第三十一話 協力を求める殿下
「それで王国内を回ってきましたが、改善すべき点は多いと思いました。なんといっても貧富の差が想像以上に大きいのには驚かされました。経済も全体的に沈滞していることは理解していましたが、予想以上でした」
殿下は紅茶を飲んだ後、また真剣な表情になって続ける。
「そして、何よりも国民に今一つ活気がないように思います。経済をもっと活性化し、貧富の差を少なくして、国民に活力をもたらす必要があると思いました。これは、わたしがこの旅で認識したことです」
わたしはそれを聞くと殿下に、王国の活性化について申し上げたくなった。
この王国の問題点については、幼い頃からいろいろ考えてきた。
わたしは、幼い頃からお父様の方針で、様々な分野の教育を受けてきたが、その中には領地の経営という項目が最初から含まれていた。
お父様としては、将来、嫁ぎ先の領地の経営に役立たせたいということで教育をしたのだったが、その教育を受けている内に、王国全体の経営についても興味を持つようになっていった。
今回の殿下のように、生の情報をつかむことはなかなかできないし、また王室でしか把握できない情報もあると思う。
それでも、王国の問題点のかなりの部分は把握することはできていると思う
そして、その解決策についてもいろいろ考えていた。
もし、採用してもらえれば、問題点の多くが解決され、王国の活性化になるのではないか、と思っていた。
ただ、子爵家の令嬢であるわたしには、王国に対する発言権はない。
しかも、わたしは、婚約を破棄され、リランテーヌ子爵家から追放されてしまった。
その為、王国どころか、リランテーヌ家領内の経営についての発言権もなくなってしまった。
それをとても残念に思っていたところに、殿下に出会った。
殿下なら、わたしの助言も受け入れてくれるかもしれない。
期待が膨らんでくる。
わたしは、殿下に助言をしたいという気持ちがどんどん強くなってきた。
そして、その気持ちが抑えられなくなった時、
「王国の活性化について、わたしの意見を少し申しあげてもよろしいでしょうか?」
とわたしは言った。
殿下は驚いているようだ。
いきなりすぎたかもしれない。
まだ殿下と知り合ったばかりなのに、こういうことを言うと、出過ぎた女性と思われるかもしれない。
でも殿下の国民を真剣に思う気持ちに触れ、殿下のお役に立ちたいという気持ちが強くなった結果、申し出たことだ。
もしこれで嫌われたとしても、仕方がないと思うしかない。
いや、殿下なら、これでわたしを嫌うことはないだろう。
そう思うのだけど……。
わたしは、殿下の次の言葉を待った。
殿下は驚いた表情をしていたが、それは短い時間だった。
すぐに普通の表情に戻り、
「聞かせていただけるとありがたいです。わたしは今、いろいろな人の意見を聞くように努力しています。少しでもいいと思った助言でしたら、採用できるように努力しますので、お願いしたいと思います」
と言った。
これなら助言ができる。
わたしは、
「話すのをお許しただき、ありがとうございます。それでは、話をさせていただきたいと思います」
と言って、殿下に王国の活性化についての助言をし始めた。
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