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…厳かな空気漂う白い空間。



果てはなく、漂う、揺蕩う、ゆらゆらと。



すると後ろから猛烈な勢いでこちらへ何かが…



「こぉんの!大馬鹿者がぁ!!」



全力のドロップキックかまされた。…いてぇ。






「僕が何を言っても君は聞かない事は分かってた。」




くどくど、つらつら、よくもまぁここまで口が回る事。




「こらっ。聞いてないね?わかるんだよ…そんな聞いてますみたいな態度でいても…」




…バレたか…しかし、



「初のダンジョンクリアだ!もっとお祝いしてくれよ。」




やれやれ…と呆れて神様は、ルナ様は項垂れる。




「君、死んでたよ?あいつが誰かを僕が教えてなかったら秒で。」



だろうな…



「しかも加護を受けてる身だったからやりあえてたんだよ?」




それもそうだろうな…




「感謝こそされど、君は無茶をしすぎだ。この先はまだまだ長いんだよ?…どうなることやら。」




…耳が痛い話である。この先もこんな感じだとなかなか骨が折れるな。





「つーか、あいつ肩を貸すとか言ってたが、なんだありゃ?」




あぁ…あれはね。とどこか歯切れ悪く答える。




「加護を受けたのさ…君の中指だね…」






おぉ!ナイスだ。これで三つ目。



使い勝手はまた特訓だな…




「やれやれ、君という奴は…神様に好かれやすいたちなのだろうね。それはそうと…僕があげた力以外を使われると嫉妬するな…特にあの女狐のやつとか…それに加えてあんな根暗の力もだなんて…」



…ぶつぶつ何か言ってるがこうしちゃおれん!特訓だ!



「そいじゃルナ様!またくるな!俺ちょっと忙しいからさw」




「あっ!こら!まだ話は終わってないよ!次に来るのは君とは相性が悪すぎるからね?絶対一人で行かないで!脳筋パワーじゃ太刀打ちできないんだからね!?わかったー?脳筋ごりらー!?」




視界が戻る間に、捲し立てるように叫ぶ。



…わかりましたよ。自覚ありますから。仲間な?なかま…



…俺今まで、ずっと一人だったんですが…ダンジョンクリアするより難題なんじゃ…





……………………………………………………………





白い空間から開けるように、重い瞼を開いてみれば…そこは病室。



見ればばあちゃんがりんご剥いてる。



「おはよう、ばぁちゃん。ご飯何?」



…ガタンと、椅子が倒れる。目を見開いて驚いてるな。



「りゅうちゃん!?ちょっと先生!せんせー!?」



飛ぶように病室から出て行く…あー。もうちょいぐったりしてた方がいいかもだな…





それから何回か精密検査やらなんやらを終えて、俺はじいさんとばぁちゃんに連れられて京都観光へと足を向けていた。





「りゅうのあほたれが一人で突撃かました時は寿命が縮んだわぃ」



「りゅうちゃんは慌てん坊さんだからねぇ。とらさんが諌めないと!」



「あかねさん、りゅうは考えなしなだけじゃよ。それに止まらんよ、馬鹿じゃからの」



…と。さっきから俺への言葉の攻撃が止まらない模様。



ばあちゃんは純粋に心配してるようだが、じじい…ただの悪口だぞ。聞こえてるからな?




温泉街から露店を冷やかし、きっちり、八つ橋やら、京料理やらなんやらを食べ歩きいい頃合い。



宿へと戻るのは、じいさんとばあちゃんだけだ…



「とりあえず、じいさんとばあちゃんには心配かけた。申し訳ない。」




突然の謝罪、続けて俺は決意を話す。




「今回のようなケースは今後も起こりうる。じいさんをまだ死なすわけにはいかんから、ここからは、俺単独で動く。…まぁたびたび顔は見せに帰るから、その時はまた美味い飯をたのむよ。」





…しばし沈黙、ばあちゃんもじいさんも分かっていたことだろう。この子は止まらないと、止まらないのだと。




今までのことを考えれば、見てきた足跡を辿れば当然の帰結。




「ちょっくら世界を、救ってくるわ」



晴れ晴れとした。どこか付き物が落ちた出立ち。

この子はどこまでも、真っ直ぐで、素直な、私たちの孫なのだと。



「りゅうちゃんがそう決めたんならあたしからは何も言わん。」



「そうじゃな、りゅう!必ずやり遂げろ。じゃなきゃお前の勝ち逃げじゃ…また手合わせ。しちゃるからのぉ。」






…ありがとう。


万巻の想いを込めて、俺の我儘を聞いてくれて、そして、心配してくれてありがとう。




「けど、無理はいかんよ?ばあちゃん待っとるからね。美味しいご飯も、用意しちょくからね?」



「うむ、りゅう、いつでも泣きべそかいて帰ってくるがいいわぃw」





また、新たに、二度目の旅立ち。



あの時とは違い、一つの使命を抱えて。



俺にできる事を携えて、前へ進もう。




「土産、楽しみにしててな!二人とも!」





そうして別れる。楽しいひとときとの別れ、


次なる目的、「仲間探し」と「東京迷宮」へいざ行こう!





……………………………………………………



東京。某所…


「あねさん。京都、攻略されとりますな。こりゃちーとあかんのでは?」



「まぁ、想定の範囲内やけどなぁ…なぁんかきな臭いんよなぁ…後ろになんか憑いとるみたいやし。」



「我々幹部が動きますか?」




「えぇよ…今度のはあんたらにはしんどいやろぉから。…そやねぇ、()()()が行くわ。」





その場に驚愕と緊張が訪れる…


「いけません!御前自らとは、まずは我々で動向と下調べを!?…ガッハァ!?」




待ったをかけた一人の男は瞬間地べたへ這いつくばって頭を踏まれていた。



ハイヒールの踵で押さえつけられた男は恍惚の表情で再び口を開きかけるが…



「ええの。あたしが直に見て、判断するわ。どんなかなぁ?ええ男ならええんやけど…はぁ」



女はまだ見ぬ人物へ向けて甘い吐息を吐き出す…その場にいた誰もがその人物に対し殺意を抱いているとも知らず…






……………………………………………………………






東京ー東京ーお降りの際はお足元…





…やってきました。大都会東京!!!


ダンジョン数も日本一!人口密度も探索者数も日本一とくれば、仲間集めも捗るだろう!






…と、思った俺が馬鹿でした。


探索者支援団体にさえ辿り着けないこの俺の方向音痴加減よ…



誰か道を教えてください…
















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