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突き進め頂点へ! 日本競馬のゆめへ!  作者: シャルシャレード
1章 当歳〜2歳
15/37

成長

ーー重賞初挑戦から中2週。



京都の1勝クラス 秋明菊賞 1400m

場所は違えど同じ距離。

ホワイトジェム、そして何より鞍上清弘にとってのリベンジの機会となった。

12頭立て6枠8番。単勝7.1倍の4番人気である。


『作戦はなしか。』

厩務員席でホワイトジェムを眺めていた中島が小さく呟く。


最終追い切りの後に以前のようなことが無いよう、作戦を聞いた、中島。

そこで帰ってきた答えがそれである。

ある程度は決めたらしいが松崎が清弘に任せたのである。


ただ、不安はなかった。むしろ安心感すらあった。

以前清弘に会った大きな迷いは消えていたからだ。



そして、ゲートが開く。


ホワイトジェムは、好スタートを切る。

しかし、いつもと違いそこから下げずにダッシュをつけ前から4頭目の先団に取り付く。


予想通り、2頭が前を争った。それに馬群もついて行っているため、かなりのハイペースとなる。


3コーナーに入ってから後方の馬がどっと詰めてくる。それをあらかじめ予測していた清弘はやや外目に持ち出す。

4コーナー付近でようやく中団の1番人気サスペンションの鞍上的矢が手綱動かして先頭に並び、抜けだそうとしていた。

ホワイトジェムは3番手の位置に進出。

そして、まだ抜群の手応え。


残り200m。サスペンションが先頭リード2馬身。

残り100m。ここでホワイトジェムが外から並びかけ、叩き合いに持ち込む。


内から懸命に粘るサスペンション。

しかし、ホワイトジェムがゴール手前に抜け出しゴール。


清弘の騎乗がまさに光った。

中島の心の中で高村コールが響いた。



ーーレース後、検量のために戻ってきた。


そこにオーナーの大田さんが駆け寄ってくる。

『清弘くん、完璧だったよ!本当にすごい!

やっぱり信じて良かったよ!』

『いえ、私だけの力では無いです。この馬の能力を引き出しやすくする様に管理してくれている中島さんが1番大きいですよ。それにまだまだこの馬は強くなりますよ。』


『私は何もして無いですよ。それよりもホワイトジェムを褒めてあげてください。』


まだ、条件戦を勝っただけだが重賞を勝った時のようなそんな嬉しさが込み上げる。

やはりホワイトジェムには不思議な力があるのだろう。



『完璧でした。迷いはなくなりました?』


『はい、おかげさまで。ありがとう。』

清弘は確かな手応えを感じた、自分もホワイトジェムもまだまだ進化できる。


鞍を外した清弘が中島を見て最後に一言。

『中島さんの仕事も完璧でしたよ。』


そう言って検量室に向かって行った。



中島の目には清弘の姿はさらに頼もしく、カッコよくも見えた。




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