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僕の運命の人    END

暴走気味です。

激しいノックの音の後、執務室のドアを開けたのはダリアとダリアの父親のマイルズだった。


「話は娘から聞きました‼娘のために婚約者のふりをしてくださったみたいで、有りがたいやら申し訳無いやら………ダリア、イディオン様にお礼を言いなさい。」

「………ありがとうございました。」


ダリアの不満そうな謝罪にマイルズが気に入らないようで、ダリアを睨み付けていた。


「マイルズ、気にする事はないですよ。」

「いえ、そうはいきません!今、街中でイディオン様とダリアの婚約話が噂になっています‼これを上手くおさめる方法があるとは思えません!」


マイルズは噂を無かった事にしたいらしい。


「こんな迷惑をイディオン様にかけてしまうなんて………自分に出来ることがあるなら何でも言ってください‼」


見るとダリアが僕の方を見つめていた。

不安そうな顔に見えた。

僕はニコッと笑顔を作るとマイルズに言った。


「では、ダリアを僕にください。」

「「へ?」」


同じ反応をする親子にニコニコと笑顔を返す。


「僕もこの噂をおさめられる気がしません………いや、違うな。おさめるつもりがありません。だから、僕にダリアをください。絶対に幸せにします。」


マイルズは目を白黒させて倒れた。

ダリアが失神するのは彼の血がさせる事だったのか?

僕は通信魔法で父上に連絡してマイルズだけ魔法局に転送した。


「あの、イディオン………本気?」

「勿論。」

「あの場であんな事言わなければ………私なんかと結婚なんて事にならなかったはずだよ!私は………もう、一度婚約破棄されてるから私と結婚はしないと言えば無くなる話だと思うの……」


ダリアは苦笑いを浮かべてそう言った。


「ダリア、何か勘違いしているようですね?」

「へ?」


僕は満面の笑顔で言った。

「僕はダリア、君が好きなんだよ。」

「ほぇ?」

「君が婚約破棄されて、その相手が結婚式にダリアを呼びダリアも行く事を決めたって聞いてチャンスだと思った。ここまで計画通りだ。」

「?………えっ?なにいってるの?」


僕は少し考えて言った。


「シグレには言わない方が良いって言われたんだけど………君に初めて会ったとき君奇声を上げてたでしょ?あれ、可愛かった。君と一緒に居たら楽しそうだなって思ったんだ。それからは………あんなに愛しいと思っていた家の天使達より君が愛しくてしょうがない。僕の運命の人は君だと思うんだけどダリア、君は僕の運命の人だよね?」


僕はダリアに近付くとそっと左手をとった。

ダリアの左手の薬指に輝くダイヤモンドに軽くキスを落とすとダリアは真っ赤になって言った。


「わ、私も、イディオンが好…」


僕はダリアを引き寄せてキスをした。

顔を離すと真っ赤なダリア。

なのに、失神するわけでもなく幸せそうに微笑んだ。

僕はたえられなくなって貪るようにダリアにキスをした。

深く深くキスをした後、息の荒いダリアを抱き上げて執務室の脇にある僕のプライベートルームに連れ込もうと決めた。

キスを終えると案の定ダリアは可愛くて、今まさに抱き上げようと思って少しだけ彼女から離れた。

その時、執務室のドアが勢い良く開き王子殿下の想い人が入ってきた。

しかも、何を血迷ったのか僕の腕にしがみついて来た。

ダリアを見れば驚いた顔で固まっている。


「イディオン、私の話を聞いてください!」


更に姫君を追いかけて来たであろう王子殿下が入ってきて言った。


「イディオン!貴様やっぱり姫と浮気してやがったな!」


眩暈がした。

そして、僕は姫君の脇に手を入れると子どもを高い高いするように持ち上げて王子殿下にぶん投げた。

姫君が悲鳴をあげたが知るか!

僕は、慌ててそれを受け取って抱きよせた王子に殺意のこもった笑顔を向けた。


「話ぐらいなら、いくらでも聞いてあげますが………今は駄目です。って言うか空気読めよ!」

「イ、イディオン、ちょっと落ち着け!」

「もし、お前ら二人のどうでも良いくだらん痴話喧嘩のせいで僕の愛しいダリアに疑われて嫌われでもしたら………僕はうっかり国を滅ぼしてしまうかも知れません………」

「マジでごめん魔王様じゃない、イディオン!謝るから殺意をしまえ!いや、しまってください‼」

「あっはははは、出ていけ。」


王子殿下は姫君をお姫様抱っこすると、ダッシュで逃げていった。

今さら遅い。

こんなに腹が立ったのはいつぶりだろう?

イライラがおさえられない。

すると、背後からギュッと抱き締められて驚いた。


「ダリア?」

「愛しい人って言ってくれて嬉しかった。」


イライラが吹き飛んだ。

僕は彼女の手をこじ開けて正面から抱き締めてキスをした。


「執務室の脇に住んでるって言ったよね?招待して良いかな?」

「………そ、それって……普通に招待だよね?」

「……うん。普通の招待!恋人なら当然の招待。」

「………恋人なら?」


僕はダリアを腕に抱えるとプライベートルームにむかった。


「イディオン!あの、何で?」


ダリアを迷わずベットに下ろして押し倒すとダリアは不思議そうに呟いた。


「好きだからかな?」

「………ちょっと待とうか?」

「無理だね。」

「………誰か来たらどうするの?」

「大丈夫。鍵してるし、防音の魔法かかってるし。」

「………心の準備が………」

「………じゃあ、少しだけ。キスは大丈夫だよね?嫌なことがあったらやめるから………」


真っ赤に染まるダリアがゆっくり頷くのを確認してキスをする。

キスしながら胸に触るとピクッと体をこわばらせるダリアが可愛くて大暴走したのは許してほしい。





「嫌って言った!」


瞳に涙をいっぱいにしたダリアが可愛くて口角が上がる。


「ごめん。可愛くて我慢できなかったんだよ。」

「止めて、許してっていっぱい言ったのに………」

「思った以上に可愛くて……その言葉はかなりムラムラするね。」

「バカ!」

「ダリア、愛してるんだ。君の全てが欲しいんだ。」

「………バカ。」


ダリアが可愛く視線をそらした。

僕はダリアの頬にそっと手をそえるとキスをした。


「イディオン………」

「もっかいしていい?」

「バカ~‼」






こうして僕は漸く運命の相手を見つけたのだ。

やっぱり僕の運命の人は妹ではなくて、妹達の認める姉になりうる素敵な女性。

なのに僕の前では妙に幼い雰囲気を出す彼女なのだ。

僕は彼女のためだったらきっと、天使とも戦えるんだ。

とりあえず結婚前のダリアにあんなことしてしまったから、きっと近いうちに天使達と戦わなければならなくなるだろう………

だが、負ける気がしない。

だって、今腕のなかで可愛く涙を浮かべる彼女と結婚するためなら世界を滅ぼすのも簡単だと思っているのだから。


「ダリア、愛してる。」

「……わ、わた……し……も……」


ダリアのかすれる声に嬉しくて調子にのった。

そのあと彼女の機嫌をとるのに物凄く苦労したが、怒っている彼女も可愛くてまずいね。



                  END

終わりました。

お兄様はラブラブイチャイチャ幸せになりました。


ここまで読んでくだってありがとうございました。

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