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ケース01:デチュワちゃんが毒になっちゃった その2

デチュワちゃんは咳をして紫の泡を吐き出し、10のダメージを受けた。そして、持っていた紙を丸めた。


「先生、あの…」


「この依頼を受けて、一緒にクリアしてくれない?」


依頼?私は9歳から18歳ぐらいまでギルドの依頼を受けていた。懐かしいな… 今となっては苦しかったことより、むしろ幸せなことを思い出す。当時は悪夢がいっぱいだったけど、あの時は…


「うん、でも、一緒に研究室に行かなきゃ。ここで待っていたらー」


デチュワちゃんは咳をして10のダメージを受けた。


「気絶するまでダメージを受けるんだよ」


デチュワちゃんは頷いてスツールから飛び降りた。落ちている最中にリボンくんが素早く移動し、デチュワちゃんがその背中に乗った!


「デチュワちゃん、しっかりしてね。僕達はいつも一緒に冒険しているんだよ」


「うん」と頷いてにっこり笑った。


病院を探検する前に、「毒の問題」をちゃんと説明しよう。


仲間が毒にされたら、どちらがより良い選択なのかー、と考えることがよくある。


1.毒にされたキャラには動かずに待っていてもらって、一人でキュアベリーを探しにいく。動いているよりも毒で受けるダメージは少ないけど、戻る前に気絶する可能性もある。五、六メートルくらいまでにキュアベリーが無かったら、お薦めはできない。


2.仲間と一緒にキュアベリーを探しに行く。待っているよりもダメージは大きいし、キュアベリーを手に入れる前に気絶する可能性もある。五、六メートルくらいまでにキュアベリーが無かったらお薦めできないけど、毒を治せるアイテムを持っていない場合は他に出来ることも少ない。


… あれ?そもそも毒を治せるアイテムを持ってくればいいって?そうだけど、時々ストックが切れていて使えない事もあるんだよ。その場合は…


「デチュワちゃん、どうぞ」


リボンくんがヒーラーベリーをあげているとき、私は研究室への最短コースーを考えた。休憩室を進むのが一番速いけど、イライラしているトッポッキくんがいるし、いや違うな、彼の怒声を聞きながら、チップスをあげない、って言うしかないか。


「さあ、そっちに行こう!」


ちょっと待って、どこにいった?私のすぐそばにいたはずなのに…


「先生、病院がダンジョンみたいになってます!」


右を見てみると、リボンくんとデチュワちゃんがタヌキの三つ子とバトルになっていることに気付いた。


… ええええ?!


「みんあ、敵同士になっちゃった…」


一目散に駆け出そうとしてもハリネズミのように速く走れず、途中でリボンくんの翼から毒の煙が出ているのが見えた。


「ストップ!逃げて!」


「先生、私達はー」


本能的にタヌキの三つ子を白衣の下に隠した。私は毒タイプだし、タヌキのみつ子は隠したから大丈夫、でもウサキュアくんが咳をしているのが聞こえた。


「ウサキュアくん!」


毒の煙がなくなってから、ウサキュアくんの方へ向かった。彼が咳をすると、口から紫の泡が出ていた。


「先生、彼らはー」


「タヌキの三つ子は敵じゃないよ!勝手にこの技を使ったらみんなを毒にしてしまうよ!」


デチュワちゃんはヒーラーベリーを食べる前に、心配している様子で


「先生、あの、他の先生は毒になっちゃったの?」


と尋ねた。ウサキュアくんは嘔吐するように泡を出していたし、これは簡単に診断できる。


「うん、ウサキュアくんも毒になっちゃったよ。だから、あの技を使うんじゃなく、キュアベリーを二つ見つけることに集中しなきゃ」


「でも、ヒーラーベリーを二つ持っていないし…」


ムムム、大変だね…


研究室はちょっと遠いから、キュアベリーを食べる前に気絶するかも!どうしよう…


「例えば、ウサキュアくんがヒーラーベリーを噛んで、その後デチュワちゃんとー」


ウサキュアくんは目を見開いた。彼は経験があるし、すぐに私が言っている治し方を理解したみたいだ。

「すみませんが、遠慮しますー」


彼が咳をして紫の泡が出た時、心臓発作のように胸が締め付けられているのが分かった。NPCのウサキュアくんのダメージは分からないけど、おそらく、合計で40くらいのダメージになっているはずだ。


「ウサキュアくん、この方法ならヒーラーベリーを半分にするより、もっとHPが回復するんだよ。デチュワちゃんとウサキュアくんに気絶してほしくないよ」


ウサキュアくんは緊張している様子でデチュワちゃんをじと見ていた。ヒーラーベリーを取ってウサキュアくんの前に見せた。


「あーんしてよ」


分かっていると思うけど、ウサキュアくんだけがあーんしたわけじゃないよ。彼らが回復する音を聞くと、タヌキの三つ子もリボンくんも、まるでお父さんペンギンに餌をもらうひなのように、ぽかんと大きく口を開けた。ドオリくんがちらちら見ていたけど、ソクくんが後ろ足を掴んで引き戻した。


びっくりしたリボンくんは笑っていた。


「えええ、やばい!先生、その技の名前は何?」


「これ?これは口移しって言うんだよ。有名なプレイヤーも使ってて、店員さんはよく『海賊版みたいな技だな』って言ってる、私にはよく分かんないけど。でもとにかく、すっごく便利なんだよ!」


「お店と言えば、店員さんのいないお店を見つけた気がするよ」


「みっ、店でしょうか」


ウサキュアくんは胸を押さえて、口を開けたまま浅く呼吸をしていた。


「デチュワちゃん、一緒に見せてあげようよ!」


リボンくんはデチュワちゃんを背負い、そのお店に飛んでいった。診断室に着く前にちゃんと病院を探検出来たら、もしかしたらキュアベリーを売っている小さなお店か何かがあるかも…


「ウサキュアくん!お店に行かなきゃ!もしかしてキュアベリーを売ってるかも!」


ウサキュアくんはもう深く呼吸をしていたが、咳をして紫の泡を吐き出した。


「お星さま、どうかこの気持ち悪い行動が無駄になりませんように… もう罰には当たった気がします…」


ウサキュアくんが毒になっちゃったし、私は彼を背負うことにした。トッポッキくんなんかに「おんぶしてる」とからかわれても、ウサキュアくんはたれ耳を引っ張って目を閉じる。相手が「え?」と言っても、「ウサキュア睨み」で睨む。


それからというもの、そういう言葉は二度と言われなくなった。


お店に着いたときー あれ?


「お店って言ってたけど…」


お店の代わりに、リボンくんとデチュワちゃんが受付カウンターの後ろをかき回しているのを見た。カウンターの後ろにお店があるの?


「先生、アイテムがあるよ!」


「スマホとお菓子とー」


彼女が咳すると、紫の泡がカウンターの後ろへと飛んでいった。


「… フィギュア?」


「えええ、売ったら大金持ちになるじゃん!すごいな~!」


「最後の「な~」はゲラキッツの言い方みたいだな、と思っていたら、ウサキュアくんが私のひれをぎゅっと握った。おおっと、現実に戻れた…


「これは売らないよ。誰がいろんなものを残していったの?」


誰も答えなかった。


デチュワちゃんはポテトチップスを食べながら、鬼のフィギュアをカウンターに置いた。


ちょっと待って…


「おお、最強の探検隊になれるフィギュアかもな!」


「攻撃力も上がると思うー」


「あかん!圧倒的な力を感じらへんの?!」


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