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ローナの気持ちとゲーム

私は暗殺者を殺したとき、世界って本当につまらないなと思ってしまった。

人間は脆いからすぐに死んでしまうし、人ひとりが死んでしまっても精神面以外の被害は及ばない。

暗殺者になった時点で、うっすらとは感じていたが、今回の件ではっきりしてしまった。

体面的には死んではいけなくても、替えがきく役職がこの世界は多いように思う。

前の世界では思わなかったけど、人は醜いくせに直ぐに死んでいくから、人間を信じられなくなってしまった。

こんな世の中に生きる意味はあるのかな?




あれ?王子がいる。なんでいるの?目も開かれてるし、震えてる。何があったんだろう?

なんかこっちきた。


「ローナ!大丈夫か!」


何を言っているんだろう?見ての通り無事なのに。血もかかってないのだから大丈夫に決まってるじゃない。

「大丈夫ですよ。」


「そんなわけあるか!」


「なんでですか?」


「だってお前死んでる目をしているぞ!」


死んでる目?あぁ、目か。今すぐ直さなきゃ。

「何を必死に言っているのですか?目が死ぬのはその人が死んだ時ですよ。」

あれ?なんか王子怒ってる気がするんだけど、気のせいかな?


「あ〜!もう五月蝿い!とりあえず先にこいつの後処理しなきゃいけないからそれが終わるまでそこを動くなよ!」


なんで私は怒られているの?まぁちゃんと動かないようにするけど、、、


王子が必死に後処理をしている間、私はボーッとしながら調子を戻していた。


そうしていたら、後処理が終わったらしく王子がこちらにやってきました。


「何があったの?ローナ。」


そう聞いてきた王子は、何故か悲しそうな顔をしていました。

「別に何もありませんよ。苦戦なんてしなかったし、怖くもなかった。なぜ王子はそんなにも悲しそうな顔をするのですか?」

そしたら何故か王子が目を見張った。


「え?分からないの?」


「分かりません。教えてください。」


「ローナが何かを失ってしまっているように見えるのが悲しいんだよ。今ローナは幸せを感じているのかい?」


何かを失っている?何を?仮に失っていたとしても、それは大切なもの?幸せ?そういえば幸せってどういう定義だっけ?

「私は何を失っているのですか?幸せってどういうものでしたっけ?」

なんか王子が考えてる。


「わかった。俺がお前に幸せを教えてやる。俺と婚約しろ。幸せが分かったら婚約を白紙にしてもいい。」


「………っ!本気ですか!?」

私はその言葉を聞いて信じられないって思いました。だって王子になんの旨みもない話だったのですから。


「あぁ本気だ。後でバァルツニー侯爵にも打診しておこう。」


王子の目は本気の目をしていた。

だから私は開きかけた口を閉じて

「そうですか。これからもよろしくお願いします。」

と言いました。



☆☆


あの後、暗殺者を王子に向け罪として、自称婚約者候補一族は晒し首の刑で、1週間晒され続けました。

そして私は、公表はまだされていないのですが、何故か第2王子の婚約者になりました。

なって少ししたら、王子妃教育も始まりました。正直にいうと少し簡単です。あまり勉強をしていないのに、先生も覚えが早いと褒めてくれていました。


でも忘れてはいけないのが、第2王子が乙女ゲームの攻略対象者だということ。

ということは、私が悪役令嬢になるということですね。


ふざけんじゃねぇですよ。誰が悪役令嬢なんてやるもんですか。なんならポイってあげますよ、ポイって。

まぁ、そんな簡単には渡せないんですけとね。



そんなこと、本当はどうでも良くて、私は今日恒例の話し相手の日です。







はぁ〜、あの事件から若干気まずいんですよね。

まぁ、私が原因なんですけど。


でも、殿下があの日から僕が守るんだオーラを出しちゃっているんですよ。

私が何年生きてきたと思っているんですか?と問いたくなりますよ。

問えないですけど、、、


「こんにちは、ヴォレア。」


「こんにちわ、ローナ。やっと来たね。今日もやりたいものがあるんだよ。付き合ってくれるね?」


最近こうやって、遊びを探しては私と遊ぶということを繰り返しています。王子なのに暇なのでしょうか。

「いいですよ。で、今日は何をするんですか?」


「今日は、愛してるよって言い合って顔を背けたら負けというゲームをしてみたいんだ。」


愛してるよゲームじゃん‼️なんでそんな恥ずかしいことをしなくちゃいけないの!!了承しちゃったじゃん‼️

これが俗に言う詐欺師のやり方ってやつ?

「それをやるんですか。そうですか。わかりました、やりましょう。やるからには負けませんので。」

まぁ、感情の制御は得意なんでね、大丈夫でしょう。


「僕だって負けるつもりは無いから。覚悟しておいてよ。」




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