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Vacation day  作者: 睦月火蓮
9/13

Story memoryⅧ

広場から離れ…気がつけば湖畔にいた。

泉の近くに植えられた大樹に背を預け、何をしていたかというと…

ただ、泣いていた。


これじゃ皆に心配かけちゃうじゃないか…落ち着こう。

そう思って、…“僕”がやったのは…

------------------------

(アクア視点)


フィー。彼女の案内で、彼がいるという場所まで来れたが…


アクア「…ここは…」


あの方や、フレア様…皆が気に入っていた。精霊の湖畔。

だが…この場所を知っているのは王家に関わった人間ぐらいしか…


ディアマ「…!おいあれ!?」


アクア「?……!」


ブライト「…あれは…」


ファイ「…」


彼は…泉の中央。つまり、水の上に立っている。水の上で、彼は何かを唱えている。


ファイ「…『全てのものには、光と闇が存在する…影は光に近い闇。我らは影を扱う者…』」


…この言葉は──



『──いいかい。僕達が使う魔力は、何かしら源となるものが存在するんだ』


『…みなもと?』


『そう。元を辿れば全て、光と闇のどちらかになる。

 君達の場合、僕とは違って、光が源かな』


『ひかり…』


『あの…。ひかりがみなもとなのに、どうしてまほうのかずがすくないのですか?』


『うーん……光の場合、源のままだと、あまりにも大きすぎるし物体がない、僕達人間では扱える量が少ない。火や水、草…物体があるものに変換し、人間に扱えるレベルで、次々に新たな術が生まれていった…

 …僕はそう考えてる』


『はいはいしつもーん。

 オレたちがひかりなら、アンタは?』


『アンタって…一応歳上…まあいいや。

 僕の場合、少し複雑でね…“光に近い闇”、“闇でありながら光に属する”。…影はどちらにも属し、どちらにも属さない』


『…なんかむずかしーな』


『…ライト、どうだ?』


『うーん…』


『……』


『あはは…ちょっと早かったかな?

 …それじゃあ、もうひとつ。属性によって、基礎詠唱が異なる。

 見本として、影一族の基礎詠唱をやるから、見てて…』




…あの言葉。幼い頃、この場所で聞いた…。

基礎詠唱。


ファイ「…『姿変われど魂同じ。

 我の眠りし前世____・______の力、再び我の元、現世に甦れ』…」


…『影一族』の魔術詠唱。だがひとつだけ、よく聞こえなかった。

しかし、そんなことを考える間もなく、一瞬何かが光ったかと思うと突然…彼が目の前から消えた。

……微かに気配を感じる、だが…


アクア「………この魔力……まさか…」


「…そのまさかさ」


ディアマ「うおっ!?」


ブライト「ディアマ、君はもう少し女らしくだな…」


…隣が騒がしい。

どうやら彼は何かで僕達の意識を一瞬逸らし、その間に僕達の後ろに移動したようだ。

彼の姿を見た途端、小さい少女が彼に飛び付いた。


ファイ「…フィー、ごめんね。急にいなくなって。

 …ん?目元?……あ…」


彼の頬を小さい手で叩く。…目が赤く、多少濡れている。

…なるほど、彼女はああやって言いたいことを伝えるのか。


ファイ「…格好悪いよね…動揺して逃げ出すなんて」


ブライト「…」


ファイ「…あの方が会いたがっている、『シャドウ・トワイライト』と会わせるには…










──『僕』が直接、あの方に会いに行かないといけないのに…」


僕は最初、理解できなかった。

だが…どこかで、分かっていたような気もした。

シャドウ・トワイライト

 ナイトシェイドの王子、サンプロミネンスに騎士として仕えるが20年前に死没。

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