尾行
195話 尾行
普段は家にいて、バイトに行く時間は不定期。
依頼人は、ここまで自分で調べている。
素人の尾行はすぐにバレる。
依頼人は、二度、尾行して顔を会わせてしまい偶然だと誤魔化したが、三度会うとヤバいと思い探偵社に依頼。
この依頼人も、ウチの会社名で選んだようだ。
寿探偵社。
結婚とかにナニも関係ないから、そういう仕事は、なるべくとらないと言ってた社長。
最近はどんな依頼も来れば拒なないのか?
不景気のせいかしら。
さて、彼女はどんなバイトをしてるのやら。
家から出た女は徒歩で駅前に向かう。
写真より少し老けて見える。
服装は地味で清楚な感じもする。
どんなバイトやら。
今日はわたしも徒歩。
彼女がクルマで出かけたら追えないが。
とりあえず、バイトは電車でと。
素人尾行した依頼人が。
あ、ヤバ。スーパーに入った。
買い物かぁバイトでは、ないようだ。
が、女は買った物をきちっとたたんで持ってきた大きめのトートバッグを出し中に入れたらしく、ふくらんだバッグで駅に向かった。
近くのスーパーで無いものを他に買いに行くんだろうか。
わたしも追って駅に。
意外とすぐには降りない。何を買いに行くんだろうか。
スーパーの買い物で来たのに、そんなに足らない物を遠方へ買いに行くものだろうか。
家事をほとんどしないわたしには、わからない買い物?
三十分も先の駅で降りた。さて、どこに行くのか。
駅前の商店街をぬけ住宅街に。コレは男でもいるのか。
買い物はカモフラージュ?
三階建のアパート。
部屋が三部屋、各階にある。
マンションと書いてあるけど。アパートじゃないのココ。
エレベーターホールはあるが。エントランスはない。
女は三階へ上がった。
部屋が少ないから、一緒にエレベーターには乗れないから、階段を走って登った。
走るのは久しぶり。
さすがに間に合わなかった。
エレベーターが戻ってから上ってもねぇ。
部屋数が3で何処に入ったか。やはりもう姿はない。
どの部屋かしら?
「愛さん?」
「え、カオルじゃない。なんでココに?」
「だって、ココにあたしの部屋があるから。愛さんこそ」
「そうなの、どの部屋?」
「右側。左側は、入ってるけど。真ん中は空いてるの。愛さん、どう。入らない?」
そうか、彼女は左の部屋か。
「部屋は間に合ってるわ。今の部屋は会社のだから安いの。引っ越す気はないわよ」
「ふーん。愛さん、その女……。よく見かけるわよ」
カオルは、わたしを見つめると、そう言った。
「わかるのね……左の部屋に」
「ええ、月にニ、三回来るわよ」
月にニ、三回って……。
依頼書には週にバイトは週に5日と。では、他にもドコか行ってるのね。
「その女が今回のターゲットね。たしかに、あの女の頭にはあの部屋の男が見えたけど……ソレも裸」
「男が、裸……。浮気ね。それも一人じゃない……かも」
「浮気調査? 一見そういう風に見えない女よね。だから調べてるのね」
「他の男は見えないの……?」
薫が探偵ならスゴいわね。でも、ウチの仕事はしないと断ったと。
「チラッと見ただけじゃ無理よ。それに最近会ったなら残像は残るけど……。あたしの力も万能じゃないから。でも、愛さんのためなら使ってもいいわ。なぜなら……愛さんを愛してるから」
えぇナニ言ってるのカオル。
テマリみたいなコトを。
つづく




