第九十三話 二人だけの世界に入っていくわたしたち
結婚式における宴が終わった後、わたしたちは別々風呂に入った。
いつも以上に一生懸命体を洗う。
これから殿下と二人きりの世界に入っていく。
準備はきちんとしておきたいと思っていた。
風呂を出ると、わたしは一度自分の部屋に戻って身支度を整えた。
そして、殿下の寝室へと向かった。
緊張してくる。
心の準備はできていると思っても、胸のドキドキを抑えるのは難しい。
殿下の寝室のドアの前に来ると、胸のドキドキはますます大きくなっていく。
しかし、だからといって、自分の部屋に戻るわけにはいかない。
このドアを開けた時から、殿下の婚約者としての人生が始まるのだ。
殿下の為、殿下に尽くす為、わたしは生きていく。
わたしは、ドアをノックした。
「フローラリンデです。入ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ。お待ちしていました」
殿下のやさしい声が聞こえてきた。
「ありがとうございます」
わたしはドアを開け、殿下の寝室に入っていった。
「わたしと婚約していただき、ありがとうございます。うれしいです」
わたしはベッドの上に座り、殿下と肩を寄せ合っている。
「こちらこそ。わたしもあなたと結婚できて、うれしいです。ありがとうございます」
殿下はそう言うと、わたしを抱きしめる。
「好きです。フローラリンデさん」
「わたしも殿下が好きです」
唇と唇を重ね合わせる二人。
やがて、殿下は唇を離すと、
「フローラリンデさん。いよいよこれから二人だけの世界に入っていきます。わたしはあなたのものです」
わたしは心が沸騰し始めていた。
殿下と二人だけの世界に入っていく。
あこがれの世界。
とはいいつつも、心の準備がなかなかできなかった世界。
でもわたしは殿下の妻になった。
殿下の求めに応じ、殿下の為にわたしのすべてを尽くしていく。
わたしは殿下のものなのだ。
今までもそういう気持ちだったのだけれど、妻となったからにはより一層そういう気持ちを持っていかなくてはならないだろう。
「わたしこそ殿下のものなのです。よろしくお願いします」
「フローラリンデさん。わたしはあなたにすべてを捧げます」
「わたしも殿下にすべてを捧げます」
殿下が私の唇にその唇を近づけていく。
そして、唇が重なり合う。
心が甘くなっていき、とろけてくる。
そして。
わたしたちは二人だけの世界に入っていった……。
「フローラリンデさん、好きです。好きです。あなたを愛してます」
「わたしも殿下が好きです。好きです。殿下を愛してます」
二人だけの世界から帰ってきたわたしたちは、ベッドの上に横たわっていた。
わたしたちは、寝間着を二人とも着ていて、恋人つなぎをしている。
わたしはまだ夢の中にいるような気持ちだった。
これから何度でも、いや数え切れないくらい、その世界に入っていきたい。
それだけ二人だけの世界というものは、素敵な世界だった。
殿下はわたしに微笑んでくれている。
この笑顔がもうたまらない。
今までもそう思っていたのだけど、今日はより一層その思いが強くなる。
いつまでもこの素敵な笑顔を眺めていたい。
殿下を愛しく思う気持ち、少しでも通じていただいているとありがたいです。
わたしはそう思うのだった。
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