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調査開始

屋敷に帰り、私はスリムトに事情を隠しながら、浮気相手がどんな人か調査する事にした。


まぁ、本当はスリムトに直接、彼女の事を問い質したい気持ちだったけど。


その為に調査の前に報告も兼ね、まずは父上へ相談する事にした。


「成程、スリムトがそれ程に酷い男だったとは……信じておったのにのぅ。わしが奴の借金を肩代わりしたのも、彼が失敗した事業を立て直す為だというのに」


「そうなんです。おまけにスリムトは、浮気相手と子供まで作っていて……どうすればいいのでしょう?」


「ふむ、そういう話ならハルス・ウィクトニアに相談するのがいいだろう。普段は舞踏会やお茶会を開いたりと不真面目な奴だが、こういう話には鼻が利くからな」


ハルス・ウィクトニア、私の幼馴染の貴族であり遊び人でもある。


普段の生活も将来もふらふらとした人だけど、今では若い頃の交友関係を生かし、問題解決人をやっているらしい。


お金の問題や政略結婚など、貴族には表に出せない問題が多すぎる。


彼はそんな問題を解決する事でお金を貰い、それを職業に生活しているみたい。


……ちゃっかりしてるわね。


「珍しいな、お前が俺を屋敷に呼ぶなんて。前に舞踏会を開いた時は、遊びに来てくれなかったじゃないか」


「あれは舞踏会と表したお見合いでしょ? 私には関係ないわよ」


「まぁまぁ、お前は硬すぎなんだよ。結婚してから一年、碌に遊んでないと聞くぜ。父上もお前の顔色が暗いと心配してたし、これを解決したら気晴らしに遊びに行かないか?」


「はいはい、考えておきますわ」


口では軽く流したけど、彼の言葉は嬉しかった。


今まで、スリムトの為に毎日の様に頑張ってきたのを、初めてこの日に褒められたのだから。


「それで、浮気の調査の前に一つ、聞きたい事があるのだが……浮気相手の子供、見た事あるか?」


「えっ? ……そういえば、見てないわね。スリムトに送られた手紙に、浮気相手の子供の事が書かれていただけだし」


「成程な、だったら……その点で当たってみるか。それなら後は、俺が浮気相手を調査する。お前は浮気相手と夫を屋敷に呼び寄せ、離縁を言い渡せばいい」


「分かったわ。でも、それだけでいいの? 他に何か出来る事は……」


「心配するな。それに、何も知らない方がやりやすいんでね。無知は最高の演技とも言うしな」


そうしてハルスによる浮気相手の調査が始まった。


ミカナル、それが夫の浮気相手であり、私に金をたかって来た女の名前らしい。

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