地底人のスパイ
200話 地底人のスパイ
「新人候補……」
「はい、司令。オレ、見たんです。凄く強い女性を。ソレが並じゃなく。おそらく仲間のパープルやイエローより」
「その女性はどんな職を?」
「オレがある程度調べたら探偵社の社員のようで」
「わかりました。私には新しい要員の決定権などは、ないので上に報告をしますから、もっと詳しい報告を……」
翌日、普段の仕事が終わり。オレたちは基地に集合し、あの女の事を。
「彼女はウンターヴェルドに潜入していた地底人のスパイと判明しました」
「スパイって、ウンターヴェルドは地底人だろ。ソコに潜入してた地底人のスパイとはどういうことだ?」
司令に代わり緑の髪の女が話しだした。
「ウンターヴェルドは、元々地上から来た組織です。その組織をさぐるべく私は侵入しましたが……。彼等に前線送りされ、あのモグラタンクに乗せられ地上に。タンクが地上に出ると私は密かに脱出しました。でも、あなた達の攻撃の爆風で……」
「ウンターヴェルドは、地上の組織だって。じゃオレたちは、人間と戦っていたのか。奴らはいったい何者なんだ」
「まだ、詳しい正体は情報不足で。彼等の別の組織が月にもと、わかりました」
「月にも仲間が居るのか! 宇宙人か、奴らは」
「ソレを調べるのも皆さんの使命。コレから彼女もグリーンとしてチームに加わる事になりました」
あの緑の髪に、ココに来てわかった。
瞳も緑だ。
グリーンか。なるほど、彼女が六人目のソルジャーか。
て、ことはオレの推薦したあの女性は。
「彼女、グリーンの調べもあってウンターヴェルドのスパイが、ある商社マンとして地上に潜入してることが確実と判明しました。今回の皆の仕事はその男を捕らえるこです」
と、いうことでオレたちはその商社マンになりすまし地上でスパイ活動をしてるウンターヴェルドの男の会社へやってきた。
グリーンも、できたばかりという緑色のゴーグルにスーツ姿だ。スタイルは、痩せ型のパープルやデカ尻のイエローよりイイじゃないか。
オレらのゴーグルは顔全体を隠すマスクで、かぶると視界が悪くなると思ったが、中では360度視界が見える。目の上あたりにはクルマのルームミラーみたいのが有り後ろも常に見える。
いったいこんな物を誰が作ったんだ。
オレらの上の組織とは何者だ。
なんて、考えるのもコレで何度目か?
はじめはテレビのヒーロー戦隊物みたいで笑ってしまったが、実際使ってみるとスーツも、オレたちの力か数十倍になるし、丈夫だ。その技術に驚かされた。
ちなみにテレビのヒーロー物は、オレたちの存在を隠すためのカモフラージュなんだそうだ。
街なかで目撃されてもテレビの撮影と誤魔化すんだと。
某ビルの屋上。
ヤローをビルの屋上に追いつめた。
「なぜ、私の正体を」
男は、ちょっと日本人ばなれした顔つきだ。一見外国人に見えるが日本語は完璧だ。
「天井桃江を知ってるな」
「まさか、彼女が……。彼女はナニも知らない!」
「知らないのはお前の方だボケ!」
「彼女はこちらのエージェントで、おまえにふぐりを入れていたのよ」
「イエロー、さぐりでしょ」
「そうよ、さぐりよ!」
「彼女は、妊娠までして、来月には私と結婚する女だぞ……まさかエージェントだったなんて……」
「妊娠はウソよ。ウンターヴェルドのスパイのあなたが言えるセリフ!」
オレたちは一斉にヤローに襲いかかった。
武道家のオレは、こういう闘い方は好きじゃないが、それとこれとは別だ。
ヤローの動きはイイ、オレたち6人の間をぬけ向かいのビルの屋上に跳んだ。
「見たか、やはりヤツは普通の人間じゃない。追え!」
一番身軽なレッドが先頭を切った!
次にパープル、ブルーと続く。
「ブラックさん、ヤツの行き先は、なんとなくわかります。先まわりを!」
グリーンはヤツの逃げ場所がわかるらしい。オレは彼女の後を追った。
ブラックさんなんて呼ばれたのは、初めてだ。
気に入った。この娘。
パープルより年上に見えるが、いくつだろう?
オレたちはヤツの逃げ道の前に出た。挟み撃ちだ。ヤツの後ろのレッドたちの姿も見えた。
「ナニ、なぜわかった!」
ヤローは、ビルの間の道路に。
「ちくしょう!」
「キサマなにを」
ヤローは、たまたま道を歩いていた女性をタテに。
「来るな、この女の命はないぞ!」
女性を人質に、とは。
卑劣なヤツだ。
つづく




