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同級の友達は、俺にタレントもスキルもない事を知り離れていった。
それは、優しさであり、蔑みであり、俺にとって屈辱以外の何ものでもなかった。
もともと体質的に違っていた俺はあまりうまく馴染むことができなかった。
いや…
馴染もうとしなかったが、正しいか…
だから、ばあちゃんには鬱陶しいぐらいの愛情とうまい飯を、じぃさんにはどんなことにも曲がらない精神力と壊れない身体を授かった。
本当に感謝している。
時間は進み…
俺は田舎を離れ、都会へと旅立つ。
全寮制の中学、高校。
新しい生活に戸惑いと期待を膨らませていた。
ばあちゃんとじぃさんは見送りの日にあるものをくれた。
ばあちゃんは魔石のネックレス
じぃさんは左頬に全力の右ストレートと「勝ち逃げじゃ」の一言だった。
そこからは、まぁ…割愛する。
中学、高校と友達は出来なかった。
まわりの奴らはみんな、なんか好きになれなかったからだ。
ヘラヘラしながら遠回しに馬鹿にしてくる奴らと、見て見ぬ振りしてる奴らとは友達にはなれんわな。
そして俺は社会へと旅立つ。もう子供ではない、ガキみたいに差別してくるやつなど少ないだろうと、
この時の俺はまだまだ甘かったな
俺はタレントもスキルもない。
さほど賢くもない。
ならばなにができるか、それは肉体労働だ。
だから当然就職先もそんな感じだ。
世界が変わり、タレントとスキルを駆使して沢山の業種がある中で、俺は最底辺と呼ばれる『ノーズ』と呼ばれる職につく。
『ノーズ』
no talent no skil 2つのnoで『ノーズ』
これは差別用語で俺のような無能を指す言葉である。
そして自然とそれらが集まる業種がそう呼ばれることが暗黙のうちに決定していた。
笑える。
ガキのまま、歳だけ取ればああなるのかと…
それとも人は、もともとこうなのかと…
誰かが下にいてくれないと安心できない生物なのかと…
俺の境遇に対して、俺は悲観しちゃいない。
なぜなら、ばあちゃんとじぃさんがここまで俺を育ててくれたから。
俺は誇りをもって、俺でいられるから。
だから、4年我慢できたのは俺だからできた。
俺じゃなきゃできなかった。
退職願ごと上司に踵落とし決めたのは温情だからな!




