな!?
誘導された上にドラのすまし顔。クナイも顔を赤くして怒ってるし。
「お前、マジでふざけるなよッ!」
「まぁまぁいいじゃないか。事実だろ?」
「確かに事実だけど、ドラに誘導されたことが腹立つっ!」
大切なのは当たり前だ。
だけどそれを軽く口には出さない。なのに、誘導されて簡単に口にしてしまった。
それがとてつもなく腹立つ。
「アハッ。僕、ルーロの事が好きになりそうだよ」
「·····俺は嫌いになりそうだよ」
「気が合うじゃないか」
「どこがだよッ!」
そんな会話をしつつ、俺たちはパングに戻った。
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