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お読みください!

リドヴィナの声が初めて弱々しくなった。

僕の狙い通り、狼狽ろうばいしているようだ。すかさず、言葉をかぶせた。


「だろう! だからさ、君はあと一週間後においで。

今、そら豆を月光に当てて血液をつくる実験をしているところなんだ。


君も悪魔なら、黒魔術は知っているな。


僕も慣れていなくて、なかなかうまくつくれないんだが、今度こそうまくいくはずだ。

だって、今夜から向こう一週間は晴れ間がつづくとあのYahoo!の天気予報が言ってるからね。


だから、今度こそ血液を製造してみせる。

そして、僕は妹にたっぷりと輸血をするよ。


冷たい肌はあたたかくなり、頬は林檎のように艶を帯びて輝く。

そういう処女を死体にしたほうが、栄養価も高いし、サタンさまも喜ぶだろうよ」


「そッ、そッ、そら豆の術は、あたいも聞いたことがある。

一週間なら、ギリギリではあるが、サバドにも間に合う……ッ!」


「だろう。

それに、僕は今あまり精液が溜まっていないんだよ。


まさか、こんな魅力的な小悪魔に今夜出会うとは思わなかったからね。


君だって、どうせ楽しむなら、薄味のザーメンじゃつまらないだろう。

濃い精を、たっぷりしぼり取りたいんじゃないのか?」


じゅるり!


よだれすする卑しい音が闇のしじまに響いた。


リドヴィナの顔色は見えないが、きっと興奮しているはずだ。

腹筋が悦びにピクピク痙攣けいれんし、その一方、乳房はやわらかく震えている。


これも書物にあった通り。

女の悪魔は、無類の精液好きなのだ。


好きが高じて、精液搾りに特化した悪魔――サキュバス――に変態する女悪魔もいるくらいだ。


「血液に満ちたジューシーな処女が献上できるうえに、君自身もクリーミーな体液をたっぷりと飲むことができる。

一週間我慢すれば、いいことしかない」


リドヴィナは、空中を勢いよくでんぐり返りした。

同時に埃が立ち上り、その中から再び女児が現れた。


幼体のリドヴィナはその小さな握り拳を、天井に向けて力いっぱい突き上げた。


「うおーーーーーッ! 血潮滴る処女の死体ッ! 

濃くてたっぷりのザーメンッ! 

わかった、あ、あ、あたい、また一週間後に、ここ来るぞーーーーッ!」


そして、妹の部屋を出て行った。


僕は、彼女の後ろ姿――背中には、小さな羽があった――を追った。


暗い廊下を通り抜け、僕の部屋にするりと入ると、ベランダの窓の隙間をくぐり抜け満月の方角へと飛び立つ。


やはりここから入ってきたのだ。


悪魔が消えた後には、よく言えば花の蜜、悪く言うなら腐敗した果物のような、甘やかさと不潔さが複雑に合わさった香りが漂っていた。


さきほどまでのかしましさは息を潜め、再び深夜ならではの漆色うるしいろの静寂が家の中を満たしていた。

続きます^_^

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