それは残酷で…
『ごめんね…ちょっと血を抜くよ。』
ローレライはエリの腕に注射針を刺す。
注射器の中にエリの血が満たされていく。
『これで…よしと。あとは、扉の網膜認証と指紋認証ね…。』
エリは、ニコラに抑えられながら機械に顔を近づけて網膜スキャンをする。
『網膜スキャン中……認証シマシタ。指紋認証ヲ始メマス。』
機械から指紋認証用のコンソールが出てくる。
エリはそこに指を置く。
『…認証シマシタ。血液チャンバー内ノ解析ヲ始メマス。…認証シマシタ。
ヨウコソ、エリ・コジマ。』
扉のロックが外れる音がする。
ローレライが扉を開けるとそこには、驚くべき風景が広がっていた。
『…なんなの、この部屋は?』
そこには、ゴシック様式の教会のような空間が広がっていた。
十字に架けられたキリストのしたに、ステンドグラスからの光が差し込んでいる。
そこに何かが座っている。
そしてどこからともなく音楽がながれはじめる。
『…パッヘルベルのカノン?…そこに何かいますわ!』
ニコラは肩にかけていたSAM-Rを構え、"座っている何か"撃ち込む。
ローレライは横にある照明のスイッチに気づきスイッチを入れる。
教会の中を照明が照らし"座っている何か"を鮮明にうつす。
エリとちょうど同じくらいの少女が椅子に座り、ヴァイオリンを引いていた。
そして、周りにヴィオラやチェロなどの弦楽器が"宙に浮き、一人でに音を奏でている"。
ニコラは異変に気付く。自分の撃った弾が、"少女"の直前の空中で止まっている。
少女はヴァイオリンを床に置く。
『遅かったね〜…うん!本当に遅い!なんで私の方がブラックホークより速いのよ〜…。』
少女が指を動かすと弾は向きを変え、ニコラに向かって飛ぶ。
ニコラは被弾するも一瞬で再生する。
『…まさかここであなたにお会いするとは思いもしませんでしたわ。R-105…オーバーロード。』
少女は驚いた表情を浮かべる。
『お〜よく知ってるね〜♪』
エリには信じられなかった。
エリはその少女を見た事がある。何度も、何度も…
『なんで……そんな…』
少女は笑みを浮かべる。
『そう、私がオーバーロードだよ。そしてそこにいる…
R-001の親友。』
エリは蚊の鳴くような声になる。
『なんで…なんで…
なんでリカがここにいるの…』
"少女"はエリの親友の大宮リカだった。




