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国境から始まる工業革命 ―転生エンジニア領地開発記―  作者:


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生活を売る

「……警戒は警戒」


私は警備強化の報告書を閉じながら、小さく頷いた。


出入り確認に巡回と監視。


「必要」


王政の不穏な動き。無視は出来ない。

だが――私は次の書類を手に取る。


「だからって」


止まる理由にはならない。


「金儲けよ」


私は小さく笑った。


危険がある?なら備える。その上で――


「稼ぐ」


それだけ。


私は商品一覧を見ながら、指で机を軽く叩く。


「鍋、フライパン」


ここまではいい。


「まだ浅い」


台所。生活。必要な物はもっとある。

私は思いつくままに書き出す。


「包丁」「小型ナイフ」「お玉」

「箸的なもの」「保存容器」


「……色々あるわね」


私は少し笑った。


「便利グッズも欲しいわね」


日常。そこに入り込めば――強い。

毎日使えば壊れる。買い替える。


「需要が切れにくい」


かなり良い。


「鉄製だけじゃない」


私はさらに考える。


「木工」


棚や箱に取っ手や食器の一部。


「こっちもいける」


むしろ鉄だけより幅が広い。


「組み合わせれば更に良い」


私は少しだけ前世を思い出す。


「……プラスチックがあればね」


軽いし加工しやすい。便利。

だが。


「無いものは無い」


私は肩をすくめる。


「なら代替品」


木や布に、陶器。加工次第。


「どうにでもなる」


私は頷いた。


「要は使いやすさ」


それが重要。私は窓の外を見る。

増える人。増える家。増える生活。


「生活必需品は」


誰でも欲しがる。


貴族や平民。農民に商人。

立場は違っても――


「必要」


だから強い。私は小さく笑った。


「武器だけじゃないのよね」


生活。そこを握れば影響力は広い。

そして――安定する。

私は新しい紙を広げる。


「商品開発」


次の段階。一つじゃない。


「もっと増やす」


もっと便利に。もっと売れるように。私はペンを走らせた。


「さて」


地下都市は今。守るだけでも、作るだけでもなく――“生活そのもの”を商品に変え始めていた。

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