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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第14章 天魔大戦 滅びの未来編 2
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第17話 交信。別々の世界から

「おい! おいティナッ! くそっ。あの野郎……全然応答しねぇ……」


 深夜に突然ティナの野郎から電話がかかって来たかと思えばなんの声も発しやしない。

 まさか何かあったのか? そう思うと不安が胸を締めつけてきやがる。

 幸いソーサリーズにはみんなが居てくれたおかげで直ぐにいつもの部屋に集まることはできたんだが――


「モルト兄ちゃん!? 姉ちゃんは! どないなん?」

「分かんねぇ……だが、向こうから爆発だの叫び声だのが聞こえてくっから何かは起こってるんだろうが……」


 心配そうなマロンにそう答えるしか出来ねぇ。

 なんせ俺様達からはR.O.Dを介したやりとりしか出来ねぇんだからよ……。


「モルト。R.O.Dの音量を上げてフォルティナを呼び続けろ。マロン、イデア、あとランス。お前たちはついて来い! あれの最終調整に入るぞ」

「おけ!」

「了解です」


 サーシャに頷く2人。だが、ランスは――


「ちょい待ちぃや! アレはまだ未完成やないか。最終調整? いやいや。まだ無理やって」


 なんの話だ? 前にランスの婆さんから渡された物ってやつと関係あんのか? あれから1日で見つけることはできてたみたいだが……。


「無理もなにもないだろ! 向こうでフォルティナがピンチなんだぞ? 奴は我が帝国の救世主なのだ。今動かないでいつ動く!」

「せやで兄ちゃん! ウチら技術者はやりもせん内から出来んって諦めたらあかん! 出来るまでやる……せやろ!」

「お姉ちゃんの言う通りです。それともここで引っ込みますか?」


 なかなかに厳しい言葉をランスの甘ったれにぶつけてんな……。

 ランスは言われ肩を震わせていた。


「ふざけんなや……アレは婆ちゃんが俺に託してくれたもんやぞ! 見届けない孫ちゃうわボケ!」


 そう言って3人の元へ。

 へっ。尻に火がつきやがったな。


「モルト、我々はこれから準備に入る。貴様は言われた通り――」

「声をかけ続けりゃ良いんだな……了解だ」

「うむ。応答があれば呼んでくれ。行くぞ」


 サーシャ達は部屋から出て行きやがった。

 なにやら考えはあるみてぇだから、頼りにさせてます貰うが……。

 向こうの様子も一国を争いそうだぞ……。


「ティナ! おい馬鹿野郎がッ! さっさと返事をよこしやがれ!」


 だとしても俺様はこうやってR.O.Dに叫び続けることしかできねぇ……だから頼む! 返事を……一声で良いから返事を返してくれ!


――――――――――――――――――――――――


 目の前で繰り広げられてるゲストとエスカイトの攻防に俺がついて行けていない……。カラジャは気絶してるし、せめて何とかカラジャを回収したいところだが――


「動かないでくださいよ」

「くっ!」


 動いた瞬間、筆で墨液を振り撒かれた。

 降り注ぐ黒の液体を回避したが、滴った場所は砕け、溶けたように床が抉り取られていた。

 奴め……ゲストと戦いながらで俺に牽制する余裕があるのか……。

 なら使うか? 魔法を……今ここで。


「がっ!」


 ゲストが更に殴られた。さっきからゲストの様子がおかしい。なぜ技を出さない……いや。出せないのか?

 奴と戦った仲間は全員ワザを使えなくなったと聞く……。それは奴がワザを使う暇を与えないと思っていたが……違うのか?


 『おい……ナッ! ――えてたら。……しやがれ』


 なんだ? どこからか声が……。

 微かに聞こえる男の声。耳を澄ませ、目をその方向に向けると――

 あれは、ゲストの魔具じゃないか。

 戦闘中に落としたんだろう。どうやらあれから音が鳴ってるみたいだ。

 奴は……まあ俺も警戒してるだろうな。

 カラジャも回収したいし……仕方ない。


「【我……静かなる存在の陰りを落とせ……】」


 これでよし。今から数分間は奴が俺の姿を捉えることはできない。

 まずはR.O.Dって呼んでたゲストの魔具を回収しに向かう。エスカイトとの距離も近かったが、なんとか【意識阻害魔法】で気付かれずに済んだな。


 『おい! ティナ! 聞こえてんのか!?』


 ティナ? 確かゲストの通称だったか……。ここじゃまずい。

 そう考えてカラジャの元へ移動し、彼の巨体を引きずるようにして部屋の端まで運んだ。

 ここまで来ればカラジャを人質に取られることはないだろう。残るは――


 『おい! おい!』


 こいつだが……。俺が答えて良いのか? 呼んでるのはゲストだが――

 ゲストは今も必死にエスカイトに食らいついてるが……長くは保たなさそうだ。

 仕方ない。


「おいお前ゲストの――フォルティナの知り合いか?」

 『誰だテメェ……そいつはティナのR.O.Dだろうが、あいつはどこだ! 出しやがれ!』


 どうなら俺がゲストに何かしたと勘違いしてるようだな。


「フォルティナは今魔族と交戦中だ。代わりに仲間の俺が聞く。なんだ?」

 『仲間だと……少し待ちやがれ』


 通信を掛けておいて待てだと? 随分と余裕だな。こっちはかなり逼迫してるというのに。


 『待たせたな! 俺様から別の奴に変わる。お前はそいつの話を聞いてくれ』

「話だと? ちょっと待ちな!」


 だが返事は返ってこない。切れたか……そう思った時、代わりに誰かの声が聞こえてきた。


 『フォルティナの仲間とやら。聞こえるか?』


 女? それもかなり高圧的な……。


「なんだ」

 『よし。聞こえてるな……。そこは魔族の巣で間違いはないか?』

「あ、ああ……それがどうした?」

 『ちょうど良い。なら端末が近くにあるはずだ。そいつの前に行くんだ』

「行ってどうなるんだ!」

 『援軍を送るのさ』


 高圧的な女はそう言った。

 援軍? どこから……。

 そう思わされたが今俺がここでできる事がないのも事実。故にこの魔具から聞こえた通りに動くことにした。

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