第三十七話 王都に入ったわたしたち
今日の夕方。
わたしたちは王都に入った。
後、もう少しで王宮に到着する。
しだいに寒くなってきている。
わたしたちは、街の中を進んでいた。
殿下に馬に乗せていただいてここまで来たので、だいぶ助かったと思う。
昨日までで、相当疲労していて、特に足が痛かった。
宿屋で、風呂に入り、食事をした後、体を休ませてはいたものの、それはまだまだ回復しないままきていた。
もし今日歩いていたら、それほどの速さでは歩くことができなかったと思う。
到着は、夜になって、だいぶ経っていた頃になっていただろう。
それだけではなく、疲れはもっと激しいものになっていたと思う。
殿下には改めて感謝したい。
道中は、殿下といろいろ話すことができてよかった。
殿下と話すのは楽しいし、話に夢中になる。
気が合っているように思う。
ということは、前世で会っているということだろうか?
会っていただけでなく、恋人どうし、そして夫婦だったのであればいいのだけど。
そこまではいかなかったとしても、仲の良い関係だったならいいと思う。
殿下もわたしと話をするのは楽しそうなので、気が合わない、とは少なくとも思っていないだろうと思う。
思っていないといいんだけど。
もっと、殿下と話をしていたい。ずっと話をしていてもいいくらい。
王宮に行ってからも、たくさん話したいなあ……。
わたしはそういう気持ちが強くなってくる。
王都に来るのは数年ぶり。
あの時は子爵令嬢として来たのだったが、今は違う。
子爵家を追放され、貴族ではないわたし。
しかし、殿下のアドバイザーとして、王国に尽くす存在になる為、ここに来た。
前回までは、建物や人の多さから、王都はにぎわっているという印象を受けていたが、今日通ってみると、印象は違うものになってきた。
わたしの住んでいたところに比べると、今でもにぎわっているということは言えると思う。
しかし、想像していたほどのにぎわいはないように思った。
商人や街を歩く人たちにも、それほど活気がないように思える。
昔に比べて、商人に対する税が重くなっているのが、その主な要因だと思うが、流通システムそのものが整っていないままでいるところも大きいと思う。
「フローラリンデさん。わたしは、もっとこの街をにぎやかにしていきたいと思っています。もっと豊かにしていきたいと思います。その為にも、協力をお願いします」
隣を歩いている殿下は、微笑みながら、そう力強く言った。
「もちろんです。殿下。この街を豊かで、誰もが住みたいという気持ちになる、いい街にしていきましょう」
わたしはそう言った。
「ありがとうございます。明日から、一緒に努力していきましょう」
殿下はそう言うと、微笑んだ。
そして、王宮が近づいてきた。
これからわたしは、そこに住み、働くことになる。
殿下だけではなく、様々な人たちと接していくことになる。
その中には、わたしのことを心よく思わない人たちも多いだろう。
わたしは貴族ではないのだから、なおさらのことだ。
いや、それどころか、そういう人たちしかいないのかもしれない。
わたしが子爵家で味わったような思いをするかもしれない。
それは避けたいところだが、仕方がないと思っている。
しかし、今はそれよりも、殿下のお役に立ちたいという気持ちと、殿下ともっと仲良くなっていきたいという気持ちでいっぱいだった。
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