抽出って?
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エドガーが1回で高品質ポーションの錬成を成功させた後、エミリーも薬草がある限りポーションの錬成を繰り返したが、出来たのは低品質のポーションが3つ出来ただけだった。
「どぉして、私のは低品質のポーションなのよ!エドガーと同じ様に錬成しているのに!!」
エミリーは地団太を踏みながら悔しがっている。
エミリーは、スキル【鑑定】を使ってエドガーのやった手順通り、魔力量も同じくらい使用し、魔力を流す時間もほぼ同じ様に調整してポーションの錬成を行っていた。それでも出来上がるのは、低品質のポーションだった。
「いったい何が違うの? 同じぐらいの量の魔力を使用して、同じ時間混ぜているのに、なんで!低品質なのよ!」
エミリーが頭をガシガシかき乱して悔しがる。
「エド、何かコツとかあるでしょ?教えなさいっ」
エミリーがもがいている横でエミリーの言葉を、無視をして錬金術の本をパラパラと読んでいた。
「おい!私を無視するとか~良いご身分だなぁ」
「い、痛いよ。やめてよー」
エミリーに引っ張られている耳を千切れない様に抑えながら、エドガーは抵抗する。
「やめて欲しかったら、白状しなさい」
「わかったよ。エミリーはイメージが足りないんじゃないの?錬成する時にどんなイメージで創ってる?」
痛む耳をさすりながら、エミリーに確認する。
「えっ、普通よ。魔力水創る時の様に薬草と魔力水が混ざるイメージよ」
「やっぱりね、もっと分子レベルで混ざるイメージじゃないと。あとは、完成形をイメージすると良いと思うよ」
「ふーん、よし、試してみよう!あ、材料の薬草が足りないからエドガー採って来て、おねがいね」
エミリーが最後これでもかと言う笑顔に物凄いプレッシャーをのせ、めんどくさい薬草採取を命令してきた。
「イエス、マム」
エドガーは、全速力で薬草を採りにいくのだった。ちなみにその後、高品質のポーションが出来るまで薬草を採りに行った。そのおかげで、生えている薬草が無くなってしまったのだった。
◇
「ねぇ、エミリー。このポーションどうするんだよ?」
エミリーが高品質のポーションを創るまでに20本以上の低品質ポーションが出来上がっていた。
「そんなの、エドの【アイテムボックス】に入れておけばいいでしょう。時間経過も無いんだから品質も劣化しないんだから」
エドガーは、「それもそうか」と言ってポーションを【アイテムボックス】に入れようとして手を止めた。
「エミリー、あのさ。錬金術って【錬成】だけじゃないよね?」
エドガーがふと思い出したという感じで、思った事を呟く
「はぁ?何を言っているの?この教科書に書いて無ければそれ以外ないんじゃないの?」
エミリーが呆れ顔で呟く、ちなみにエミリーは錬金術の本を「教科書」と呼んでいた。
「でもさ、俺のいた日本の漫画や小説に出てくる錬金術師って、【錬成】、【抽出】、【融合】、【分解】、【合成】とか色々使い分けてたんだよね。やっぱり、現実にはないのかな?」
「出来るでしょう、だって魔法はイメージなんでしょう?」
エミリーが何の気なしに呟いた。それを聞いたエドガーはポカーンと口を開けてエミリーを見つめる。それを見つけたエミリーがエドガーを折檻したのは言うまでもない。
◇
机の上にエミリーが作った低品質ポーションを並べる。様々な容器に入ったポーションたちは、2人の部屋のテーブルを埋めるほどの数になっていた。前世の記憶があるエドガーは、ポーションは何で水薬何だろうと思ったのがきっかけだった。
前世の様に錠剤だったら携帯も楽なのにと言う発想を思いついた。思い付いたついでにポーションから薬効だけを【抽出】できたらと思ったのだ。ちなみに、この実験にはエミリーは付き合っていない。「どうせ今の私には出来ないから」と言って姉達とのお茶会に行ってしまった。
「魔力水は、水の分子と魔力を結合させたよね。ポーションはその結合分子?に再度細かな薬草を魔力で結合分子に再度結合したね。ここから水分子だけ取り除けば…できるかな?」
エドガーはポーションを錬成板に載せ、水の分子を取り除くイメージで【抽出】と唱えた。錬成板が発光するとポーションの容器の上に水が浮かんでいた。そしてしばらくすると落下し元に戻る。再度エドガーが抽出を試みるが、発動すらしなかった。
「あれ?一回失敗するとポーションじゃなくなるのかな?」
その後も何度も繰り返すが結果は同じだった。
「そうだ、水を抽出じゃなくて薬効成分を抽出してみようかな?」
エドガーは薬効成分を薬草と魔力が混ざった物をイメージして【抽出】を唱える。先程とは異なる発光が錬成板から発せられ、ポーションの容器の横に飴玉の様な柔らかい物体が表れた。
「いやったー!成功?成功かな?ああっ、エミリーがいないから成功したが分からないじゃないかー」
エドガーは必要な時にいない、相方に毒つくのであった。2時間以上経ってから戻って来たエミリーに鑑定してもらった所、薬効は無事に抽出は成功した。しかし、その時に「遅い」と悪態をつき折檻されたのであった。
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