王国編 第7話 [挿絵あり]
ルイは依頼を終えて帰路についていた。
いつも朝早くから家を出るので1日でリアナと顔を合わせるのは午後くらいだ。
だから心配だった。昨日、リアナが寝てから一度も顔を見ていない。
「元気にしてればいいけど…」
ルイは少し小走りで家に向かった。家の近くまで来たとき、何だかいい匂いがした。
ルイが家のドアを開けるとそこにはキッチンに立っているリアナの姿があった。
「あ!ルイ。お…おかえり…なさい////」
リアナが顔を真っ赤にしてルイを出迎えた。ルイはポカンとしている。
「そ、そんな顔で見ないでよ。この喋り方、久々で慣れてないのよ」
そう言いながらリアナは両手で顔を隠している。
そう、今、目の前にいるのは今までの騎士や剣士のリアナではなく、一人の女性としてのリアナなのだ。
ルイは固まってしまった。
なぜなら今、不覚にもリアナのことを“可愛い”と思ってしまったからだ。
「お、おお。た…ただいま」
「ん?何でルイが顔を赤くしてるのよ?」
「いや、何でもない。本当に何でもないから」
ルイは顔を前で手をブンブンした。
「ほら、今日は私が夕食を作ったのよ」
リアナがキッチンの方を指差した。魚が焼かれてある。昨日ルイが川で釣っておいたものだ。
「ルイはいつも働いて疲れているだろうから今度から家のことは私がやるわ」
「そんな、いいのか?」
「一応、これでも貴族の教育を受けた身よ。これくらいできるわ」
「そうか。ありがとう。じゃあさっそく食べようか」
二人は席についた。魚は油がのっていて美味しそうだ。
「なあ、リアナ。言いにくいかもだけど、生きる理由見つかったか?」
「…正直、まだ決まってないのよ。でも一旦、理由を見つけるまで剣を振ることはやめたわ」
「そうか」
「幻滅した?」
「言っただろ。俺はリアナが何を選んでも否定しないって」
「…ありがと。さあ、食べて食べて。冷めちゃうわ」
ルイは焼き魚を一口かじった。火加減が絶妙でとても美味しい。
「うん!とっても美味しいよリアナ!」
「そう?そんなに美味しそうに食べてくれると作った甲斐があるわ」
リアナはとても嬉しそうだ。その顔がとても可愛らしい。
「なあ、リアナ。プレゼントがあるんだ」
「プレゼント?」
すると、ルイは一つのフードがついたローブを渡した。
「ローブ?」
「認識阻害の魔法がかかったローブだ」
「どうしてこんなものを?」
「明日、一緒に王都へ買い物に行こう。何でもってわけじゃないが何か買ってやるよ」
「いいの?」
「もちろんさ」
「ありがと。楽しみにしてる!」
ルイは知るよしもなかった。まさかこのせいであんなことになるなんて…
今回は恥ずかしがるリアナの挿絵を描いてみました。




