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第一章:ちはやぶる情熱
キャンバスに、ありったけの赤を叩きつける。私の情熱はいつも荒々しく、容赦がない。
幼い頃から、私は負けることが大嫌いだった。かけっこでも、テストの点数でも、誰かの後ろを走る自分を許せなかった。何をするにも、息が切れるほどの全力を尽くさなければ気が済まなかった。絵を描き始めたのは、小学生の時だ。三つ上の兄が部屋でスケッチブックを広げている姿を見て、猛烈な対抗心が芽生えたのがきっかけだった。兄より上手く、兄より人の心を動かす絵を描きたい。その執念だけで筆を握り続け、私は推薦で美術大学へと進学した。




