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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
天魔大戦 滅びの未来編 3
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第19話 帰ってきた元の時代

 せっかく辿り着いた宇宙であっても、ゆっくりしてる程の余裕はアタシ達にはない。

 マックスに頼んで亜空間転送装置の準備に取り掛かることにしたアタシ達は、球体上の船に各自乗り込んだ。



 中には1人用の座席に操縦桿。

 あとは大陸のマップ――この天外星から惑星ルプトに向けての着陸軌道が表示されている。



『それでは皆さん、準備はよろしいでしょうか』


「おっけー」



 方舟を操縦してただけあって、この船の操作も手こずる事はなかった。マックスの説明も分かりやすいしね。

 みんなが準備ができたと頷く中――


 

「お、おい。これはもしかして、もしかするとここから、あの星に向かって落ちるという事なのか? なぁ? どうなんだ?」



 若干1名……なんだか落ち着きのない人がいるんですけど……。



「ちょっとノーラ、アンタ団長のくせになにビクついちゃってるわけ? 落ちるっていっても空間を渡るんだから、ドカァン! ってなるわけないって説明受けたじゃん」


「そうだが! そうなのだが!!」



 まるで子供のようにギャーギャー騒ぐのは未来のエレオノーラだった。

 まあ未来の世界の技術はそこまで発展してないんだから、不安なのは仕方ないんだけどさぁ。



「ほらノーラ。未来の自分を励ましてあげてよ」


「私がか!?」



 ノーラ以外に誰がいるって言うのよ。

 みんながコクピットの中から一斉にノーラに視線を送っていた。

 早くしろ、じゃないと出発ができない。

 といったように……。

 そんな視線にうっ……とした様子のノーラは――



「お、おい私……落ち着け」


「これが落ち着いていられるか! もし、もしもだぞ!! 万が一不良を起こして木っ端微塵にでもなったら――」



 話しかけても聞く耳持たないエレオノーラ。

 そんな彼女に無理だと言ったように顔を背けてノーラはマックスに告げた。



「はぁ……もういい。マックス。準備は出来たようだ。出してくれ」


「お、おい!! 人の話を聞けぇ!!」



 ガコンとエレオノーラの叫びも虚しく、船は稼働し始めた。ゆっくりとトンネルの先のゲートが開いていく。



 その先には青い星がチラリと見えた。

 なるほど、このトンネルはこの船を射出する場所だったってわけね。



『それでは座標を過去のルプトに設定。着陸予定地点は中立都市付近に固定。対重力フィールド展開』



 船にハニカム状の薄い膜が展開されて見えなくなった。

 防御魔法の一種だろうか。手で触れることも出来ないから、ここから分かる事はないんだけど……。



『皆さんと会えて光栄でした。それではまたお再会を願って……いってらっしゃいませ』


「ばいばいマックス。今度来た時はゆっくりさせてもらうから」



 アタシの船がゲートに固定され――

 ギュンッ!! と一気に加速し始めた。

 Gが前から叩きつけて背中をシートに押し付けられる。

 そしてあっという間に暗黒の空間に放り出されて、青い惑星へ。



 大気圏に突入して機体の前方が赤く燃えていき――そして緑色に輝き出す……。

 時間の逆行に入ったんだ。



 加速し、次元の壁を突き破る。

 天外星からの射出、そして惑星ルプトの重力を合わせた障害物なしの超加速だ。



 目の前の景色が青い惑星から真っ白な空間に変わる。

 周りには何もない。ただ真っ直ぐ続くこの空間。

 操縦席にあるモニターには数字がみるみるうちに下がっていくのが表示されている。

 時が……遡っていく。


――――――――――――――――――――――


 白い光景から抜け出したと思いきや、次に目に入ったのは雪景色だ。

 雪景色の中に都会が小さく見える。

 大きなビルに高速道路――アタシの知る帝国だ。



 だけど違う部分が一つあるとすれば、首都に異質な物体っていうか建造物が見える。



「テラフォーミュラー……いや魔王城ね……」



 魔王城の天辺から波紋のように赤い光が展開されていて、晴れた空がその部分だけ黒く染まり始めていた。



 なるほどね……未来の空が夜みたいだったのも、テラフォーミュラーの所為だったってわけだ。



 ドゴォォォォォン!!!!



 機体が雪原へ叩きつけられる。……いや、着陸というより激突だけど――なんとか無事に地上へ辿り着いたようで、モニターには【安全確保】と点滅して表示されていた。



 アタシは機体から外へ出て空を見上げる。

 すると次々と流れ星のような何かが地上へ降り注ぐのが見えた。



 みんなの機体だ。

 アタシの場所から少し離れた場所に次々と轟音が響いてくる。

 中からみんなが出てきてアタシに駆け寄ってくる中、未来のエレオノーラだけがゲッソリしていて、ノーラに肩を預けながらやって来た。



「もうごめんだ……あんなのにもう乗りたくない……」


「大丈夫だ。帰りはこっちにある転送装置で帰れるからな」



 あはは……こりゃどっちが未来のノーラか分かんないよ……。

 呆れながら2人に目を向けていると、モルトとサーシャが――

 


「見たか? 帝国の方にあるアレを」


「ああ。あんなのは私の国には無かった。つまりあれが――」


「ああ、魔王城って事だな」



 魔王城は帝国首都近くにあった。

 ここからはかなり離れてるけど……これは仕方ない事だった。

 なんせ、もしどこかの国に着陸したとして、魔王城が正反対の大陸にあったら辿り着くまでに相当の時間が掛かる。



 だから中立都市付近に設定したんだよね。どこからでも同じ時間で移動できるから。



「皆さん。R.O.Dを見てください」



 イデアが自分のR.O.Dの画面を見つつ言ってきた。

 アタシ達はR.O.Dを取り出して画面を見ると、そこにはとんでもない量のメッセージが表示されて……ってか今も絶賛更新中だ。



「緊急事態発令……マジかよ。これってレギオンじゃねぇか」



 モルトと同じ動画をアタシも再生してるんだろう。

 一番上に表示された動画を再生してみると、帝国だけでなく各国でレギオンの襲撃を受けて逃げ惑う市民の姿が。



「ここまで魔族の手が早いなんて……さすが魔王っちゅうことかいな」


「手が早いだけでもないみたいだよ? 魔族の力も未来の世界にいたものとは比べ物にならないみたいです」



 イデアが見せてきたSNSのログには、冒険者がすぐにやられただの、騎士団が壊滅寸前だの色々な情報が書き込まれていた。



「ど、どういう事!? この世界の方が魔法も発達してるはずなのに」



 未来よりも進んだ技術なんだから、ここまで一方的にやられるなんておかしい。

 そう思ったのだが、サーシャは。

 


「最後の魔将が強化されていたんだ。魔王も強くなっていないはずがないだろう?」


「なら……これが魔王の本気ってこと?」



 そうだ、とサーシャは頷く。

 こうしちゃいられない。今すぐにでも魔王を止めないと。



「なら予定通り……ここからは別れて行くわよ!」



 皆が頷く。

 他の国のことも気にはなるけど、魔王を潰さないとこの危機は乗り越えることができない。

 だからアタシ達は天外星で話し合った作戦通りに行動を開始することにした。

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