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ずっと居た家を出た。
手持ちの鍵で、そーっとドアに鍵を掛ける。よし。
外は春の涼しい風が吹いており、気づけば、甘く早熟な匂いが鼻に入ってきた。
辺りは真っ暗で、深夜の静けさが街を包んでいた。
頭と心の中はぐちゃぐちゃの思いだった。
不安,苦しさ,ドキドキが心に響く。
そんな気持ちを無視するように、掻き消すように、僕は一心不乱に足を進めた。地面を向いて、宛先も無く、ただ歩き始めた。何も考えたくない。
そんな調子で歩いていくと、家からはだいぶ距離が離れてきた。そういえばあそこに公園があったなと、昔の記憶をたよりにそこを目指して進んでみる。
5分ほど歩いた頃だろうか、見覚えのある公園を発見した。どうやら中に人は居なさそうだ。少し休みたいと思い、入っていく。ベンチにカバンを下ろし、腕を開いたりなどして、体をほぐす。
「はあああああぁぁぁ。」
近所迷惑にならないように気を遣いながら、でも、出来る限り大きな声で、口から音を発する。
深呼吸もする。ゆっくりと息を吸って、吐いて。緊張を和らげるように。何度か繰り返す。
少し、心が落ち着いてきたような気がする。よかった。
さて、何をしよう…せっかく休憩できる所を見つけたのだから、もう少しここで過ごすか。そう思って、僕は暗い中ベンチに座り込んだ。木でできたベンチで、随分と古い様子だった。激しく汚れてはいなかったので、抵抗なく座ることができた。
心地良い風が肌を撫でる。涼しさや開放感を感じて、気持ちがいいものだ。それと同時に、木々が揺れ、サワサワ…とざわめく音が聞こえる。これも程良いアクティビティを感じて、気持ちがいい。自然はいいものだ。澄んだ空気によって、心が浄化される気持ちになる。
ひとしきり自然を楽しんだ後、僕はまた、何をしようか思考を巡らせていた。携帯をしようか,この後に向けての調べ物をしようか,はたまた、コンビニに行って何か買って食べようか、今度は別の公園に行ってみようか。携帯をポチポチ触っているのは風情が無いし、かといって今すぐコンビニに行くのもちと気が重い。新しい公園まで歩くのも疲れるしなあ…。
……とりあえず、ゲームしよう。
僕はいつも通り、お決まりのことのように、少し怠惰な思いで、ちょっと愉しみを抱いて、お気に入りのゲームをしようと決めた。最近見つけてやり込んでいるアプリだ。ログインボーナスは今日すでにもらっていたが、まだやることはあるだろう。そう思って、カバンの中の携帯がある当たりに手を伸ばした、その時だった。
ピコッ!!
突然、光る物体が現れた。




