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やっほー、今日も元気に現場実況がはっじまるよー。
では、現場のイルカさん? いーるーかーさーん!
はぁい、現場のイルカです!
今現在、人間の町でタチウオが大暴れしています。
アシカは裏工作に出ている模様です。
え?僕?……見物中です。
まぁ、こんな茶番はさて置いて、状況を確認しよう。
この前言い渡された任務を現在進行形で実行中だ。この前、そうそう、人間の町奇襲大作戦のことね。
人間たちはちょうど近くにいたらしい、冒険者たちに応戦してもらっているようだけれど、こちとら三人で奇襲を仕掛けているというのに、やられまくっている。
弱い。
あれー? 僕も人間なんだけど、君たちよりは強いよ? ここは冒険者の多い町なんじゃなかったっけ?
ところで、奇襲ってなんでしたんだろう。
実行犯の一人である僕だけど、なんでなのか聞きそびれた。
多分ここに勇者が来るかもとかそういうことなのだろう。
それで、なんだっけ?
ああ、そうだ。
僕もお仕事があるのだった。
僕は実質、自由にやっていい雑用係だ。
見た目が擬態とかなしにそもそも人間なので、
勇者を崇め奉る会みたいな集団に、魔族だとか言われずに済む。
擬態を見破るほどの強い信者がいても大丈夫だ。
なので、ちょっと楽しく人々を混乱させて遊んでいる。
具体的には、その例の会になりすまして、人を集めて集団ごとにまとめておきながらそこを手下の魔物に襲わせている。
え? 外道だって?
知らない言葉だなぁ。
あ、モチロンこの町全体僕の封印結界にかかっているので出られません。
魔法って便利だね。
僕はあんまり強力な魔法は使えないけど。
あっでも、魔法の制御はとっても上手だとクジラに褒められたことがある。
なんでも、僕と初めて会った時、すごいと思ってくれたらしい。
あの近所のおじいさんが言っていた、僕が天才だって本当だったんだね。
僕ってば嘘っぱちだと思っていたよ。
ただし、それはただの人間の子供にしたら、の話である。
当然のことながら、他の幹部や同僚仲間の魔族たちにはかなうわけもないし、ましてや勇者相手に戦えるほど強くない。
だからこうして雑魚倒しの仕事をしているのだ。
「なんで人間の町に魔族が!」
「ここは聖女さまの神域だぞ!」
今、僕はなんだかとんがった屋根の立派な家のそばにいた。
そしたら近くをほっつき歩いていたタチウオが、ちょいワルな雰囲気のおじさんにいちゃもんつけられているのを見た。
なんかアレみたいだ。あれ。
ヤンキーに当たられる若手サラリーマン。
ニヤニヤして見ていたら、タチウオはこちらをひと睨みしてきた。
迫力があって、怖い。
あっ、でもなんだかにやけている。
悪いこと考えている顔だ。
魔族なだけあってよく似合っていると思う。
「神域? 魔族にとってだよなぁ? 内通者が結界壊して別のに張り替えちゃ意味ないよなぁ?」
あっ、暗に僕がいることを教えてやがる。
ひでぇ、身内でお互いに内通者探させる気だ。
僕は身内どころか余所者だし、気配隠しているからちょっとやそっとじゃ見つからないのに。
タチウオってもっと優しげのある気のいいにいちゃんだと思って……。
あ、そうだった。あの人も魔族だもんね。
外道で非道は当たり前か。
あーあ、タチウオのせいで人間たちが互いを疑い始めた。醜い争いだ。
アレが僕と同じ種族なのかぁ。
「争いはやめるのです! 皆さん! それこそ悪魔どもの思うツボです!」
なんか聖なる感じの女性が出現した。
この人見たことある。
クジラとの話しのネタにした人だ。
「わたあめにしたらまずい人だ」
「え゛?」
思わず口に出した言葉にタチウオが戸惑った。
あぁ、しまった。口に出してしまった。でも、バレたって特に問題はないかなぁ。
「クジラ言ってたよ。あの人不味いって。料理するなら、もっと優しげのある人にしなよ」
考えながらも返事を返した。いや、あの聖女さんが優しくみえないってわけじゃないんだけどさ。
「なんか、気が強そうだし、聖なる感じの雰囲気が、私頑張ってる感かもしだしていて、僕苦手」
「俺も」
タチウオは同意してくれた。




