彼女達
クレイモアの音が立て続けに鳴り続ける、まるで故意に破壊しているように。
マリーは悔しそうに話す。
『彼女達が破壊しているのね…兵隊達の陸路を開くために…。みんな準備して、例え私達が本気を出しても彼女達に勝てるかどうかすらわからないわ。』
その時監視カメラの映像に"彼女達"が写った。
2人組の片方は、ブロンドのストレートロングヘアーにメガネを掛けている。もう一人は、黒髪のロングヘアーに右目に眼帯をつけている。
その時、ブロンドと監視カメラ越しに目が合う。
『"コピー品"見〜つけた♡今からお迎えにいくね…。』
マリーが叫ぶ。
『ワルツ‼︎B52H全機発進させて!西海岸全て焼き払うのよ!』
ワルツと呼ばれるコンピュータが応答する。
『了解シマシタ、オ嬢様。B52H、4機発進イタシマス。』
リリーが口を開く。
『…フレスベルグ。今日こそ白黒つけるわ。そして…絶対助ける。』
サーシャはエレナと銃の準備をしている。
『…エレナ、アンジェラ姉さん。フーのことはリリーに任せて、私達はニコラを迎えうちましょう。…ハッキリ言って私達3人でもキツイと思う戦いになると思う。エリちゃんは、マリーを守ってあげて。』
マリーが答える。
『ザコどもの相手は私に任せて♪エリちゃん、滑走路周辺は爆撃出来ないからそこに敵が入ってきたらよろしくね。』
エリは無言で頷く。
そのときだった。
この世のものとは思えない轟音が鳴り響く。B52Hの絨毯爆撃の音だ。
『よし!作戦開始よ!』
5人はドアを開け外に飛び出す。
外には彼女達がすでに待ち伏せていた。
ブロンドが話し出す。
『お!コピー品が自分から出てきたよ!バッカだ…』
ブロンドがいい終わる前にリリーがケースから何かを取り出し飛びかかる。
『フレスベルグ‼︎‼︎』
ブロンドも何かを取り出し迎え撃つ。
『え〜とこいつは…。誰だっけ?まぁいいや。』
二人とも一歩下がる。どうやら二人の武器は刀のようだ。
そしてすかさずアンジェラも黒髪の懐に潜り殴りつける。骨が数本折れる音が響く。
『…痛いですわね。…殺して差し上げますわ。』
黒髪は銃を構える。驚くことに、骨折はもう治ってるようだ。
『エレナ!サーシャ!撃って‼︎』
アンジェラが叫び。エレナのMP7とサーシャのAIMSが唸りをあげる。
瞬間、黒髪は姿を消す。
『しまった…エレナ!後ろ!』
『えっ⁈』
黒髪がエレナ腕を掴み、引き抜く。
エレナの左腕が宙を舞う。
『ぐぅうぅ…お姉ちゃん…痛いよぉ…。』
アンジェラの顔色が豹変した。
『てめぇ!人の妹になに手ェ出してんだオラァ‼︎』
アンジェラのM107対物ライフルが火を噴く。
黒髪の左足が吹き飛び胴体と下半身が分かれる。だが、3秒もせずに元通りに戻ってしまう。エレナはまだ苦痛に顔を歪め、涙がポロポロと頬を伝っている。エレナはまだ再生しきってすらいないのに…。
エリにはどうすることもできなかった。それどころか恐怖で震えて何も考えられない。
黒髪は撃ちつづけサーシャの目に弾が当たる。サーシャは目を押さえながら地に倒れる。
返り血がエリの顔に跳ねる。
みんなやられちゃう。みんな殺されちゃう。みんな…みんな…
みんなを…優しいみんなを
失いたくない‼︎
私がみんなを…
『私がみんなを助けるんだぁぁぁ‼︎‼︎』
『うあああああ‼︎‼︎』
エリはガムシャラに黒髪に撃ち続ける。黒髪の腹に穴が空き、頬が吹き飛ぶ。
そしてエリは一気に近寄り殴りかかる。
しかし、その腕は黒髪に掴まれてしまう。
『…邪魔しないでくださる?』
黒髪はエリの腕をへし折る。
エリの体に激痛が走る。
その時、黒髪の首が轟音と共に吹き飛ぶ。
アンジェラのM107の銃口から煙が昇る。
エリは気を失い倒れた。