彫刻
“カリカリカリ”
どこからか一定のリズムでカリカリと音がした。音のする方に耳をすませたら、理事…いやギアスロックさんが何かしていた。何してるんだ?あんな所で。
【ねぇね、何してるの?】
「ん?これ?彫刻だ。木から掘ってんだ。今はイヤリングとピアス作っとる。セリック、お前にはこれをやる。」
【やったー!ありがとう!綺麗〜。】
俺はセリックに木彫りのネックレスをやった。セリックは妖怪ではなく人間なので、鶴を刻んでやった。長く生きろと言う意味で。亀でもよかったと思っておったが、セリックは夢で亀に噛まれたことがトラウマになってしまったらしいから鶴にした。
「それ付けてたら鶴が守ってくれるよ。それとセリック、指を出してくれ。」
【え?はい。痛いことするの?】
「んー、ちょっとだけチクっとするだけだから頑張れ。」
俺はセリックの指を針で刺した。セリックの血をネックレスに付けた。
するとネックレスが白く光ったと思えば、白く美しい鶴が現れた。
(其方が我の主人か。随分と小さいな。そして白髪の其方は一体…。)
「俺?俺はギアスロックだ。君を掘った者だ。で、君の主人はセリックって名前だ。」
すると白い鶴は何故かオドオドしていた。
「どうしたんだい?」
(あの…もしかして貴方様は…妖怪神ではありませんか?)
「……。おい。なぜ分かった!」
ギアスロックさんは突然大きな声を出した。楠木の葉が揺れ、障子の窓がガタガタと揺れた。
(すみません!)
「っは!すまん!驚いてしまってつい怒鳴ってしまった。こちらこそすまん。」
ギアスロックさんは深く頭を下げていた。
それにしても妖怪神?なんだそれは。聞いてもいいのだろうか?
〈なぁギアさん。妖怪神ってあんたのことか?〉
みっミントぉぉー!なにどストレートにかましてんだ!
「ん?妖怪神?嗚呼、俺の本当の正体だ。ずっと隠しておこうと思っていたんだ。」
え?本当なの?妖怪なのは知ってたけど、妖怪神だったなんて!
「6億歳って言ったけど嘘だ。本当は40億歳くらいなんだ。」
7倍サバ読んでいたのかよ!普通そんなんわかるかよ!
「ちなみに俺は妖怪神じゃなく、正式には創造神だ。」
いや、どっち道神には変わりないじゃん!
『ちなみに俺らはそのままの年齢だ。隠していたのは姉さんだけだ。』
どうやらリーツベルトさんとサロさんは嘘をついていないらしい。
〔髪は年のせいでは無いとおっしゃっています。ちなみに禁句を言うと一発アウトです。ボソ…老化や傷などに関するあだ名は禁句です。でもおっ母などの母親と言うのはセーフです。〕
「サロ?何話してるんだ?」
〔いえ、何も。〕
ギアスロックさんは頭を傾げていたが、「へぇー。あっそう」と笑っていた。




