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国境から始まる工業革命 ―転生エンジニア領地開発記―  作者:


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売って備える

「よし」


私は新商品一覧を見ながら、大きく頷いた。


「生産開始!」


鍋。フライパン。陶器。生活用品。

新たなラインが一斉に動き始める。

工房の空気がまた変わった。

武器だけじゃない。


「生活を売る」


その為の音。


「いいわね」


私は満足げに工房を見渡した。

そして当然の様に。


「来たわね」


商人達。噂を聞きつけ、次々と集まってくる。


「新商品を見せて頂きたい」


「どの程度の品質で?」


「価格は?」


私は小さく笑った。


「ふふ」


いい流れ。


私は特設の展示台へ向かう。


「プレゼン開始よ」


文官が少し首を傾げる。


「ぷれ……?」


私は気にしない。


「要は見せて売るの!」


商人達の前に並ぶ商品。

大型鍋。小型鍋。フライパン。陶器。


「まずは一般向け」


丈夫。高品質。安定供給。

商人達の目が変わる。


「……これは」


「軽い」


「均一だ」


私はさらに続ける。


「こちらは富裕層向け」


装飾入り。

見た目重視。


「おぉ……!」


反応が分かりやすい。

私は心の中で笑う。


「いいわね」


食いついてる。

そして。


「欲しい商人は注文を」


私は条件を提示する。


「一定数まとまれば、在庫が貯まり次第、引き渡し」


予約制。受注生産寄り。無駄が少ない。

文官も感心していた。


「合理的です」


私は頷く。


「でしょ?」


そして――結果。


「……かなり好調ね」


受注書類は、積み上がる。

次々増える。


「金が入る!」


思わず心の声が漏れる。

文官が少しだけ呆れた顔をする。


「お嬢様……」


私は気にしない。


「いいのよ!」


利益は大事。


「稼げる時に稼ぐ!」


私は注文書を見ながら、にやりと笑った。


「これよこれ」


本来やりたかった事。

生活用品で市場を取り。

その利益で――


「次」


私は新しい発注書を取り出す。


「まきちゃんの所に発注」


文官が確認する。


「内容は?」


私は即答する。


「車両搭載型、小型無線機」


文官が目を見開く。


「武装型へ?」


私は頷いた。


「当然」


L6武装型の対空型。それに通信が出来れば、連携に警戒。


全部変わる。


「武器だけ強くてもダメ。繋がらないと」


それじゃ弱い。

私は笑った。


「売った金で備える」


最高じゃない。商売で稼ぎ。軍備へ回す。


「完璧ね」


文官は静かに頷いた。


「理に適っております」


私は満足そうに椅子へ座る。


「ふふふ」


生活用品。

それはただの贅沢資金じゃない。


「戦力にも変わる」


私は窓の外を見る。

商人達に工房。動く領地。


「いい流れ」


この領地は売って稼いで。

そして――「強くなる」

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