第二十二話 根性の破邪!狼牙乱れ斬り!
解りにくかったらすみません。
パトカーで移動しているのは、片山 左京。
魔族との戦いとのダメージを、吉備津彦命の隠れ神社で癒やす事を、報告する為に県警本部に向かっている。
「あいつ……あんな身体で何をやってんだ……」
自転車で吉備津彦命の隠れ神社に向かっている日幡 宣明を見付けて、ボソリと呆れながら呟く。
「(乗せてやりたいが……丁度 パトカーを停めにくい所だから、無理だな……)」
そう思うと、一つため息を吐いた。
その宣明本人は……
「(クソッ!負けた!クソッ!クソッ!クソッ!結局 妹に助けられたじゃねぇか!何しょんじゃろうか俺は!兄貴 失格だ!)」
自分自身の不甲斐なさに、心の中を大荒れにしながら、自転車を全力疾走させていた。
「あ……曲がった……」
乗せられないと諦めつつも、パトカーのサイドミラーで、自転車で移動する宣明の姿を確認していた左京だったが、交差点で見失ってしまった。
「仕方無いか……」
これで諦めもついた左京。
「さて、もう少しか……」
県警本部に近くなり、少しホッとする左京。
「うわっ!」
キッキキーーーーーーーーーッ!
パトカーを運転していた警察官が、急ブレーキを掛けて車を停めた。
「うおっ!どっ!?どうした!?」
焦る左京。
「ちっ……小さな女の子が……飛び出してきたと思ったのですが……」
キョロキョロ見回す警察官。
「いねぇーじゃねぇーか……見間違いじゃないのか?」
そう言う左京。
「うわっ!女の子!?手招き!?」
先程まで、誰も居なかった助手席の窓の外に、左京を手招きする小さな女の子が立っている。
「ついて来いって事か?」
ガチャ……
ドアを開けて女の子の後をついて行く左京。
「ここは!?」
導かれたのは、県警本部から遠くない所に在る、小さな神社だった。
スーーーッと姿を消す女の子。
そして、その社の所に、見慣れた物が置いてあった。
「これ……【変化札】だよな……色的に神聖な物だよな……」
そう呟きながら置いてあった【変化札】を拾う左京。
この神社は、古くからこの周辺を守ってきた存在だった。
「位は、霊獣だよな…… 一応 神宝さんに相談してから使うか決めるか……」
そう独り言を言うと、パトカーに戻る左京だった。
「はぁ……着いた…… この身体での移動はでぇれぇキツッ!」
吉備津彦命の隠れ神社に着いた宣明が呟く。
敷地内に入った瞬間に、身体が少し軽くなる宣明。
「えっ!?マジかっ!?直ぐに効果が出るんか!?」
その変化に驚き、直ぐに来なかった事に後悔する。
「はぁ…… つよぉ…… つよぉ…… なりてぇなぁ……」
イスに腰掛けて、そう呟き俯く宣明。
「えっ?日幡さんが怪人三体を倒したの?」
優美子と吉備津彦命の隠れ神社に向かいながら、今回の死闘の話を聞き、優美子の予想以上の活躍に驚く神宝。
「サポートして貰いながらですけどね。頑張りました!」
自慢と言う感じでは無く、戦いに加わる事に賛成してくれていた神宝に、純粋に結果報告として、成果を伝えている優美子。
「本当に日幡さん兄妹が、戦いに加わってくれていて良かったよね。白神さんだけや、良くて片山さんと二人だけだったら…… 死者が出ていたかも……」
そう感想を話す神宝。
「お兄ちゃんは…… あんな感じだったから、これからも戦力になるかあやしいけど……」
と、凄く嫌そうな顔をする優美子。
「きっと大丈夫よ。日幡さんのお兄さんだもん」
と、神宝。
「そうですかね?」
困惑の優美子。
そんな話をしながら、二人で自転車で移動する。
「身体が辛いだろうけど、もう少しだから頑張ってね」
そう優美子に伝える神宝。
「あー 俺も帰りたかったなぁ……」
一人病院に残って入院中の白神は、病室の天井を眺めながら呟く。
「はい。了解」
その頃のパトカーで移動中の左京に、県警本部から怪人の出没の報が入る。
「身体に不安はあるが、放置出来ないから行くぞ!」
そう気合を入れる左京。
出没した場所に向かう。
「強くなるには……」
一人 吉備津彦命の隠れ神社で、身体を癒やしている宣明は、ポツリと呟いた。
「【変化札】がもう少し欲しいよな…… 他の奴との連携も必要だよな」
冷静に考えて、今のままでは駄目だと悟る。
「あの白神って、優美子のクラスメイトに頼むしか……いや、あんな奴に頼むなんて……でもなぁ……」
理性と感情がぶつかり、考えが纏まらない宣明。
「自分で怪人を倒して、それで【変化札】を手に入れるか……いや、それでもここで浄化をして貰わないと使えないし……」
プライドと現実が矛盾した答えを出す。
そのまま一人 考え込む宣明だった。
ウーーーッ!
キキーーーーーッ!
バタンッ!
「ここか?怪人が現れた場所は?」
左京は報告の有った場所に着いた。
近くにはニトリ岡山奥田店が在る。
「あいつかっ!」
蜘蛛の様な姿の怪人を見付け、【化身帯】を腰に巻きながら、蜘蛛怪人の所に向かう左京。
「化身!」
《マスカレイド ケイジ コンロウ》
言霊と同時にマスカレイド 京児の紺狼モードに姿を変える左京。
ピシッっと姿勢を正して、右手の指を伸ばして頭に持って行き、敬礼をして
「街の治安を脅かす者は、このケイジが相手してやる!」
そう叫ぶと蜘蛛怪人に走って向かう京児。
シャーーーーーーッ!
蜘蛛怪人が、走り向かって来る京児に対して、糸を吐き出す。
「うわっ!?」
粘着く糸に動きを抑制される京児。
「ガーッ!」
左右三対の腕六本で、京児に攻撃を仕掛ける蜘蛛怪人。
「この野郎!」
絡み付く糸を破邪紺狼剣で斬り払おうとする京児だが、その破邪紺狼剣に糸が絡み、上手く行かない。
「これならどうだ?!破邪!狼牙乱れ斬り!!」
糸が絡みながらも、破邪紺狼剣を何度も振るい、勢いで蜘蛛怪人を倒そうとする京児。
しかし、サルヴァとの戦闘のダメージも残り、蜘蛛怪人の糸も絡み、動きの悪い京児では、魔獣の位の怪人を、倒し切るまでダメージを与えられない。
「クソッ!負けるかっ!」
蜘蛛怪人の六本の腕と糸に、徐々に動きを抑えられながら、それでも諦めずに一人戦う京児。
蜘蛛怪人が倒し切れないのは、当初の予定通りです。




