40(一応完結)
勇者に悪戯したり魔王の仕事を手伝ったりしているドルフィン、イルカさんでーす。
僕は今、自室で黙々と本を読んでいる。
題名は、コレ、『楽しみが欲しい』
なんかシリアスな本だと思っていたんだけど、内容はコメディーだった。
具体的には主人公が趣味探しをする話で、最終的にはいろんな人と仲良くなる。
読んでいて楽しい。
コレに載っている悪戯方法が面白すぎる。
そういえば、僕がこの世界の本を読めていると言う時点でわかるかもしれないが、僕はこの世界の言語をマスターした。
やっとだ。長い道のりだった。
僕がどれだけ苦労したかというと、はじめてのお受験レベルだ。
僕のはじめてのお受験は高校受験で、受かりそうなところに行って受かってきた。
それぐらいの難易度だった。
むしろ難しかったのは言葉遣いだ。
一応魔王に近しい部下なので色々気は配っているが、中身庶民なので色々めんどくさい。
しかも僕の今世の体に染み付いた、人間の貴族のものとは微妙に違う。
大幅に違うわけではないからタチが悪い。
すっげぇ覚えにくかった。
教官役のアシカは喜んだ。やっと教育が終わった、と。
この間、弟のタチウオと晩酌して喜んだそうだ。
良かったね、でもこの前魔王がお仕事サボってたから、楽にはならないと思うよ、ガンバッテネェ。
カメとウニは僕の銃に興味津々でこの前に試作品をあげた。でもなんで僕の銃について知っていたんだろう?………どうやらクジラが教えたらしい。今度魔法の飛び出る銃を作るからアイデア考えるの手伝ってと言われた。カメが僕に頼むなんて珍しい。
カルガモとタツノオトシゴは相変わらず、喧嘩しっぱなしで、クラゲが頭を抱えていた。
でもあの二人、なんだかんだで息がぴったり。仕事もバッチリ。
だから気にしない方がいいと思う。
コバくんは今日も元気に僕にパシられてる。まぁ、直属の部下ができて嬉しい。そして着々と強くなっている。いつか僕も片手で潰されるのだろう。
コバくんはパワータイプの戦闘スタイルで僕は魔法使いタイプなので一対一で戦うと勝てる気がしない。
それでもコバくんは僕を褒めてくれる。嬉しい。
勇者一行は国に強制帰還された。
この世界は僕が思っているよりものんびりとしているらしく、死人が出にくい。
異世界ってもっと血みどろなイメージだったよ。
逃げた彼らは次は倒すと宣言してからさって行った。
今度人間の国に紛れ込んでおちょくりにいこうと思う。
僕はだんだんこの異世界に慣れてきた。
前世に未練が全くないわけではないが、今世は今世で楽しもうと思う。
何より僕は…マモンの一番の部下だ。
誰にもこの座は譲らないし、仕事はきちんとする。
あの瞳に見つめられ、褒められる人間は僕一人で良い、十分だ!
今日も少し過度な愛情を養父に向けながら元人間貴族の子、イリージア・バニティーはイルカとして生きていく。
この後に番外編が数話あるかも。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
イルカさんの話はコレで完結(仮)です。
少し無理矢理感のある終わらせ方だったかも知れないので、もしかしたら続くかも知れない。




