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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第2章 観光都市ランブル編 憎悪を超える愛の歌
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第1話 観光都市ランブルと最悪の出会い

 マインツ村から5日ほどある距離をフォルティナは2日で辿り着いた、鍛錬がてら走りながら目指していたからである。

 

「わぁ〜! ラングの街は壁で中まで見えなかったけどここは壁がないんだ……人もこっちの方が多いし! さっすが観光都市って感じ〜」


 街の入り口でフォルティナは独り言を呟いていた、観光地のため様々な人種が入り混じっていた、金髪に白髪、褐色肌の人と多種多様だった。


「とりあえず合流場所に行かなきゃね! でも見つかるかなぁ……こんなに人が多いと見つけられる自信ないよ……」


 そう言いながら街に入る。街では様々な屋台があり、工芸品や歩きながらでも食べれる物が売られていた。

 そんな大通りを歩き合流地点の喫茶店の前までたどり着いた。


「さてと……それらしい人は……っと」


 辺りを見渡すがやはり観光客が多過ぎてそれらしい人物が見つからない……


 ここで合ってるよね?


 R.O.Dの指定されている情報を見ながら店を確認していると店の窓際で髪を整えていた男にぶつかった。


「いたっ! すいません よそ見しちゃってて……」

「いってぇな! これから運命的な出会いが待ってるってのに折角の一張羅を汚すんじゃねぇよ!このガキンチョ! ふらふら歩いてんじゃねぇ! とっとと失せろ! シッシッ!」

「ちょっと!! 流石に言い過ぎじゃない!? ぶつかったのは確かにアタシだけどそこまで言うのひどくない?」

「あぁん? うるせぇな! 喋りかけんな このちんちくりんが!」


 ぶつかった男は赤色のスカジャンを整えながらそう言った、男はぶつかって来たフォルティナの全身を確認し、子供に興味がないと言わんばかりに軽く息を吐き窓に向き合ってショートリーゼントを折り畳みの手櫛でセットし続けた。


むっかー! ラングの街の人達はあんなに優しかったのにランブルはこんな嫌な奴もいるなんて! まぁいいわ! アタシが悪かったのは確かだし……気を取り直してパートナーさんを探しましょ!


 5分10分とたってもそれらしい人は現れない……30分程経ち人の往来が少なくなって待ちくたびれたフォルティナは言葉をこぼした。


「モルトって人はどこに居るのよー!」


 すると先程ぶつかった失礼極まりない男が近づいて来てフォルティナに話しかける。


「おい……まさか……お前がフォルティナ・ロックスか?」

「え……? そうよ? まだ文句あんの? アタシアンタにもう何もしてないんだけど!」


 なんだこいつ……てかなんでアタシの名前知ってるの?…………まさか!


「まさか……アンタがモルトって冒険者なの?!」


 よりにもよってコイツが?とフォルティナは思ったがそれはモルトも同じようで……


「このちんちくりんが……パートナーだぁ……?」


 するとモルトは急ぎR.O.Dを取り出しどこかに連絡をし始めた!


『はい! こちら冒険者協会受付です! 何かお困りですか?』

「お困りもお困りだ! パートナー冒険者を選定した責任者を出しやがれ!」

『生憎ですが……どちら様でしょうか?』

「Dランクのモルトだよ!」

『少々お待ち下さい……』


 モルトは片足で軽く地団駄を踏みながら対応を待つ、すると


『お待たせしました 私ラング支部の人材派遣部の責任者のアレクサンダーですが? なにか御用ですか?』

「御用も御用だ! 女性冒険者のパートナーが来るって聞いてたのになんだこのちんちくりんのクソガキは! 俺はボインボインの美人がいいんだよ! チェンジだ! チェ〜ン〜ジ〜!」


 なっ……! 何よコイツ〜! アタシだってもう立派なレディなのに!ちんちくりんですって〜!!


 フォルティナは自身の胸を手で撫でながら確かめる。


 確かに……ぼいんぼいんじゃないけど……まだ成長期だもん! まだまだこれからだもん!


 フォルティナはモルトの言葉に対して怒りが湧いていたが自身のスタイルが……主に胸があまり育っていない事を気にしていた。


『申し訳ございませんが……裁定に変更はありません……また モルト様自身パートナーがいらっしゃらず また依頼達成度も低い為 今回のパートナー研修を辞退されますと度重なる依頼未達成で資格剥奪となりますがよろしいでしょうか?』

「ぐっ……し……仕方ねぇ……流石に資格だけは無くしたくないから面倒は見てやるが……お前!覚えとけよ!」

『また何かありましたらご連絡ください! では良い冒険を!』


 通話を終えたモルトはR.O.Dを床に投げつけながら激昂する。


「ちっ! アイツ! 次会ったら殴り飛ばしてやる……」


 通話が終わりフォルティナは激昂しているモルトに呆れた様子で話しかける。


「で? なんだって?」


 モルトはそんなフォルティナの態度にさらに怒りながら答える。


「年上に向かってなんだその態度は? まな板野郎が!」

「誰がまな板よ! ちゃんとあるもん! おっぱい!」

「はん! そんな潰れたカプセルの蓋なんかおっぱいじゃねぇよ! ブスブース!」

「むっか〜! さっきから言いたい放題言っちゃって! アンタだってなんなのよ! そのチョココロネを突き出したような頭は!」

「クソガキにこのスマートな男らしさが溢れるリーゼントの魅力は分かんねぇよ! ハッ!」


 段々ヒートアップし口喧嘩で人が集まり出したがそれに気づくまで20分ほど口論は続いた。


 ほんっと最悪!とんでもない馬鹿男だわ!


 これから数日このまな板と一緒だと……気が滅入るぜ!


 最悪な出会いを果たした2人だった。

ここまで読んで頂きありがとうございます!

今回から2章の始まりです! 

もし面白いと思って頂けたら幸いです!

評価、ブックマークをよろしくお願いします!

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