突入しました
20話 突入しました
「社長、土門さんから。土門さんて、あの心霊研究家の、ですよね」
「多分、他に知らないし……あ、かわりました」
〘電話で、話すのも久しぶりだなぁ〙
「ああ、元気でやってるな土門くん。テレビ見たよ」
〘恥ずかしいとこを……アレはテレビの演出だ〙
「わかってるよ。で、なんだい。背田谷の件かい」
〘ああ、そっちに行ったか、悪い。勝手に名前出して〙
「こっちの儲けだから問題ないよ。その手の仕事もこなせる社員もいるから」
〘そう思って紹介した。が、実はその話とは、関係ないんだ。娘に頼まれてな。親友が突然変になったから調べて欲しいと。こっちは専門外だから、あんたに……。金がない、安くやれないか?〙
「なるほど、娘さんの親友がね。今は手があいてるのが、いなくてね時間かかるよ」
〘そうか……助手にでも頼むか〙
「社長。私、あいてます」
「って、君は……」
「私も探偵。やりたかったの」
「素人だが、あきが出た。格安で、やるけど」
〘安けりゃイイ。頼む〙
「じゃ詳しいデータ送って」
東部邸。
キンポーン
「誰か来たわ」
「今日は予定なかったよな」
「ええ」
モニターを見ると白いロリータファッションの女のコが。
何者かしら?
「どちら様?」
〘宅配便で〜す〙
「ウソでしょ。そんな格好の宅配屋なんているわけないよね」
〘バレましたぁ。本当はとある悪霊清掃業者で、お宅の周りの地縛霊をお掃除させてもらえると嬉しいんですけど〙
「悪霊? そんなのいません。あなた、悪徳霊感商かしら」
〘いえ、悪徳ではありません。無料です。外の酷い様子からして、中も酷そうですね〙
「なんて、言ってるわ。ダバ」
「ああ、確かに家の周りは酷いもんだ、魂をぬいた連中があの世にも行けず漂ってる」
「そうなのダバ?! 私には、そういう力ないからわからないの」
「そうなのか、仲間で一人くらい居ないのか? ちょっと力がある奴なら、この家の異常さがわかるぞ」
「あんた、早く言ってよ。変なの来ちゃたじゃない」
「おいおい、そんなのは仕事の契約にないぜ。無料だと言ってた、やってもらったらどうだ」
「そんな事、兄に黙って出来ないわ!」
〘ほっとくとヤバいですよぉ。ホントに無料ですからぁ〙
「あたしは、ただの留守番だから勝手な事は出来ません!」
〘黙ってれば、わからないじゃないですか〙
「この嬢ちゃん。ねばるなぁ」
「私、見られたらヤバいわ。あんた、顔出して追っ払ってよ!」
「ああ、ちょっと脅かしてやるか」
ダバの異相は、大概の女のコなら怖れる。
玄関。
ガチャ
「うるせぇガキ。とっとと帰りやがれ!」
「オジさん。お口が悪いですね。何処で日本語習ったのですか?」
なんだ、この娘少しも驚いた様子がない。
「そのお顔はドコかで見た覚えが……」
「ナニ」
「ソコのコンビニでビール買ってましたよね」
そういうコトか。
「ダバ・ダッタンさん」
「ナニ、おまえ何者だ!」
男が、薫に掴みかかろうとドア開き出て来た。
伸ばした男の腕を掴みひねって投げた。
わたしは倒れた男の腕を後ろに回してひねった。
「痛えっ! もう一人居たのか。」
「立って、家の中に」
「なによ、あんたたち!」
「ここに居るのは、あなたたちだけ?」
「そ、そうよ」
「ウソだわ、もう一人気配がするもの」
「仕用人よ」
「よんで、彼女は知ってるのかしら? あなたたちの事」
「なんの話? あんたら何者よ!」
「ゲゲゲのカオルコよ、こっちは獄門番の愛さん」
薫、偽名名乗るならもう少し本名から、遠ざけてよ。
「ゲゲゲ……ふざけたコトを」
仕用人という初老の女が来た。
私達の状況を見て驚いた様子もなく。
「お嬢様、なにが……」
と、おばさんは包丁を振りかざし襲って来た。
ソレをダバという、オヤジで防いだ。
おばさんは、包丁をうまく扱い刺してくる。
わたしは、ソレをオヤジを盾にして防いだ。
「やめろ!」
おばさんは、包丁扱いがうまいのか、オヤジには当てない。ギリで、つんどめしてる。
女のコが、逃げようと動いた。
「待って、逃げちゃダメ。逃げちゃ」
「あなたたち、どこかのまわし者? 何を知ってるの」
「あたしたちはCIAよ」
「CIAって……ウソでしょ」
「愛さん、ウソでしょって。CIA」
「じゃSRIとでも」
「だ、そうです」
「SRI? なにそれ」
科学捜査研究所よ、マニアック過ぎたかな。
「なんでも、いいわ。あのコに、その体返してあげて」
「そこまで、知ってるの」
「知ってるわよ、外の霊魂たちは、あなたたちが体から出して体を乗っ取ってるのよね」
「お嬢様、こいつら殺っていいですかぁ」
おばさん、息あがってるよ。もう、あきらめなよ。
「あつ!」
しまった、手をゆるめたら逃げられた。
「おい、その包丁かせ」
男が包丁を手にして刃の部分に平手をかざして伸ばすと刃が伸びて剣のようになった。
「マジック?!」
おばさんと、女のコは、男の後ろにまわった。
「SRIだか、なんだか知らないが俺たちの秘密を知った以上帰すわけには。お前らも器になってもらう」
つづく




