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奇巌城さんと一諸

324話 奇巌城さんと一緒


 朝来てみれば、パソコンに仕事が。

 

 死んだ彼氏から手紙が来る調査。

 

 依頼人 牧本あつみ 28才 OL


 え、死んだ彼氏から手紙って、コレはボクではなく獄門島さんの担当では。

 

 丁度通りかかった奇巌城さんに。


「あの、この依頼ボクでいいんですか?」


「ああ、死んだ彼氏からってやつね。それ、私が担当したから間違いないわ。社長が田守くんにと、私もねぇ〜いいのかなと。社長に聞き返したんだけど。間違いないわよ」


「でも、コレは獄門……。まあ社長が言うなら。わかりました。すみません、奇巌城さん」


「依頼人、年上のおねえさんだけど大丈夫? 良かったら私、手伝いましょうか」


「大丈夫なんですか奇巌城さん?」

「そろそろOLとメイドにもあきてきたから。社長んトコ、行ってくるから」


 死んだ彼氏から手紙がって、心霊関係だよね。なんでまたボクなんだか。


「獄門島さんは、別の仕事してますから田守さんにまわって来てるんじゃないですか」


「金田一さん」


「奇巌城さん、探偵の仕事したくてウズウズしてたから。わたしも興味ある依頼ですけど、奇巌城さんの方が頼りになりますよね」


「たまたま、コレ奇巌城さんの担当だったから、奇巌城さんが、くいついて……」


「知ってます。わたしもね霊能力とか、ないですから力にはなれませんよね。あーあ、わたしに力があったなら田守さんと……」


 どうしたんだ金田一さん。

 でも、奇巌城さんだって霊能力とかないよな聞いたこともない。


「お待たせ、社長から許可が出たわ。着替えてきたわ。行きましょ田守くん」


 黒いライダースーツにブーツ。

 バイクで行くの? 


「あ、そんな顔しないで。私、会社の行き帰り、いつもコレだから。今日はコレしか、え~と依頼人とは何処で……。ここだと、電車の方がいいわね」


 と、いうわけで依頼人指定のカフェへ行くことに。

 東侠駅の地下街ということで渋屋駅で電車を待ってると。


 ボクより背の高い奇巌城さんの黒いライダースーツ姿が目立つ。

 ボクはグレイのスーツだ。


「おい、また会ったな田守」


 和戸村(わとむら)。やっぱり、渋屋近辺に住んでるのか?


「仕事? 何でも屋ってスーツ着て仕事してんの? こないだは普段着だったよな」


「時と場合によりけりだ。和戸村は休みか、そんなかっこうで」


「あ、ボクさ仕事失くしちゃてさ。まいったよ。渋屋にアパート借りちゃたからヤバくて」


 やはりこのあたりに住んでるのか。アパートといえどもこの辺は安いマンション並だろ。 


「でさ、おまえんトコ雇ってくれないか」

「ソレはボクがどうこう出来る事じゃないんだ。ボクも社長と親戚のよしみで雇ってもらってるんだ無理だよ」


「お友だち?」


「え、おねえさんは?」


「私は田守くんの会社の者だけど、ウチはそう簡単に人は雇わないわよ」


「田守。また違った美人だな、おまえの会社はハーレムかよ」


「いや、たまたまだよ。男の社員も沢山居る」


 ボクと社長と等々力さんの三人だけど。だが、女性だって少し多いだけだハーレムは、ないだろ。


「あんた、聞こえたわよ。ハーレムのわけないでしょ。私たち女性社員をなんだと思ってるの。あんたが上司なら私、あんたを殴って会社辞めるわ」


 奇巌城さん、怖いことを。


「いや、ごめんなさい。そんなつもりじゃ。じゃ田守頑張れよ。ボクは向こうの電車だから」


 逃げたな和戸村。


「ちょと、おどかしちゃたかしら」

「いえ、あいつにはそのくらいが。たまたま、ボクに会うとき獄門島さんとか、金田一さん、八つ墓村さんとかと会ってしまいハーレムなんて失礼なコトを」


「でも、美人に囲まれた仕事場って良いでしょ。田守くん」


「ソレはまあ……」



 待ち合わせのカフェに。

 依頼人は『ゲーテの格言集』の文庫をテーブルの上に置いとくと。


 現れたボクらを見て少し驚いた風だった。

 まあ、ライダースーツと背広のコンビでこられたんだから、わからなくもない。


 牧本あつみさんは、まあ見た目派手でも地味でもない普通の人だ。

 化粧も濃くもなく薄目だ。


 28歳、言われればまんま。若くも老けてもいない会社でも目立たないタイプかも。


寿ことぶきから来ました田守と、こちらは奇巌城です」

 

 相手も探偵と会ってるとは知られたくないだろうから探偵社とは言わずに名刺をテーブルに。


「あの、私まだ名刺を……」

「奇巌城さんは、まだ入社したてで。あ、大丈夫です。ボクより頼りになる人ですから」


「話は……」


「依頼の内容と変わりなければ、大丈夫です。で、その手紙はいつからです?」


「はじめに手紙が来たのは彼が亡くなってからひと月後あたりですか。はじめは誰かのいたずらかもと……」


「その手紙は直筆で?」


「いえ、パソコンで作り印刷したもので。だから、はじめはいたずらかと。でも、いたずらなら非道いですよね」


「彼の直筆は?」


「知りません。今はLINEとかですし、手紙なんてもらったこともありませんでした」


「変な事聞きますけど、彼が死んだのは確かなんですよね」


「ええ、バイク事故でした。お葬式にも火葬にも行ってお骨も……」


                つづく

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