第三部 天界編 プロローグ
神々の長は、天界の庭園で美しく咲いた花々を愛でていた。
「おお、素晴らしい…美しいのう」
満足気に庭園を歩く神々の長
「ん?」
一本の萎れた花を見つけ近付く
「儂の庭園にこのような物は要らん!」
彼は萎れた花を根ごと引き抜き打ち捨てる
「神長…」
そこへ、天界の戦士ヴァルキリーがある報告に来た。
「おおヴァルキリーではないか」
「魔界より『合図』がございました」
「そうか…魔王が死んだか…」
「はい」
神々の長は感慨深そうに呟く
「…やっとか」
「はい」
「奴め、随分とあがいていたようだな」
「はい」
「これ以上刈り取りが遅れれば、天界はエネルギー不足に悩まされるところであった…」
「…申し訳ございません。」
「まぁ良い…
ところで誰が奴を殺したのだ?
黒魔導士が殺したのであれば問題ないが、神族の仕業となれば「地上の出来事に手を出してはならない」という神の掟に触れてしまうからのう…」
「魔王は、例の者達によって殺されたようです。」
「…なに?」
花を愛でていた神長の手が止まる。
「黒い炎を操る聖女と夢魔の戦士、それと…」
「なんじゃ?はっきり言わんか!」
「はい…もう一人は、冥界の女神ヘカテー様のようです。」
「へ、ヘカテーじゃと!」
「はい」
驚いた様子の神々の長は、愛でていた花をグシャリと潰してしまった。
「…ヴァルキリーよ、刈り取りを急がせろ!」
「はい」
「それと、警備を固めよ!ヘカテーを天界に入れてはならん!」
「…しかし、ヘカテー様は冥界の女神、全ての世界と繋がっておりますゆえ、出入りは自由かと…」
「〜〜〜〜っ!」
「…どう致しましょう」
「よいかヴァルキリーよ…奴は…ヘカテーは掟を破った。
地上の出来事に手を出し、魔王を葬った!
これは神々の長に対する反逆じゃ!」
「はい」
「ヴァルキリーよ!連中が天界に入ったならば、容赦なく殺してしまえ!これは神の命である!」
「畏まりました」
ヴァルキリーは刈り取り装置の所へ赴いた。
一人残った神々の長は…身体を小刻みに震わせていた。
「ヘカテー!?ヘカテーだと!?
なぜ神の座を降りた奴が、今頃天界に来るのだ!
しかも黒き聖女が一緒だと!?」
神々の長は明らかに狼狽していた。
「…いや大丈夫だ…ここは天界…奴とて好きには動けんはず」
ブツブツと呟きながら、神々の長は神殿の奥に消えていった。
ヴァルキリーによって刈り取り装置の能力が最大限へと引き上げられる。
魔界から吸い上げた物全てを取り込み、粉砕し、エネルギーを搾り取るため、刈り取り装置は唸りを上げフル稼働し始めた…
あとがきのようなもの
第三部 天界編 始まりました。
モモルー、エンプーサ、ヘカテーそれぞれの戦いが始まります。
そして三層世界の行く末は…
それでは、最後までお付き合いくださいませ。




