一門に入る。
いつもお読みいただきありがとうございます。
ランダース老師からまず説明されたのが、ランダース老師の使命についてだった。ランダース老師は、双子神から神託を受けてその使命を果たすために、東のトタン国からここまで旅をつづけながら弟子を取り錬金術を教えてきた。
信託を受けたのが40歳の時で、それから各地で錬金術を教えては旅をし、教えては旅をする生活を30年続けていると言う。双子神からの信託の内容は、『西へ行き、双星を見つけ汝の知識を授けよ』で双星の意味が近年まで分からず、行く先々の才能のある子どもに錬金術を教えきたと説明された。
そして、エミリーとエドガーをステータスボードを確認して双星=双子と確信が持てたとも言っていた。ランダース老師の錬金術を習う為には、一門に入門が必要である誓いを立てる必要があるらしい。犯罪者になるような事では無いと言っていたが、エミリーとエドガーは内容を確認して入門するか決めると回答をした。
2日後の新月の夜、ランダース老師の部屋へ入門の儀式を行うために向かった。部屋の中央には、濃い青のクロスが掛けられた祭壇が用意されていた。祭壇の上には双子神の木像が祭られており、その前には天秤が置かれていた。
「よく来たのじゃ、エミリーそしてエドガー。これより我らが錬金術ランダース一門の入門式を始める。入門するに、これから読み上げる事を生涯に渡って守る事を誓うのであれば入門を認める。
1.錬金術の知識は、民の生活向上の為に使用する。
2.錬金術の知識は、犯罪に使わない。
3.錬金術の知識は、国家の争いに使わない。
これらを遵守する事を出来るのであれば、円の上にに右手を置け」
ランダース老師は、天秤の前に描かれている金色の円を指さした。エミリーとエドガーは念話で『問題ない』と確認をして右手を置いた。
2人が手を置くのを見てランダース老師は、うなずき呪文を詠唱し魔力を台に流すと、2人が置いた円が光り光が収まると右の小指に青い石がはまった指輪が表れた。
「これで、入門の儀は終わりじゃ。誓いを破るとその指輪の石が赤くなりお前達の錬金術を封じる。ゆめゆめ忘れるなよ」
そう言うとランダース老師は別のテーブルに置いてあった、分厚い皮表紙の本を1冊ずつ手渡す。
「ランダース老師、ありがとうございます。これは何ですか?」
エミリーが受け取った本とランダース老師を交互に見ながら質問をする。
「これは、ランダース一門の錬金術の術式やレシピが書かれている本じゃ。今与えた指輪を持つものしか開く事が出来ない様になっている。使い終わったら必ず本を閉じる事を忘れない様に。そして、お前達は、術式を一つ学ぶ度にこの何も書いていない本に術式を写し自身の物とするのじゃ」
ランダース老師は、先ほどの本と同じ大きさの本を2人に渡す。今度は白紙のページだけの本だった。
「でも、この本に写したら誰でも読めてしまうのではないですか?」
エドガーが渡された白紙の本の方を見ながら質問をする。
「良く気付いたな、これからその本をお前達しか開けない様に術式を施す。血を一滴表紙の此処に垂らすのじゃ」
ランダース老師は、ナイフを渡しながら白紙の本の表紙に書かれている魔法陣を指さした。
2人は交互にナイフを使用し魔法陣に血を一滴垂らす。血が魔法陣に吸収されると描かれている魔法陣が一瞬光消えた。後で2人で確かめたが、互いの白紙本を開く事は出来なかった。
「これらの儀式も、術式も全て習得したら卒業じゃ。頑張るのじゃぞ」
ランダース老師は、顎鬚を撫でながら2人の入門を喜んでいた。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
漸く錬金術の本格的な勉強が始まります。




