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剣士様は女になりたい【完結済】  作者: ZIKIRU
第3章 神聖国編
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神聖国編 第21話【最終話】 『剣士様は女になりたい』[挿絵あり]


こんな石造りの城でも、外からの風は心地よい。

ルイは帝国の王城のバルコニーに立ち、王都を眺めていた。

オニキスとの争いは終わり、神聖国の人たちは正気を取り戻したそうだ。

今は帝国の援助を受けながら復興の準備をしているらしい。

そして、オニキスを討ったルイとリアナには称号が与えられた。

その名は『剣聖』。何とも大層な称号である。


「あら、もう起きたの…?」


後ろから声がした。振り返るとそこにはリアナがいた。

左手の薬指には指輪が嵌められおり、赤く輝いている。

その姿を見てルイは微笑むのだった。




◇◇◇




〜数日前、帝国の教会〜


大きなステンドグラスに太陽の光が差し込み、教会内を色とりどりに照らす。

祭壇には二人の新郎新婦が立っていた。


トラニカル帝国第三人王子、ルイ・トラニカル。

アルベール家長女、リアナ・アルベール。


共に歩き、共に戦い、共に愛を誓った二人が見つめあっていた。

神父が話し始める。


「新郎ルイ・トラニカル、あなたはリアナ・アルベールを妻とし健やかなる時も 病める時も喜びの時も 悲しみの時も富める時も 貧しい時もこれを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合いその命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」


「ーー誓います」


「新婦リアナ・アルベール、あなたはルイ・トラニカルを夫とし健やかなる時も 病める時も喜びの時も 悲しみの時も富める時も 貧しい時もこれを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合いその命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」


「はい。誓います」


こうして、ルイとリアナは正式に結婚したのだった。




そして、皇帝であり、父であるダグラスから花束を受け取る時が来た。

ルイは姉を失って依頼、花は嫌いになっていた。あの日の光景を思い出すからだ。

だから正直、花束を受け取ることはルイにとって苦痛だったのだ。

だが、流石に結婚式でそんなことを言ってはいけないと思い、決行した。

ダグラスが花束を差し出す。ルイはそれを受け取った。その時だった…


「ーーーーー。ーーーー」


ルイは思わず、声の聞こえた方向を振り返った。

だが、そこにあったのはリアナの幸せそうな顔だった。

なぜだろう、今誰かに“おめでとう”と言われた気がした。

ルイはその花束を握りしめ心の中で呟くのだった。


「ありがとう」




◇◇◇




そして今、この風景を眺めている。愛する妻と共に。

するとリアナが遠くを見つめながら話し出した。


「ねえ、私、剣の道を止めようと思うの」

「え?別に否定はしないが何でだ?せっかく“剣聖”にもなったのに」

「これからの人生をまた自分で決めようと思うの」

「ほう、それはいいな!」

「ええ、今の“剣姫”としての生き方はルイが与えてくれたものだから」

「そうだったな。確かリアナが騎士を辞めて初めて自分で決めた生き方は“剣士”だったけ?」

「そうね。懐かしいわ」

「いいじゃん!で、リアナはこれからの人生、どんな生き方をしたいんだ?」

「うふふ。そうね、私は…」


リアナが望むもの、それは愛する人をずっと隣で支えていくこと。

確かに、今の生き方でも叶っていることだ。

だが今度は、剣としてではなく、一人の女として彼を支えたいと思ったのだ。




ー「剣士様(わたし)は女になりたい!」ー






挿絵(By みてみん)

これにて、小説『剣士様は女になりたい』は完結です。

初めての執筆で思ったよりも早く終わってしまいましたが、

ここまで読んでくださりありがとうございました!


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次回作『剣才無き魔術師』https://ncode.syosetu.com/n6782mi/

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